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膜
膜の外は にぎやかで 笑い声の点滅に 目が眩む 時々呼ばれ 膜の外へ出る 物体と物体を 切り刻み あたため おわると 膜の中へ戻る 五時間の流れ 膜の中へ 呼ばれ はじかれ 追いやられ 洗い流れ 洗い落とす 洗い流れ 洗い落とす 膜の中は ぬくまり 喉はかわき 曇りがかった 今日を手でこする あくびも悪態も 笑顔も泣き顔も マスクに消して 終了を待つ 辞めるのは 今日でもいい 明日でもいい その次でもいい いつでもいい 聴こえないやさしい言葉 浮かんでは消えて 夢のオチの連日 裂いた指で丁寧になぞる 膜が破れるまで 繰り返し
膜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1163.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-28
コメント日時 2017-05-10
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
夏生さん、投稿ありがとうございます。念のためのお知らせです。当掲示板は、月に1人が2作品まで投稿可となっております。今回、2作品とカウントされますので、次回投稿は5月以降に可能となります。また、推奨としましては、投稿するタイミングを1週間程度あけていただくことをお願いしております。予めご了承下さいませ。 後ほど、投稿作品を読ませていただきます。
0外界と接する時に、仮面をつける、というイメージを抱く人は多いと思いますが、どうも「仮面」では言い表せない、衣服のように全身を包むもの、鎧、のようなもの・・・をイメージするのですが、それもまたしっくりこない・・・そんな感覚を持っていたので、なるほど、膜か!と手を打ちました。繭を自ら創り上げて、その中にこもってしまう、ような。でも、完全に閉じこもってしまうわけではない。もっと柔らかくて、内側から手をのばせば、その形に変化して、その膜を通じて外部の物に触れることもできる。 その膜を、洗い流してしまいたい、まっさらな身体で外部と接したい、と思っている、そんなイメージで「洗う」という言葉を畳みかけていく連が生きていますね。他方、「五時間の流れ/膜の中へ/呼ばれ/はじかれ/追いやられ」の連が、全体の流れの中で私には掴みがたかった。なぜ、五時間、なのか。膜の中へ(戻る)と、いったん文の流れが切れているのか、あるいは、膜の外へ呼ばれ、今度は膜の中へ呼ばれる、と対句になっているのか・・・。 全体に抽象性が強く、もどかしさもありますが、外界との間の「膜」の質感、膜の内側の居心地よさ、しかしそこから脱しようとする意志のようなものが伝わってきました。
0三浦果実さま ご丁寧に説明くださり、ありがとうございます。こちらの不手際、失礼致しました。 まりもさま 拙作にコメントくださり、ありがとうございます! 仕事場で感じたこと、経験したことをもとに描いたので 内側に入りすぎた言葉があったかと。ご指摘くださいまして、ありがとうございます。書き手の心情を丁寧に汲み取ってくださり、とてもうれしく、ありがたく思いました。
0本音と建て前論があるとして、そのポイントは、受け取る側にその判別権があるということだろう。逆にいえば、本音と建て前を発する側にしてみれば、「開き直っていい」ということになる。いくら考えたって、所詮、受け取る側の問題なのだから。ただ、防護として持っておきたい「膜」のようなもの。本音を云ってるのか、建て前を云っているのか、社交辞令なのか、本気で友達になりたいと思っているのか、あるいは、嫌われてもキミがすきだという否定語による肯定の気持ちなのか。それらが、あやふやで、仄めかしで、仄暗い感じの自分でいたいという気持ち。そんな本作『膜』ではないでしょうか。
0面白いですね。「膜」というイメージ一つで、ちょっとボケてるけどなんとなく分かる感じ、というか想像力を喚起させられるようなバランス感覚に長けている感じがします。これが天然なのか、作為的などうなのか、というのはあれですが、ある種の才能みたいなものを感じます。 膜というのは、多分最初は学校のカーテンみたいな感じで読んでいましたが、二連読むと、僕にとっては医者に呼ばれたときのイメージになる。つまり、最初は透明な薄いカーテンだったのが、真っ白で分厚い、何かを隔てるカーテンになる。そこから洗い流すイメージが加わって、粘着質な粘膜のイメージになる。体液っぽい感じになるのかな。マスクが出てきて、そこで鼻水が鼻を塞ぐイメージになったりする。 >裂いた指で丁寧になぞる > >膜が破れるまで >繰り返し あいだ少しだけ飛んで(あんまりピンと来ないところもあります)、膜を裂くイメージと破れるイメージで最後締める訳ですが、そこらへんの動詞の使い方が面白い。膜一つで色々な事が出来るんだな、という事で言葉の広がりを感じる作であるいっぽう、膜を使ったテーマ、その内実にもう一歩踏み入れられたらというもどかしさがありますね。もうちょっと考察を入れていきたい作です。
0hyakkinn さま コメントありがとうございます!現実とイメージとそこから感じたもので書いた詩でした。 まだまだ書き足りない箇所がたくさんあったかと思います。細部までお読みくださり、 ご指摘、アドバイスをくださいまして、ありがとうございます!
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