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小悪魔
野菜室101号に棲んでいる レモンは かじるのが怖い 暗い野菜室にいながら 広島産 おひさまどころ発 レモンは お日様をあつめてしまっている レモンとデーモンが似ているのは 偶然ではない どちらも お日さまを かくしている だから かじるのは怖い てのひらで ひんやりとつめたい お日さま 手におえるサイズだからこそ がぶりと かじるのが怖い
小悪魔 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1324.1
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-26
コメント日時 2017-05-25
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「手におえるサイズだからこそ」ここがとりわけ、ぞくっと来ますね。 人生はマッチ箱のようなものだ、だったかな・・・確か芥川が、真面目に扱うにはばかばかしすぎるが、いい加減に扱うには危険すぎる、というような感じで喩えていたけれども・・・。 レモンで思い出すのは、梶井基次郎の檸檬・・・智恵子の檸檬・・・爆弾のように、世界を吹き飛ばしてしまう(吹き飛ばしてしまえ、という)なにか、を秘めているような、同時に、全てをゆるし、浄めてくれる太陽の滴を抱えもっている、ような・・・ 暗がりで、凝縮された光を紡錘形の形の中に張りつめさせているレモン。これから、何が起きるのだろう・・・「ひんやりとつめたいお日さま」そう、この矛盾を内包しているものが、手に負えるサイズであるからこそ、怖ろしいのです。
0小悪魔レモンと悪魔デーモン。 お日様ということばが、つれてこられるのは、意味としては意外ではないんですが、その映像を思い浮かべたとき。 あ、お日様とレモン!?ミスマッチな関係!と驚嘆。これは、「手術台の上のミシンとコウモリ傘」なみのインパクト ですよ。僕の中では、レモンってそんなイメージだからそう思ってしまいました。 DVD『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』付属のリーフレットに、 「手に入れたものが不良品だった時に英語では「レモン」と呼ぶ」 とかいてありました。 ソール・ライター家のネコは、品行不方正なため、「エマ」から「レモン」に改名されてしまったそうです。 レモンって存在感があるけど、あまり使い道がない感じ……を僕は持っているのですが、「怖い」と思われた、 独特の意味を詩から読むと、レモンというものの、新しい置き場所を、僕の中に発見したような感じ。 野菜室の住人は、沈黙を守っている……そんなふうにも思えます。レモンは喋れないけど、人はその気持ちを さえ、代弁して、言葉にできる。そんな特別な能力を、るるりらさんは発揮している。素晴らしい詩だと思います。
0これは、全天候型次世代農産システムの中を覗いた話ではないでしょうか。その夢のような、ところで育ったレモンは悪魔になってはいないかと。メタ読みが下手でごめんなさい。
0るるりらさん、失礼致します! 御作にコメントさせて頂きます。 小悪魔、というタイトル。手におえるサイズだからこそ かぶりとかじるのが怖い、という表現に艶を感じました。 お日様をたくさん含んだその実から予測できることと、できないことがあって。思いきりかぶりつけない。若い人との恋に悩む大人の心情のように見えました。
0うーん、面白いですね。小さな太陽をレモンに見立てる、という小さな着想をここまで広げる手腕というか、その巧さに舌を巻きます。短詩の見本みたいだ。加えてまさかレモンにここまでの邪悪さ、みたいなのを感じる日が来るとは思いませんでした。 >レモンとデーモンが似ているのは >偶然ではない >どちらも >お日さまを かくしている ぼくが好きな遊戯王で「レッド・デーモン・ドラゴン」っていうキャラクターがいるんですけど、皆略して「レモン」って呼んでて、まさかここでそう来るか! と思いもよらず、多分この掲示板では一番ぼくがこの例えに頷いている感じがします。面白かったです。
0●みなさまへ おはようございます。ずいぶんと返信が遅れて申し訳ありません。 返信が遅れた理由は この詩にあるような ちいさなアクマではなく 魔について 思いをめぐらせてしまったのです。具体的にいうと親戚に不幸があり 心が重くなってしまい 小粋のつもりの私の拙詩に とまどってしまいました。(滝汗) ●まりも さんへ おおよそ人のかかえる難題や困難は 手におえると思いたいものですが、 恐いものは怖いです。 「手におえるサイからこそ」ここがとりわけ、ぞくっとされたのなら 作者の冥利です。 芥川のマッチ箱の比喩。検索で 見つけました。 引用 ≫ 人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。 ↑つまり、頭燃でございますね。人生は時折 火宅の境涯にもなりえます。そして、芥川自身が、最終的には自死を選択した作家だったことを想うと、ふるえずにはいられませんです。 芥川のこの本は、下記のような詩文で終わっていました。 引用 ≫眠りは死よりも愉快である。少くとも容易には違いあるまい。 レモンのビタミンを摂取するためには果肉が生きていてはじめて トパーズが炸裂するのです。 死と眠りは似ています。わたしが書きたかった ちいさな小悪魔と 死へといざなう悪魔の違いをおもわせていただきました。おかげさまで貴重な読書ができました。ありがとうございます。 ●黒髪さん おはようございます。 