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小本
蟲のさざめきが耳の横を通る 蟲の羅列が目を覆う 指先をふと虫が歩き キーボードの間へと入っていく 明かりは好まぬが されど明かりがなければ寝れぬ 歪んだ自室で白色電球に照らされる 正本であり抄本である 髪の毛ののたくったような本を読む 誰かの書いたはずのそれが 透明に見えて仕方のない一人 ゴミに囲まれ夜を明かす 見えなければいいのに明かりをともす 明るかろうと寝れずに朝を待つ 小本に爪での字が刻む 傷でもって字を刻む いつか落とした血で汚した阿片の花が忘れられず 未完のままの小鳥の黒い目がこちらを見つめている故 あの缶詰の中身すら思い出せないため 言葉がどうにも浮かばないため 小本を抄本に せめて誰かの声に縋り またも透明に見えてしまう
小本 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1119.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-07-10
コメント日時 2018-07-18
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
どことなく大正浪漫みたいな趣を感じました。
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