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堤防にて
海が、海が、海が満ちます 家に、家に、お帰りください 町内放送は反響し多数派の様相を呈する 橙の夕日の中一羽の鷺が翼を繕い 薬にならない毒はないと証明したい僕の影が 何と混じることもなくその隣にふて寝している 何かかなしみのようなものを吸って海は満ちるのだ と 信じていたかったのだ 薬よりも確かに隙間を埋めた毒を口移すと 海は低く叫び捻れながらにわかに膨張し 鷺に置き去られた夕暮れを融かそうとしていた 影は連れて行かれたい顔も作らず眠っている 海が、海が、海が満ちます 家に、家に、お帰りください
堤防にて ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1107.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-11
コメント日時 2018-09-15
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
僕は、どうしても怖い海のことを思い出します。 「家」という言葉がかなしみを増させている気がしました。
0何かかなしみのようなものを吸って海は満ちるのだ このフレーズにやられました。 また冒頭と最後の繰り返される放送が胸をざわつかせます。引きつけられる詩ですね。
0コメントありがとうございます。読んでもらえた喜びが沁みています。 >>かるべまさひろさん 海は美しいのは怖いからこそだとは思うのですが、でも怖いものは怖いです。 家と呼べる場所が誰にでもいつでもあるならばよいのに、ですね。 かるべさんの詩やコメントからいつも優しさを感じます。勝手ながら尊敬しています。 >>帆場蔵人さん やられた、と言ってもらえたのは初めてです。こんなに嬉しいものなのですね。 実は私は昨晩、帆場さんの『唯一の友だち』にやられたばかりでございます。
0「町内放送は反響し多数派の様相を呈する」 の「多数派」という表現がひっかかる、あまり合っているとは思わないが、しかしそれ以外はハイレベル 最初と最後でのリフレインも効果を成している
0>>渡辺八畳@祝儀敷さん まことにぎくりとするご指摘です。私自身もまさしくそこで引っかかりがありました。が、どうにも代替案が出ず。もう少し推敲を粘るとよかったですね。もったいないほどのお言葉です……ありがとうございます。
0「何かかなしみのようなものを吸って海は満ちるのだ」と「町内放送は反響し多数派の様相を呈する」の評価の別れ方で筆者様の、これからの方向性、伸びしろがどこにあるか見えてくる気がします。深みのある一節を分かりやすい言葉で書く。この一点になろうかと思います。「町内放送は…」の方は難しく書かれているものの含意はほとんどないような印象を受けましたから。第一連と最終連。寂寥感と、焦燥にも似たものが短い中にも漂っていると思いました。
0コメントが反映されなかったので書き直したものを再投稿します。 もし二重になっちゃったら申し訳ありません。 >>stereotype2085さん なるほど過去作を読み返してまあよいかなと思えるものは、平易な言葉で悩みすぎずに書いたものが多いように思います。捏ね繰り回すとダメになっていきます。深みについてはまだ自信が持てませんが、今後の指針となるアドバイスをいただきました。ありがとうございます。 素直な感情表現が苦手な余り情景に感情を投影しすぎるきらいがあり、つい余計な修辞をつけたくなります。 <町内放送は……>の件は単なる情景描写としてもう少しさらりと書けるとよかったなあと、先の渡辺八畳@祝儀敷さんのコメントとも合わせて思っています。
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