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献花
「ダリったよ。」 シッダールタの杖先。 遥かな長編がたったここまでしか思い出せなかったのだから、僕は画を描くためのあの、うとうとおちる懲罰から避けてきた。 これからもどうにか生きやすい方向へ進もうと思う。そして、後進のシルセゴンジェスにもその意志はどうにか伝えようと思っている。 僕は正統派な父親でも反面教師な父親でもなくなって、今一度君のアイドルになれたら、それだけでいい。トイレにも行かなくていい。 いいと、思える。 ウォシュレットへの恐怖心は、たぶんカメラレンズへのそれと近い。未来では当たり前でも、現代では異常とされるものなどたくさんある。僕はウォシュレットが怖いので、シャワーを浴びる。つまり、外で、トイレを、しない。いや、これは高級なロールケーキは食べるけど、ワンコインのロールケーキは食べないのと同じで、誇張してしまった、気がした。 問題は居処だ。 (やぶられている) 僕が思い当たるのは、それぞれの話だが。各所で殴打や崇拝の対象として降臨している僕の魂らしきぽろぽろのつぶつぶが、明日には回帰する。気付いてくれる敬虔なクリスチャンとヘイトクライマーはどれだけいるだろうか。なんて割と杞憂で、世界人は皆シッダールタ。 感情は、自分を害するためだけに有る。美しい喪章は、偶像としてだけに留まる。 悲しみを両手で表現する際に、付随して、舞ってしまいます。 舞ってしまうんです!! いくつも涙が出て、奇妙に続く生でさえ、 眠っていたのか、詩を書いていたのか、 そのあいだで踊ってしまう。 あなたのばかやろう。 いくつも嗚咽が出て、運だけで量られるようで、 眠るくらいなら、詩を書くくらいなら、 その時間を踊っていたい。 あなたと生きてたい。 爪弾いた幾重幾千歳の弦楽器を十五歳になっても捨ててしまいませぬように、僕は今朝も肺単葉のインスタレーションに赴いて、動作をしました。あと、四年は、僕たちよりも後進のシッダールタたちにこそ価値があるかのようで、僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。僕たちもまた、価値があるかのようです。シャワーを強くする際に、叫んでしまいます。僕のもとへつぶつぶが戻ってくる瞬時ですが、反動なので仕方ありません。そのせいでいつも賃貸を探す際に壁の厚さだけが気になってしまうのです。まさか言えませんが。
献花 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 980.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-01
コメント日時 2018-09-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
〈僕は正統派な父親でも反面教師な父親でもなくなって、今一度君のアイドルになれたら、それだけでいい。〉 育児ノイローゼになりかかっていたお母さんに、児童館のベテラン職員が、あなたはこの子のアイドルなんだから、と語りかけた。虚ろだったお母さんの目が、ふっと動いて、子供の目を見た。久しぶりにお母さんと目があった子供は、動揺したように目をそらし、それから抱きついていった。お母さんは、泣いていたように思う。 あとで様子を見に行くと、擦りきれた畳の部屋で、お母さんがあぐらをかいて、その中に子供が座って、絵本を読んでいた。子供は同じページを何度も戻して、その都度、くくくくくっと勢いよく笑う。お母さんもくくくくくっと笑っているのが、背中から見えた。 この二人は生きていける。この子が他にアイドルを見つけても。 なぜかそのときのことを思い出した。
0まりも 様 コメントをありがとうございます。 親子。 僕は、まりもさんのコメントの親子にも、やさしさを備えておきたくなりました。 そして、親子が逆転しても、アイドルとファンが逆転しても、生きていけるように。
0言葉が新たな言葉を生み、そして…。拡散するイメージが、素敵に塗り重ねられた水彩画を見るように鮮やかで確かな存在感を僕の前に現出させてくださいました。
0仮名吹(かなぶき)@詩のブログ 様 コメントをありがとうございます。 「水彩画」のお言葉、うれしく思います。ありがとうございます。 あまりキュビズムみたいな詩は書かない、書けないので、かといって写実的でもないのですが… たまにシュールレアリズムとかも言われますが、そんな感じでもないですし、詩はたのしいです。ありがとうございます。
0拝見しました。 「つぶつぶ」ですね、この詩のポイントは。前半中ほどで「ぽろぽろのつぶつぶが」「明日には回帰する」と述べ、後半「叫んでしまいます」「僕のもとへつぶつぶが戻ってくる瞬時」とあり、つぶつぶが一度身から離れた事が分かります。また、「僕の魂らしき」とあり、つぶつぶはぽろぽろであり、さらに自身の魂のような(魂ではないが、魂に似ている)とつぶつぶについて情報があります。更に加えて「殴打や崇拝の対象」となっているのがつぶつぶであると。 別の視点に移ると、シッダールタが世界人であると。世界人がポイントですね。「世界中の人々」ではないと。世界人が何なのかは明確には明かされません。 さて、後半連ですね。「後進」のシッダールタに「こそ価値がある」ようで「僕達もまた価値があるようです」と。仮に宗教的な観念のストーリーだとすると、いやそれに関係して自己を俯瞰的に見た作品であるとすると、自分の価値があることを結局完全に認識できていないのですね。ただ、読み解けば読み解くほどこの詩の主人公は人間的でない。感情がまるでないかの如く、物事を遠くから眺めている感覚が致します。特につぶつぶが自分へ戻ってくる場面なんかは、もっと大げさに書いても良さそうな場面なのに出来事に比べて妙に大人しい。そこが非常に怖いと申しますか、主人公がどのような人間なのかどのような境遇なのか計り知れない怖さを感じるところでありました。
0ふじりゅう 様 コメントをありがとうございます。 (わくわく、日々待っていた気持ちを隠しきれません) 丁寧に、解析しながら、読んでくださって、ありがとうございます。 「つぶつぶ」「世界人」「人間的でない」のキーワードを挙げてくださり、うれしいです。 後半の参考になればと思い浮かんだのが、Twitter世界のつぶやきたちの感情的でない感じ、です。あと、なにか感情が解離したような精神科界隈の自己語りなど、です。 そこから、いろいろな方向へと拡散して消失するようなものとして読んだ方の想像が広がれば、よりうれしいです。 人間を確認していけるかもしれない、ふじりゅうさんのコメントを頂いて、そんな気持ちになれました。 それは、本当にありがとうございます。
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