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息
手をかざす 私の少し黒い手が くもり空を引きちぎる そしてぎゅうとめをつむり ごくりと喉を鳴らして呑んだ 口から はあと雲がこぼれる 春なのに ここはまだ寒い 足元には 生命が燃えよ燃えよと くすぶっている そろそろつくしが頭を出す頃か
息 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 960.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-27
コメント日時 2017-05-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
一見、余計な技巧のない素直な詩に見えますけれども、そして確かに後半部分の展開。つまり、春が来てつくしの頭(男根のイメージがありますね、)が出る、イコール希望。と言った終わり方は叙情詩として、正統派なのですけれども、私は前半部分が個性的だなぁと感じました。「私の少し黒い手が/くもり空を引きちぎる/そしてぎゅうとめをつぶり/ごくりと喉を鳴らして飲んだ」この一連がとてもユニークです。何故、私の手は黒いのか。空は晴れ渡っていないのか?理由はわからないのですけれども、作者の少し屈折した心情を、文字通り呑み込んでしまいたいというような意志を感じました。
0春先の、まだ肌寒い(息が白くみえる)時節の、深呼吸。 少し黒い手、は、日焼けした手かもしれないし、真冬のどんよりと暗い曇り空ではなく、明るいグレートーンの空にかざして、逆光で黒く見えているのかもしれない。 いずれにせよ、くろいて、の「く」から、くもり空の「く」へとつなげながら、空を引きちぎってのむ、というダイナミックなイメージに惹かれました。 吐いた白い息が、灰色の雲を浄化して白く吐き出しているようにも見え・・・語り手自身が、春を呼び覚ましていくような・・・体そのものが自然の一部となって再生を感じ取っているような感覚がありました。 最終連、くすぶっている、で止めた方が余韻が残ったような気がするのですが、どうでしょう・・・。 なめらかに膨らんでいった後、息が弾んでいるような小さな乱れがある、そんな息づかいのリズムが、詩形に現れているようにも思います。
0>くもり空を引きちぎる > >そしてぎゅうとめをつむり > >ごくりと喉を鳴らして呑んだ > >口から はあと雲がこぼれる ここら辺が面白い。雲から息につなげていく所で温度の冷たさを伝えていく、所で、 >春なのに > >ここはまだ寒い > >足元には > >生命が燃えよ燃えよと > >くすぶっている > >そろそろつくしが頭を出す頃か 春のイメージを持ってくる。雲に季節が色付いてきて、そこに春になる前の冬っていうイメージをつけていく、季節の詩っていうのは短調な色で埋め尽くされてしまうことが多いのだと思うのですけど、本作の色の付け方はなんとも絶妙ですね。つくしを最後に持ち出す事で、僕は更に五月のイメージが付け加えられて、そう、春の冬のイメージから、五月なのに曇り空でつくしも生えてこない春のイメージに変わってしまう。この感覚は中々面白いとおもいました。これだけの最小限の手数で上手く書ききっていると思います。
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