黒髪さんは、レモンを がぶりと かじることが おできになるタイプですか? それとも かじれないタイプですか? おひさまとレモンは お友達です。わたしは瀬戸内海気候はレモンの産地で おひさまと仲よしです。レモンと デーモンは ミスマッチですよね。けれど、「手術台の上のミシンとコウモリ傘」ですか?いやあ それほどのシュールではないという気が私は します。 教えていただいて驚いたのですが、レモンとは、不良品の意味があるですね?欠陥車をレモンカーとかいう例や、 The answer is a lemon. 「(愚問に対して)あかんべーだ;返事はご免だ」(俗語表現) というのがありました。The answer is デーモン でもなんとなくおかしくない気がする例文でびっくりです。 ちょっとアメリカ版に改編してみました。なんちゃって的な 小品です。よろしかったらご笑納ください。 題【アメリカ在住デーモンの場合】 アメリカの野菜室101号に棲んでいる デーモンは アメリカサイズ冷蔵庫の野菜室に居住していて お日さま的な すべての事柄を冷気で包み隠し 猫背ぎみの彼は だれに なにを聞かれている いつもThe answer is a lemonとだけ答えて 扉をかたく閉ざすのであった ●三浦果実 さんへ をお、全天候型次世代農産システムの話ですかあ、いいですね。 広島には もやしとかトマトとか あと豆苗の農業工場が 実際にあります。 レモンは悪魔になっているかもしれません。黒髪さんに レモンの英語表現が面白いことを教えていただいたので、この詩は冷蔵庫だけど、もっと 規模を拡張して、悪魔的量産システムの詩にいどんでみようかしら。と 微笑んでいます。 ●花緒 さん ぎゅっとした小品にしたので そこを褒めていただいて光栄です。 長編詩は得意ではないので すきま産業みたいな感じかもしれません。 ●夏生さん まあ 素敵な恋話コメントありがとうございます。 すっぱい艶を出してみました。若い人との恋に悩む大人の心情。 ⇚とっても素敵な鑑賞をありがとうございます。なんだか 燃えてきました。え? ●hyakkinnさんへ 遊戯王で「レッド・デーモン・ドラゴン」っていうキャラクターがいるのですね。 ハイセンスのネーミングセンスではないですか? 多分この掲示板では一番ぼくがこの例えに頷いている感じがします。 ↑ まあ 嬉しいです。ありがとうございます。 ●鈴木 海飛さんー がりり、とぱぁず光太郎。⇚すごい キャッチぃですね。 はしれはしれ こうたろう。(……みたいな。ちがうのか) 柑橘系の植物は わたしはほとんど好きです。 ただピールの苦さを 嫌う人は嫌う。 かじるという行動は、わたしには獣的なイメージなのです。野趣を感じます。 歯茎をみせて笑うのって 悪魔的でしょうか?それとも ハンサムの証でしょうか? 【ときに意識を加速させる。】という表現に わたしには はっとしました。 良識ある判断は 多角的に しかも 迅速にすべきときに迅速に判断されてはじめて良識となるような機がします。 詩を読んだりして ぽややんとでも様々なことを想い 反射神経を研ぐことは きっと素敵な ライフを作るために必要だと思いました。素敵な感想をありがとうございます。
0一読して端的にレモンについての作品と思うのですけど、広島産やおひさま発という詩句から、二つ目の太陽を裏テーマとしていると、野暮な深読みかもですが。フュージョンではないですが、ザ・レーモンと呼びたくなるといいますか、本作品そのものが小悪魔であると、そんな風にも解釈したくなります。 、がぶッ
0訂正します おひさま発 → おひさまどころ発 でした。失礼しました。 *そういえば、石垣りんかどなかたの詩に貝の浅利かなにかについての詩があったかと。真夜中に口をあけわらっているという。
0浅利ではなく蛤でしたかね。常に新しい貝と書いて新貝常さんが、専門僧堂にてコピペしたうえ御教示してくださったことがありました。
0これ既読感があるんです。わたしがまだ詩作することを趣味としていなかったころに、授業かなにかで目にしたんだと思います。わたしは 父と よく浅利を掘りに行ったので貝の夜中の様子は良く知っているので、余計に この詩の印象が心に残っているのかもしれません。 この詩は、印象には残っているのですが、私が本作品をかくときには まったく記憶にのぼってはいませんでした。よく似てますね。わたしの潜在意識にまで 石垣りんは到達していたのかしらん。おそるべきなのは石垣りんです。 小品【しじみ】 るるりら しみじみ きみは 黒曜石のように黒光る 生(しょう)と 死(し)の かぷかぷ二枚貝 ぷしゅ~うと 呼吸する生身を夜中だけは さらけだす なんという 艶めかしさか 昼間の石のような意志とは裏腹に なんちゃってね。 素敵なすぐれた詩を思い起こさせていただき嬉しいです。つい、おちゃめな拙詩も添えてみたりしました。 ありがとうございます。
0これ既読感があるんです。と、書きましたが 検索かけたら以下の作品がヒットしました。おそらく、この作品のことを いっておられるのだと思っています。 ● シジミ 石垣りん 夜中に目をさました。 ゆうべ買ったシジミたちが 台所のすみで 口をあけて生きていた。 「夜がアケタラ ドレモコレモ ミンナクッテヤル」 鬼ババの笑いを 私は笑った。 それから先は うっすらと口をあけて 寝るよりほかに私の夜はなかった。
0るるりらさん シジミでしたね。失礼しました。
0なんとなく智恵子が檸檬を囓る詩を思い出しました。 (高村光太郎の詩にそんなのあったような) こういった作品好きです。
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