ほどける - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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ほどける    

世界は重なった網目だから いるだけで深くひずむ わたしたちはその跡を 存在と呼んでいる ずぶずぶと足が沈む 足跡が残る ずっと一所にいれば穴が開く だからみんななんとなく 歩き回ってみるのだ ここは際限がないくらい広い いつかには必ず果てがあって 縁に足先が触れたとき 否応もなく底へと落ちて行ってしまう あてなく征く人々の足跡 これを過去と呼ぶ そして残した存在の跡 その道程が描いたものを人生と呼ぶ 世界は重なった網目だから 下には無数の過去がいる 時が進むごとに上へ上へと 重なってゆく 落ちて、おちてゆく 見上げれば繭のようだ 指先がほどけてゆく わたしの網目はきっとだれかだった 白い砂が降る 一粒一粒のだれかとわたし 踏みしめるたび交じり合う 最期の一つまみが風に吹かれて わたしのなかみも確かにほどけ いのちがそこにあるばかり


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作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1140.6
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-10-30
コメント日時 2018-10-31
#受賞作
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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閲覧指数:1140.6
2025/04/11 01時25分38秒現在
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    作品に書かれた推薦文

ほどける コメントセクション

コメント数(4)
yasu.na
(2018-10-30)

読ませていただきました。 良いですね。使用し尽くされた表現が、ないです。新鮮です。音も良いです。 ただ、描かれたことを、具体的に、論理的に、あるいは感覚的にも頭の中に構成しようとすると、うまく出来ない感じがします。そんな感じは『指先』以降の部分に由来するようです。音的には破綻していないと思います。が、タイトルをこの部分から取ってくるのはちょっと傷かなと思います。 でも、何度も読みたい詩です。

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あきら@ちゃーこ
(2018-10-31)

よくわかんないことになるのは自我が解けてよくわかんなくなるからです 体がほどけて世界が見えなくなってゆきます 見えるのは自分のなかみです 世界と自分がいっしょになって また世界がみえます

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ほば
(2018-10-31)

だからみんななんとなく 歩きまわっている、 なんとなく生きてきてしまった自分を思い返すようでした。ほどけていく、この世界と同化してひとつの網目にいつかなるのだし、そのとき自分は世界と同じだよなぁ、そんな瞬間を感じられたら生きていると思えるんだろうな。掴みようがないようで、ひどく気になってしまう詩ですね。

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エイクピア
(2018-10-31)

いいと思いますよ、読後感がいい。何がほどけるのか、指先だけなのか。わたしのなかみも確かにほどけるが、~も?。いのちがそこにあるばかりと言う落ち?結論見たいな、そこらへん、宙ぶらりんな感じがなかったわけではないですが、そんなに変な読後感ではなかったです。

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