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バニラソルトと秋の姫
君に惹かれてしまったのは 君がちょっぴり抜けてたから しっかりしてて作業も早くて 可愛い君の、ときおり見せる 「そこですか?」なリアクション 洗練された女性は苦手なんだ ちょっぴり優越感を抱きたい そんなちょびっと邪な気持ち それは一抹の塩味となって 恋をバニラソルトみたいに絶妙にした それでいていつもどことなく涼し気で 友達はあまりいなかったけれど 君はみなから敬われていたよね そうして今 僕は秋を想っている 春の麗しさには笑顔の滑らかさが足りなくて 夏の華々しさとも無縁だったけれど 君はさながら秋の姫のようだった 愛想で築かれた森の奥深くで守護された 健気ながらもしとやかな秋の姫 僕は木々をかき分けて君に近づいていきたかった そうしていつか手を繋ぐことを夢見ていた けれど君の周りの人間模様は 結界みたいに張り詰めていて どこに触れても雷鳴の轟く気配がした おっかない森の奥の奥で 儚げな切れ長の瞳が揺れていた 憂うように揺れていた 憂いの理由はもう永遠に分からない 目も眩むような晩秋の色を ともに目を細めては儚んで まっさらな白銀の大地に打ち震えては 2人だけの温もりを敷き広げられていたら なかなか人と打ち解けられないこととか 日々が流れていく中で何を残していけるのかとか そんなこんなを話しながら そうしていつかズバリ言うんだ "本当は寂しいんでしょ?"って 泣いてほしいー なんて言わないけれど その頬が紅葉みたいに赤くなる そんな君を まじまじと見つめてみたかった 凍てつく灰色の空の下 切ない夢を架ければ木枯らし せめて今日はケーキ屋に寄って シュトーレンを買って帰って1人祝おう バニラソルトをたっぷりかけて
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バニラソルトと秋の姫 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 510.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-05
コメント日時 2024-11-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
『ガチに0点』 誰も聞いていないにも関わらず自分のことを、それなりに長くなりそうな雰囲気すら漂わせながら語り出す。痛いことだと分かってはいるつもりだけど、それでもこのやるせないため息は、口に出して言葉にしないことには、どうも収まりそうにないものだから。 半ば予想はしていたけれども、プロフに載っけた自信作をBーREVIEWに投稿しても、返ってきたコメントは今だ0。"どないなってんねん!"とメガホン口につけて叫ぶかーっていうのは半分冗談で、なんだか薄ぼんやりと思うのは、もうどれだけあがいても評価されることはないんだろうなっていう、諦念で。 今までのありったけを込められたことに感極まって、昨夜など寝付けるのかと不安だったほどだったほど。とくに今回は、知と情の両面とも満足がいったという意味で記念碑的に思えた。情においては、前の職場で好きだった女の子についてのありったけ。知においては、杜牧にフィッツジェラルド、杜甫やサリンジャー的なものまで…自分なりに先人たちから得たものの成果の、ありったけ。なのに! いやもうね、90点くらい行ったかな?って自信満々で提出した答案用紙が、0点ってデカデカ書かれて返ってきたみたいな、ホントもうそこまでの気分だよ。 ☆★ 愚痴でさえ作品として出そう、カッコつけてみようと思ったけれど、もう思いつきません(笑) そうそう。しばらくエッセイに力入れようかな、とか、そもそも漢詩的なものとポップなものの融合なんて発想が無茶苦茶なのかとか、そんなこんなを作業中にぼーっと腑抜けたように考えてたらポカをして(軽くだったけれど)怒られました(笑) でも、今回ほとんど確信したことがある。それは、会心の作を書くほどの快楽は他にないということ。恋より強いんじゃないかとすら(笑)。やっぱ詩が大好きだーそう再確認できたという意味では大きな収穫。 捲土重来ーこれしかない。 (追記) ありえない。勘違いも甚だしい。単純に客観的に自分を眺めるということが、できないのかな(呆)いま読み返したら、猛烈な違和感かんじて即、駄作だと思いました(苦笑)もう、のめり込んでのめり込んで、完全に見えてなかったー自作が、自分が。 知と情の、あるいは漢詩とポップの融合ーなんて名ばかりの、ただの陳腐なパッチワーク。しかも小説調なのに予定調和すぎるおまけに単調。捲土重来以前に、頭を冷やさないとマズい。0点ってホントだった。でも… でも、切実なものを伝えたいって姿勢は感じられる。雰囲気は、自分的には最高。すべきことは、なによりも作品として「まともに」すること。それこそが本当の本当に、難しいのだけど。 (「詩人たちの小部屋」に投稿したエッセイです)
