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あの日の空に架け合った夢
海に抱かれるよりも、わたし 海をこの胸に抱いていたいの そうして小高い丘に 君と2人 遠く儚く ユリカモメ "いつもの"をバッグから取り出す君 クルッと滑らかに針は回って 果てへと高まる 君の鼓動 「ベルクハイデも港街だったよね?」 「私、昨夜もそこの夢を見たのよ」 灯りに照らされた雪越しに、海が 北国の厳しい海が横たわっている やはり小高い城に立ちながら君は 暖かい故郷―この場所―を想ってる 君の青春 しとやかで甘い夢 その端っこくらいなら この僕も ささやかながら彩ることができたろうか 転げ回った草むらの緑が 煌めく粒子を放ちながら霞んでる 君の忘れた麦わら帽子のリボンが揺れる あの日はまだ生きている "帽子忘れてきちゃったわっ"― なんでだろ―駆けゆく君のふくらはぎ その瑞々しい質感の海に いまこそ胸は 奥までじんと浸ってる それは南の町の万年雪 風に揺れる亜麻色も彩りを添えて 君ははにかみながら振り返る 空はどこまでも高く澄んで まるで四季に抱かれてるようで "ねぇ、空はどうして青いんだろうね?" "うふふ、変なこと言う人(笑)"― 帰りたくなくって ゆっくり歩いて それでも足は僕らを運んで 名残り惜しげに手を振る玄関前 それでもまた休日が来ればと 運命が君を運ぶ先 知る由もなく この青空、しっかり見ときなよ 北国の空は陰鬱だからな なによそれ、嫌味のつもり?― 「違うともさ」と、僕は笑う 君はあの日の空に架け合った夢 もうすっかり忘れちゃったのかい 僕は遠き昨日を見て 君は近き明日を見てる 君との明日は夢と散り 1人きりの明日に吹くのは黄昏の風 海の煌めきが切ない
あの日の空に架け合った夢 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 400.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-07-05
コメント日時 2024-07-05
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体的にすごく好きな部類の詩です! ……その一方で、『(笑)』という表現は「うーむ……」と思った部分はある。普通に『うふふ』という台詞で微笑を表現できているのだし。 もし見当違いの感想だったらすみません。
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