別枠表示
Reclaimed Psalms / 2019
still hate for Reina Terao and Sayo Takeuchi かの女の声はまるで電話線を通したみたいに聞える かつてハネットがイアンの歌声を録ったみたいに耳に来る なんだかずっとそばにいるみたいに聞えて来るんだ それでもなお知らなかったとかの女はいうだろう べつにそれがほんとうでなくともぼくは受け入れるだろうし、 だからって卑屈になることでもないにちがいない ひとつがだめだからといって ぜんぶを放りだしてしまうわけにはいかない ちょうど夢が終わりはじめたあたりで もう気にかけなくていいよという かの女はきっとぼくを欲しがったりはしない 通りに置きざられた車のなかでいま、 毀れたシンセからのリフレインがしてる 土鳩が羽を休め、猫が駐車場へ消える そして審判が下される、 19日も仕事をしなかった罪で 労働はたえまない自我の放棄でしかないのに ぼくは意識のなかでもがく 他人がじぶんと重ならないように じぶんが他人と重なってしまわないように でもそれは恥ずかしいこと みながみな他人とじぶんを重ねたがり、較べたがる ぼくはもうそんなことには厭いてしまって、 とにかくあそこから逃げだしてきたんだ モッキンバードを咥えてこの室に退避してきたんだ もはやどこにも帰りようがない もどる場所はない 母さん、 ぼくはこれでもがんばっているんだ あなたが生存するという論証などいらない あなたが埋葬されたという報せが欲しい それならあの男みたいに教誨師を追い払うことだってできるのに かの女は嗤った まるで鏡のむこうにいるみたいに かの女はぼくを見ない それでも声だけはぼくを捕らえる──かの女はいう 知らなかったわけじゃないけれど、 あなたがあんまりかわいそうだったから、 もっといじめたくなっただけ 勘違いしないで 他人を苛むことで慰みを憶えたりはしなかった ただわたしは大人になったということよ あなたはみすぼらしかった いまだってそう、 でも少しましかもっておもう いまあなたが書いた辞が だれかを傷つけても わたしには無関係 だから早く、 わたしのことなんか、 懐いださないで 気持ちわるい 死ねって。 それはまるで毛布のなかの両手みたいで for Agnes Chow いまでもこの場面を路上で叫ぶものがいる 幾晩も眠れない夜を送った 夜のほどろにはそんな人間ばかりががらくたみたいにいる いまのわたしがどうなっていくのかを観察しながら 燃えあがるスカートを眺める 水鳥が死んでる 片手には斧、 もう片手には愛が咲く それはまるで毛布のなかの両手みたいで あったかいんだよ、アグネス でも追いつめられるんだよ、アグネス みんながそれぞれの通信のなかで、 蛸壺に落ちただけなら、 技術なんておとぎばなしだ 光りが歩く 警笛がたちどまる かれらかの女たちは始めたんだよ、アグネス けれでも放送が突然に切られて、 信号が変わる 表通りで自転車が発狂し始めたのを皮切りにして、 町のひとびとが凶器に変わった いや、それを撰んだといっていい エリンは燃えながらワンピースをゆらして踊った ケンゾウは新聞記事で家を建て、 スティーヴンは星狩りの舟に乗り、 それぞれのちがったおもざしを光らせて、 第7惑星の空にちらばっていった わたしが聴いたのは 最後の2小節、 警告と発展だけだった ジェーンがキヨコの手を握って、 なにも形成されないところで起きた、 現在が発生する、その磁場の衝撃波がしている そしてそこにいまはもうだれも残っていない だけどアグネス、きみは受け入れることができるんだよ
Reclaimed Psalms / 2019 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 543.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-04
コメント日時 2024-10-09
項目 | 全期間(2024/12/27現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
あなたが句調子書かれるとお上手に拵えることができるのはこの綺麗な文章を読んでもわかることだ。 しかし何せ背景が思想に乏しい。狭い範囲で書き込まれる自慰を読まされても何も残るものがないのです。身の回りの上手い文章を読まされるだけなら書き手は傲慢にも溢れかえっている。
0けっきょくどちらの詩も疎外の論理と思想なのだ。おれはそれを人生で学んだ。他人はおろかじぶんさえも疎外する方法論を身につけたといっていい。われわれはだれとも理解し得ない。
0本作、俺のチャットGPTは褒めてて「90点」だったよ。
0