0感じ入りました。恋の理由について、書いてありますね。現実とは、こんな感じだったと思いました。
1ありがとうございます!僕なりに現実を、それなりに美的かつ簡潔にまとめられたかなとは思っています。でも同時に、だから何だ、とも。 やはり詩というものには、自由な遊び心とでもいうべきものが不可欠なのだと、ようやく悟ることができた気がします。
1散文的な複雑さを詩という形式ーそれも漢詩的な硬質な形式ーに落とし込める、僕はたぶん、無意識のうちにそう思っていた。でもそもそもが不可能事だったのかもしれない。たぶんもうやり尽くされて、付け加える余地というもののない土壌。 それに、万一、多様で複雑な要素が綿密に組み込まれた「奇跡の一作」ができたとして、しかしそんなものは誰も求めてはいないのかもしれないと、そうなんとなく思いもし。 勝手に思い込んでいた型を破って、いわば正面から正々堂々と散文詩する。その勇気をー
0LUSHの入浴剤みたいなタイトルですね。 このはちみつはコストコのくまボトルですね。のほほんと独りごちるその傍らには、毎回甘いホットミルクが置かれてありそうです。 おっとりしていてフカフカで大型犬みたいなポエムですが、ふと豹変して狂気をチラつかせる瞬間を私は期待してしまいます。ギャップが生きるキャラかななんて個人的には感じました
1『氷の少女とハト』 たとえば誰かが"友などいらない"と言うなり人は、その背面にもう電光石火の素早さで、いわゆる強がりを見て取ることができるものだけれど、彼女こそはほんと氷みたいに研ぎ澄まされてるようだった。 "どないなってんねん!"とメガホン口につけて叫ぶかり。何が好きで届かなさ感じなあかんねんえらそーに。むりせんときーやフワフワして、あやういわ。ひとのあいだとかいてにんげん。アンタ星とのあいだで生きとお、こないにね、クルルルル…縮こまることでおおきくなっとお、まるでアルマジロさんの仲間やねぇ。だけんどえらそーエラソー、どっ!わいの目力でビビらせ樽。やってぶっくぶくに肥えとるど?なにが肥えとお?あの目みてみぃ、凛々しさゴロゴロ転がしつづけてくやつや。 パンパン、パーンッ!と張り手千枚見舞えば萎れるか!マグマみたいな高揚突き上げてきても流線形の、素知らぬ瞳は流れる漂う~"うがあぁぁぁ"と、泥濘にもがき彼女日々へと風となり、"差し入れよぉ?"とおばあさんの手に肉まんじゅう。食べときいや、大きくなるよぉ?ーまるで犬みたい猫みたいしこたま食べたと思ったら、クルルルル……健気な一羽のハトとなり、この星の青い場所へと飛んでいき、人間みたいに一礼してから去ったとさ。 (「詩人たちの小部屋」に投稿したもの」)
0タイトルがかなり好き。 語り口調で恋愛の詩を書くことによるポエムっぽさがありつつ、でも完全に酔ってるわけではない。絶妙なバランス。
1入部した部で一緒になったというだけなのだけど、それは夢が空から降ってきたに等しかった。そして半信半疑で目を見開く度に、彼女はその夢の美しさに打たれることになった。 「おい、〇〇、聞いてるか?」「あっ、ごめんなさいっ…」教室後ろの左端。特等席で触れる、開かれた窓から吹き込む風は、どうしてだか季節外れの桃の香りがした。 「そんなことがあったんだ」いつものように、長い脚を彼女の歩調に合わせながら彼は言った。なんだか目眩がするようだった。彼の動きには時間が引き延ばされたかのような感覚がある上に、たとえば夏へと季節が巻き戻るーそんなことだってあり得るのかもしれないと、彼女はフワフワするように感じていた。 唐突に、ハトが大好きなんだと彼は言った。そうしてそれとなく空を、鰯雲が綺麗な青空を見る。そこには何か、重大な秘密をたったいま打ち明けたのだとでもいうようなトーンがあって、思わず彼女は笑ってしまう。「わたしも好きよ、クルルルル♪」ーと、いきなりのキス。ただし、ホッペへの。「びっくりした~」と晴れやかに笑う。「あんまり可愛いものだから」ー「君は桃色の頬をしている」 夜。夢はすべてを曖昧にしていくようだった。たしかに私は鰯雲を見た。そこには"いまは秋です"と書かれていた。だけれど風は、この星のすべてに吹き渡る。だとしたら、季節を横断するそよ風があったっていい。風の神さま女神さま。彼女のちょっとした悪戯が、過ぎ去りし季節からの、桃の香りを運ばせたのだ…… 世界は変わり得るという不可思議が、桃色の頬の少女を包んでいた。彼女はその背の、季節を翔る翼を信じた。夢と現の交差点で、彼女の明日が微睡んでいた。
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