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選評
全員参加キュレーション制、良いですね。 運営がAなら私達参加者はBの立場か? Bの皆が「良かった作品」を探してもう一度作品を見直す。 Bのレビューもあるよ、ってことで なんとなく、サイトの名が体を表すような形になりましたねえ。 とかなんとか。 まず、最初に断っておきますが 私の感性は特異性があまりない。つまり反応が平凡陳腐です。 他人に対して持論を展開する行為に慄いてしまいます。 いわば、武器がしょぼいから猛者たちの居る場に近寄れない。 でもまあ、持論とは、武器というよりは自分自身の正体なのではないかと思うんです。 詩を書く者にとってはまさに。 他人の居る場に持論を持ち出すことが、ネット上で本名を名乗るのとおなじくらい恐い。 それを投げて当たったとしても、べき折られてしまうんじゃないか、 外れた時、突然自分の足が無くなってしまうんじゃないか、 立てなくなるんじゃないか、という恐怖妄想をしてしまいます。 (だから普段コメント欄では当たり障りない短い感想で済ませちゃいます。 すみませんね。すまないってのは承知してます。と言ってそれ以上何もしないのですが。) まあ相手がどう受け取ろうと、投げたものはどうしようもないわい。せっかくここに来たのなら、始めないと仕方ない。 とりあえずキャッチボールは成立すると信じて投げよう。 冷静に考えれば、持論を出しただけで自分の足が消えるなんてことはないんだし。 足が消えないということは、まだここに通えるのだし。 ということで、まだ若輩者ですので、批評/感想の物足りなさや観点のズレはご愛嬌ということで やんわりと指摘してくださいな。 私が選ばなかった詩や、拾えなかった魅力、技術、情感は他の方が掬うでしょうし。 以上言い訳終わり。(来月は言い訳しません) 本題ですが、選評するとは、絶対値的に評価した良いものを選ぶことと、 単純に自分の触覚に引っかかった好みのものを選ぶことの2つがありますよね? で、あくまで個人の選評ならばそんなに拘って公平性を保とうとしなくてもいいのでは?と思い、 今回私は後者で選ばせていただきます。 それにあたって、まずはスタンスの表明が必要ですかね? 最近わたしは、怒り、悲しみ、恨みつらみの濃い味よりは珍味の方に興味津々です。 好き嫌いで選ばせていただきます。 ということで、 斉藤木馬さんの「空蝉の」を推薦します。 この詩の魅力は、語るおっちゃんの魅力をそのまま映していることです。 現実みが強い。 誰かのために生きてはおらず、何者かになりきることもなく、 鼻につくような薄っぺらい感情がない。 崇高な念を持とうとせずに、この、ただ生きてきたおっちゃんの素朴さが粋である。 経験を淡々と語りつつも 困難、不条理に対してこんな気持になったとか、なよなよと語らない。 人生も人間関係も哲学的に捉えようとしてないのです。 煙臭いニット帽被ってそうなおっちゃんです。まさにおっちゃん。 私の経験にない大人の趣味や言動…洋楽、詩、死、怒り、美しさ、わざと使う平仮名、 そういうものに対してはどうにも、子供の時に飲んだワインみたいな味を感じて (正直言って、下手に情感を出そうとして洒落臭いものが苦手) 近寄りがたくなるのですが このおっちゃん、大人の男の語りは、おつまみの方の味を感じました。 この詩において最大の情感はタイトルにあるとおもいます。 Rさんがコメント欄で書いてましたが、巧いですよね。 上記でさんざんおっちゃんに対する好感を書きましたが、 そのおっちゃんの語りを包括し、指さして「空蝉の」と呼ぶ。 そう、あのおっちゃんは公明正大な人物ではない。 ああまで好感を感じさせておきながら、あの人物にはもう展望がない。 何かしらの可能性が抜け出ていってしまった人物かもしれないです。 (好き勝手にとても失礼な事書いてますね、これ) ああ、なんだか勝手にやりきれない気持ちになりました。 長々と失礼いたしました。読むの面倒くさくなかったですか?
選評 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 925.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
作成日時 2018-04-08
コメント日時 2018-04-11
あー、たくさん書いてなんかスッキリした。
0読むの、ぜんぜん、面倒くさくなかったです、面白かった。なるほど~と思いながら、ワクワクしながら読みました。 なんというか・・・みんなでワイワイ、詩について話をしていて、作者や読者が、それらの言葉のハシバシから、あ、これいいぞ、とか、背中押してもらって嬉しいな、とか、そっか、ここはこんな風に伝わるのか、要考だな、とか、「自ら気づく」場があればいいな、と、ずっと思っていたのですね。そんな感じになりつつあるな、という。
0ほんと良いところですよここは。
0ごめんなさい、ついTwitterのノリでタメ口きいちゃいました。
0タメ口じゃなかったです、あの、Twitterのノリで短レスしちゃって… ともかく、良いところだなと思ってます。
0これは自分本位に徹した選評で、他の選評と違ったカラーが出ており、私的には好感を持ちました。で、対象にされている作品がまた良い。じつは私、個人的に斉藤木馬さんの作品がなぜ毎月の公式選評に入らないのだろうか?と疑問を持っておりました。正直言いますが。で、左様な気持ちからすれば、杜町さんのこちらの選評、よくぞやってくれた感があります。様々な作品が選ばれるべき。
0あああ、やられたー。推しが被りました。 私の斉藤さんなのに(失言) でも、良いなと思う気持ちが共有できて、嬉しいです。
0Rさーん。「私の」だなんて独り占めしようとしないでー。 なんか良いな、程度の感触を明瞭にさせてくれたのは貴方のコメントなんですもの。
0社町 迅さま 選評を書いてくださりありがとうございました。 ご自身のスタンスをはっきりと表明された方に推薦をもらえる、ということは大変光栄なことだと思い、とても嬉しく拝読しました。 おっちゃんに対する印象は読者によってまったく異なるのでしょうね。 ゆえにタイトルと冒頭二行の読まれ方が変わってゆく。 私はそれが良いと思っています。
0斎藤さん! コメントになんだか恐縮してしまいます。私はあの詩のおっちゃんにとにかく粋を感じるんですよ。 私もそうありたいんです。
0三浦さん お返事が遅れてしまい、すいません。 今回の制度を見て、なんか自分も発言権を得たぞ!みたいな、増長してしまったような心持ちで出したのですが、好意的に受け取って頂けたようで安心しました。
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