思い出すのは
抱っこする時腕に飛び乗ってきた事
ジッとこちらの様子を伺う茶色い瞳
あの子のいない今
空虚な場所に来てしまった
以前に居た場所だというのに
今はもう違う世界みたいだ
喉が渇いたから水を飲もうとしたけど
手からコップを落としてしまう
拾っても拾っても
何度も落として
繰り返される指先の動き
細切れに映るフィルムを巻き戻してはまた映して
もう居ない
あの子はこの世界には
縁取りした白黒の写真から
覗くのは何
思い出は全て捨てた
さよならと言って手を振った
それでも見つめてくる
瞳の影
追い立てられるように
押し潰される
記憶たちに
空に向かって石を投げてみる
何処に飛んでいくのやら
世の中はわからない事だらけで
ぼんやりと俯瞰する
上から見つめてみる
時間は過ぎていき
わかった事は主体性の欠如
生まれ変わる
思い出した
自分自身を
作品データ
コメント数 : 15
P V 数 : 967.2
お気に入り数: 1
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2024-12-09
コメント日時 2025-01-01
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2025/01/18現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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閲覧指数:967.2
2025/01/18 17時08分25秒現在
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幸せだった頃の思い出を振り返るのが辛かったのでしょうね(泣) もう戻らない「あの子」の事を忘れきれず、自分の存在意義に悩む作者の気持ちがノスタルジックな雰囲気と一緒に美しく表現されているように感じました。
0通院の空き時間にちょっこしコメントをば…詩情が降りてきてくれたのかどうかは僕の知る由ではないけれども、ひとつ言葉ひとつ言葉紡ぐほど何かしら明るいほーに向かえるのではなかろーかと思うのですよねー
0自分の存在意義には、悩まされているかもしれません。 あの子はどうしたってもう戻ってはきません。それでも、私は生きているので、生きます。コメントありがとうございました!
1そうですね。少しずつでも、明るい方向に向かえたらと思っております。 お忙しいところ、コメントありがとうございました。
0少し、センシティブな問題ですが、鳥の墓場は空には作れないなと、どの生命も地に落ちてしまうのは、やるせないなと読んでいて思いました。 よく腕に飛び乗ってきた鳥との別れ。悲しみの機微と、鳥の死がコップを何度も落としてしまうことに表れています。 空に向かって石を投げるところは、まるで天にも届かず、地にも落ちない軌跡を描くようです。地に足をつけること、空を自由に飛ぶことのどれもができない時間が過ぎていくようで…… 最後、その苦悩を乗り越えられたのでしょうか。自分はどうなんだろう、と自問もしたくなる終わり方でした。
1自己喪失が自分の無くした子供と関連があるような。自分探しの道程ではないと思います。詩の中で、生じる、ポエジーの焼毀。それは全ての詩語を滅してしまうほどの物でも、そこは自制が働き、穏当な着地点を探る、自我の制御。ポエジーの危機が感じられる詩だと思いました。
0土の中、地球の中に私達は朽ちていきます。鳥は空を飛ぶのが好きだろうから、それは地球の中に行きたいのかはわかりませんね。どうなんでしょう。 私も空を飛びたいですが、人間なので地球の上を歩くことしか出来ないです。それは悲しいことなのかな?と考えています。 人間はいつも考えているから、空を飛びたいとか、考えるのかもしれません。でも、考えるのが好きだから、飛行機とか作れたのかな。 頭の中が、ごちゃごちゃで。投げた石が何処かに当たって、私の頭にぶつかってきたのかもです。笑 コメント嬉しいです。ありがとうございました。
1自己喪失は、たしかにしまくってますね。頭がショートする一歩手前くらいには悩みました。 ポエジーの焼燬、ポエジーの危機を感じられたんですね!そんなテーマを私は書いてたのか、ビックリです。 コメントありがとうございました。嬉しいです。
0繊細な作品ですね。 >縁取りした白黒の写真から/覗くのは何 >空に向かって石を投げてみる/何処に飛んでいくのやら/世の中はわからない事だらけで 亡くしたのは鳥とともに過去の自分、あるいは思い出なのかなと思いました。亡くしたのだけど追悼できずに遠くに投げているようで自分で訪れているかのような。 >わかった事は主体性の欠如/生まれ変わる/思い出した/自分自身を ここの静かな強さが好きです。生まれ変わるのは難しいですが、それをわかっていても主体性の欠如と言い切り「生まれ変わる」と思えることはすごいことだと思います。
0これは本当に子供を喪失した時の話なのでしょうか。 だとしたら、あまりにも悲しすぎますね。 小説のように読んでしまいましたが……。
0亡くしたのは鳥とそして過去に生きていた自分の思い出、そうかもしれません。 最終連のところは、最初はダークな終わり方にしていたのですが、変えて少しだけ明るさが見えるようにしました。 主体性の欠如は、亡くした命への執着から来るものだと感じたからです。執着を手放して、主体性を取り戻せば少しは楽になるんじゃないかと思ってそう書きました。 コメント嬉しいです。ありがとうございました。
0子供を喪失したと読んで思われたなら、そうかもしれません。どうとらえるか、それは読み手に委ねております。 側にあった命が無くなるのは、とてもかなしいです。そして、自分の不甲斐なさを感じます。 それでも、私は生きます。コメント嬉しいです。ありがとうございました。
0変身ですね。
0カフカかな、それとも変化する人間の気持ちという意味でしょうか。 コメント嬉しいです。ありがとうございました♪
0もう居ないあの子。分からないことだらけの世の中は俯瞰して見てもぼんやりとしてしまう。主体性の欠如が、何かを詩を呼び寄せているような、いないようなあやふやな感じを受けました。
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