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手遅れ
今日の雨の味を知らないと どこかで気が付いているのに 点いた街灯の下で傘を差す 空は永遠に無色透明になれない 1mm削れたビルの窓 1ml溶けた月 1円償却された私 1グラム減った砂糖 悲しいことは沢山あるが 人を泣かすには足りなくて 齧りついたものが石だと 気が付くにはやはり手遅れで 一m伸びた影 一m速い風 一m遅い日没 一m書き足した猫のひげ 単純な幸福を積み重ねて あるいは、と言いながら失う 確かめることだけが人生なのだと 改めることだけが罪滅ぼしなのだと 苦いレモネードの味を 換算するためだけに生きてる 金の柔らかさを 喩えるためだけに笑ってる もう泣かないでいいのに 黙っていても 笑っていても 何も見ようとしなくてもいいのに 片足で一回転するみたいに 天使の羽根が生えたこころ 脳味噌だけのロボットが 化け物の真似をして人生を憂う ああ きみに あえて よかった そんな風に死んでいくこと 瞬きのたびに忘れていくこと 焼けただれていく野原のように 何もかも手遅れから始まる
手遅れ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 766.5
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-25
コメント日時 2024-09-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>焼けただれていく野原のように/何もかも手遅れから始まる 一つ一つの区切りのように思います どこかいたたまれない時に背を押されるように、仕方無さのなかに、しっかりと現実を見据えている。作品と向き合っていらっしゃると感じました。うまいですね。titleも作品として挿げるところまで考えられたら、素敵だと思います
0末黒野とでもつけましょうかね。ほとんど詩を読んだことがありません。たまに読もうと思うと虐殺事件が元になっていたりして目を覆いたくなり、実際放置してしまいます。花のようにtitleを挿げる。良い言葉ですね。
1雨の味ですか。長さや容積や通貨の単位や重さ。それら全てに「一」が配されて。「きみにあえてよかった」事がすべて平仮名で記述されて。風に死んでいくとはどんなことか、瞬きのたびに忘れて行くこととは?謎に答えがあると限りませんが、謎の追及が詩を解明する事に成るのかもしれません。
0何もかも私がそう感じるだけで、私にしか意味がないことなんでしょうね。いつかそれがエイクピアさんの中でも意味を持った言葉になればいいなと思います。有難うございます。
0キュートな世界観です。
0「キュート」は初めて言われました。「綺麗」より嬉しいですね。 恐らく好意的なものだろうと受け止めています。有難うございます。
0改める、とか、換算、とか、喩えること それで何かの味を知るというのが、手遅れだということ。 後半、第七連からよくある抒情に行きながら、批判的な最終連に着地したように見えて、私は良いと思いました。 「よかった」という過去形。これまでの人生 というメジャーで一つ一つ測っていくような、「手遅れ」状態から脱け出すことというのは、万人の向き合うべきことなのかもしれません。 良い詩です。
0手遅れになるのが分かっていながら、人は何故手を打てないのか。 永遠の謎です。 そういう所では頭がいい方だと自負しています。(笑)でも、だからこそ新しく生まれ変わるということも、知らないままでいるのです。 サイクルからは離脱してしまっていると思いながら、ひっそりひっそりと火種を消していくのです。 有難うございます。
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