ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』を読んでたら
アリストンという名前の哲学者が、ハゲ頭を太陽に焼かれて死んだって書かれていた。
べつに、ハゲでなくっても、日射病ぐらいにはかかると思うんだけど。
まあ、ハゲには、直射日光も、かくべつキツイってことなのかな。
カラチョキチョキ。
いつも、ぼくの髪を切ってくれる美容師の男の子が、前にこんなことを言ってた。
ハゲってさあ、すぐに散髪が終わっちゃうの、嫌がるんだよねえ。
だから、その人には見えないように、頭の後ろで、ハサミを動かしてあげるの。
髪の毛を切らないで、チョキチョキ、チョキチョキって、音をさせてあげるの。
ただ、ハサミの音を聞かせてあげるだけだけどね。
それで、満足みたいよ。
それ、あたしたちのあいだでは、カラチョキチョキって呼んでるんだけど。
そういえば、古代ギリシアの悲劇詩人である、あのアイスキュロスも
頭がハゲてたせいで死んだって話を読んだことがある。
ヒゲワシという種類の鷲に、頭に亀をぶつけられて殺されたらしい。
その鷲は亀の肉が好物で、生きている亀を岩の上に落として甲羅を割ってバラバラにして食べるという。
詩人のハゲ頭を、岩と間違えたってことなんだろうけど、悲惨な話だ。
これって、ハゲの人のほうが、ハゲじゃない人より災難に遭う確率が高いってことかな。
カラチョキチョキ。
だからこそ、ひといち倍、ハゲには思いやりが必要なのだ。
ん?
作品データ
コメント数 : 6
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作成日時 2024-12-01
コメント日時 2024-12-08
#現代詩
#縦書き
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2025/01/18 16時35分41秒現在
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ハゲに対する苛烈な試練を描いた部分で、僕が頭の中でイメージを作るのと、先へ進む 詩文への視線の集中とを、交互に繰り返しながら、スムーズに詩が読めて行ったので、 すごく勉強になりました。もはや大詩人の域に達しておられるようですね。
0お読みくださり、ありがとうございました。 ご感想のお言葉もいただけて、うれしいです。
1「毛が生えているかのように接する」思いやりだけでは、「ハゲ」のまま。何も解決しない。 単純に、バイアスの問題でしょうか。日射病での死因と、「ハゲ」頭の人の相関を見るデータがないでしょうに、髪の生えている人の方が黒くて岩に見えるとも言えるでしょうに、バイアスがかかっている。 「ってことなのかな。」という文の後に決まって、「カラチョキチョキ」と挟まれている。我々のバイアスを切ってくれているのかもしれない。だからこそ最後に、「ん?」と気づけた詩中主体だ。
0熊倉ミハイさんへ お読みくださり、ありがとうございました。 ご感想のお言葉もいただけて、うれしいです。
0「カラチョキチョキ」って、なんだか、 哲学者の名前みたいですね。 鴨頭嘉人っていうユーチューバ―がいますね、 小柄な、笑顔で声を張り上げて喋る、 苦労話を笑顔でするあの人... は、スキンヘッド。 あともう一人、スキンヘッドといえばフーコーの顔が 思い浮かびます。エリートで同性愛。 ああいう、リーダー気質というのか、教祖気質というのか、 あの類の人は、なぜかスキンヘッドにするような気がいたします。 モードを体現する=スキンヘッドというか、 人並みの「思いやり」を捨ててるからこそ、スキンヘッドなんでしょうし。 そこへきて「禿げてるおっさん」って、 スキンヘッドにせずに、髪の毛残してるんでしょう。 毛に執着している分、繊細なんだろう。 ちなみにホームレスにハゲが少ないって話、 芸術家にも当てはまりますね。
0終始、面白い内容でした。何故か爆笑と訳にはいかないものの、少々笑みが溢れる文章でした。
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