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登っていく
一番上まで駆け上がる 嬉しそうに階段上がる靴の音 君は登っていく 上の眺めを先に知る君の顔を 途中から僕は見上げる よりによって光が射すから君が 一瞬だけ影のようになって消える 声だけが響いて僕は もう少し待っててと声を投げる 光の具合が変化して君が戻ったら 今度は僕が一気に駆けていく 上の眺めを知ると君と僕が 一緒になってしまうみたいだ おんなじということが 奇妙でなく爽やかな風のようであるには 登ってこなければならないと思った どっちが先でも後でも ウサギとカメがあちこちにいても 一段飛ばしもあったりしながら つまり駆け上がることが 今を今だと捉えることができる 一つの方法だと思った 考え事してる僕に 僕よりずっと先を行く証として君が 降りよっかと投げ掛ける ゆっくりときた道を戻ったら日が あっという間に沈んでいく まだなんにも知らない子供の頃みたいに 早く帰らなきゃって家路を急ぐ また登っていく為に今日も帰ってきた
登っていく ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 947.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-21
コメント日時 2017-05-07
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
複雑である必要はないと思う。技巧・クオリティ、現代詩の読者層を念頭に置かなければ、率直に自然体で書けばいいのではないかと思う。そもそも、そうではなく、皆が複雑で判りずらいと云われるけれども、自分からすれば、判りやすく書いているんです、どこまで、平易にすれば、よいのか逆に判りませんよと、そう云われる、私なんかよりも現代詩をマスターされていらっしゃる投稿者の方々がいて、もしかしたら、そんな方々がほんとんどなのかもしれない。所詮、投稿者の、詩人の信念など、理解することはできない。ただ、そこに在るのは、君と僕だ。君にシンクロする読者がいる。僕にシンクロする読者がいる。君のことに焦がれて一日中考え事をしてしまって、「ゆっくりときた道を戻ったら日が あっという間に沈んでいく」ことを知っている読者がいるかもしれない。誰がどんな風に読むかなんて、判らないよ。誰かが云ってたね。完成度ではない。感性度が大事だと。どうせ詩を書くなら、完成度を目指すよりも、たくさんの共感を得るような感性度がある作品を書きたいと思う。本作『登っていく』は感性度の高見を目指す作品だと思う。
0「水曜どうでしょう」の「ヨーロッパ21カ国完全走破」という企画で、大泉さんたちがゲオルグ教会の塔を登っていくシーンがあります。きっと、この2人が上っている階段もゲオルグ教会の塔であり、やがて彼らはネルトリンゲンの街を見下ろすことになるのでしょう。 それはともかく、この詩はシンプルなようであって実はけっこう哲学的。登って、眺めて、また降りていく。帰る途中で日が沈む。こんな単純な詩なのに、そこには人生の秘密が隠されているような気がしてくる。それこそが作者のマジックなのかも知れないし、私の考えすぎなのかも知れない(どっちだよ どの連も良いけど、最終連は特に素敵です。何度読んでも飽きない。押しつけがましい寓意ではなく、ただ素直に世界を描いているように思える。それは間違いなく作者のテクニックであり、書く力だと思う。
0HNはまるでこの詩の副題のようですね。 「つまり駆け上がることが 今を今だと捉えることができる 一つの方法だと思った」 このフレーズが一番印象に残りました。 今を捉えて生きることは未来に向かって歩く過程の中に、でもそれは一つの方法に過ぎない。たった一つではないのです。 う~ん、私もなかなかにテーマが奥深いと思いました。 ラストはループになっていて、別の方法に想いを廻らせるのも面白いかなと思いました。
0「上の眺めを先に知る君」爽やかな表現に惹かれました。憧れる友人、なんでも一歩先を行く先輩、のようなイメージで読んでいたのですが「よりによって光が射すから君が 一瞬だけ影のようになって消える」この不思議な一行、そして、また現れる君・・・自分から抜け出して、理想の僕(未来イメージの僕)が先を駆けている、それを実体の僕が追いかけている、ようにも感じられて面白かったです。
0「君」というイメージに色々な意味を持たせている作だと思いました。ここら辺はまりもさんが端的に纏めてくださっているのですが、まさにそのとおりだと思います。ぼくは恋人のイメージでもいいのかなと思ったりしますが、まぁ君という語に毒されているかもしれないですね。 >ゆっくりときた道を戻ったら日が >あっという間に沈んでいく > >まだなんにも知らない子供の頃みたいに >早く帰らなきゃって家路を急ぐ >また登っていく為に今日も帰ってきた 階段というのは人生に置ける時間軸のようなものでもあるし、先を行くという事は年を取っている事も意味するだろうし、物事の熟練度とか才能だとか色々なメタファーのパラメーターゲージを示すものでもあると思います。階段を下りて二人で一緒のスタートラインからまた始める事に、幼さを絡めるという事が自然に思えるのはそれだけ階段という比喩がしっかり機能しているからだと思いました。 そういう感じで巧い作品だと思いました。
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