夢を見るために忘れてしまえ
近視のおまえはいつでも裸眼でこちらをじっと見つめてる
ピントの合わないふたつの瞳でこちらをじっと見つめてる
おまえに見えている世界はきっと
こちら側のそれとは違っていて
僕はおまえの瞳を覗き込むたびに
怖くてたまらなくなる
駅前のメガネ屋でコンタクトレンズが売ってるぜ
金がないなら買ってやる
どうかその瞳のピントをこちらに合わせておくれ
どれだけ頑張っても死んじまった奴は見えないのだから
幽霊でいいから会いたいなんておまえは言うけれど
アイツをこちらにつなぎとめるのはきっとよくない
いま、いま、ここにいるのは僕だから
どうか、どうか、コンタクトレンズを入れてくれ
レーシック手術でもしてみようか
おまえはメガネは嫌いといったね
うんと目をよくしてしまおう
1.00 1.50 2.00
僕の顔がはっきりと見えるようになれば
きっとアイツが死んじまったってことを
受け入れることができるはずさ
告別式は雨だった
擦り切れたスニーカーにポケットの破れたデニム
襟首の伸びたティーシャツを着てやってきた
息を切らせてやってきた
おまえは一番生きていたんだ
おまえは一番生きなきゃいけない
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 403.9
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作成日時 2024-10-28
コメント日時 2024-11-11
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/27現在) | 投稿後10日間 |
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2024/12/27 02時54分20秒現在
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岸田さんに読ませたい。そんなことを思いました。ぼくたちは生きるために生きてるわけじゃないんだな。
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