煙草 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

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煙草    

火のついた煙草の先端 溢れる煙の螺旋構造が 玄関扉を背に 本当は青白く 極光に匹敵する 美を備えて 部屋の隅にしまわれた 竹牌は腐食している まだ禁煙がなかった頃 和菓子屋をやっていた祖父が 盲牌をした形跡 濁った白に脂が見られる 黄ばんだ襖の痕を辿る 年金受給のできなかった夫婦の 歴史を見るなどと懐古するには 薄汚れている フィルターに差し掛かる 何らうまくもない 灰が溢れる また一本咥える 涙が零れる 換気扇に吸い込まれる煙が 遠い北欧へ渡ってゆく



煙草 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 14
P V 数 : 2219.9
お気に入り数: 2
投票数   : 5
ポイント数 : 0

作成日時 2024-05-20
コメント日時 2024-05-31
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
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 エンタメ00
技巧00
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構成00
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閲覧指数:2219.9
2025/04/12 12時25分13秒現在
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    作品に書かれた推薦文

煙草 コメントセクション

コメント数(14)
おまるたろう
おまるたろう
作品へ
(2024-05-21)

最後の行で全部もっていく感じで。 それはひとつの政治批評かもしれないし、ひとつの民謡かもしれない。 ひとつの翻訳かもしれない。むろん小説かもしれませんし。 いずれにせよポエジーが駆動してます。 わたし、中沢さんの詩集があったら、欲しいかも。

1
A・O・I
作品へ
(2024-05-21)

モノやコトを示すことばたちが具体的現実味をもって感情を揺さぶります。良い詩です

1
中沢
おまるたろうさんへ
(2024-05-21)

いつもお読みくださりありがとうございます。 「ポエジーが駆動」しているとおっしゃっていただき率直に嬉しく思います。 そして何より、私の詩集があったら欲しいとおっしゃっていただいたこと、この上なく嬉しいです。 引き続き精進して参ります。ありがとうございました。

0
中沢
A・O・Iさんへ
(2024-05-22)

いつもお読みくださりありがとうございます。 良い詩と言っていただき大変嬉しいです。 抽象的になりすぎないよう、イメージしやすいよう、モノに焦点を当てて書くことを意識しましたので コメントいただきありがたく思います。

0
ほり
作品へ
(2024-05-23)

落ち着いてて静止した空間を、タバコの煙とともになんだか懐かしさが漂っている気がしました

1
中沢
ほりさんへ
(2024-05-23)

お読みいただきありがとうございます。 「静けさ」は想いながら書いていたので嬉しいご感想です。 コメントくださりありがとうございます。

0
テイムラー隆一
テイムラー隆一
作品へ
(2024-05-30)

気品があってすごく良い詩だなと思いました。

1
中沢
テイムラー隆一さんへ
(2024-05-30)

お読みいただきありがとうございます。 気品があるとおっしゃっていただき、大変嬉しく思います。

0
鷹枕可
作品へ
(2024-05-30)

スーパーリアリズム!だ! ※説明しよう。 スーパーリアリズムとは様々な質感表現を組み合わせ、写真の様に巧緻な現実対象を描写をする絵画技法である。 シュルレアリスムが様々な写実表現を組み合わせ、非現実的対象を描写する事と比べて、好対照な技法でもある。 因みに、シュルレアリスムもスーパーリアリズムも語源は「超現実」であり、 時代に拠り対象を如何に画くかという命題、潮流の移り代わりが垣間見え、何とも興味深いのである。

1
中沢
鷹枕可さんへ
(2024-05-30)

お読みくださりありがとうございます。 スーパーリアリズムというのは不勉強ながら初めて聞いた言葉です。 言葉の定義上、写真を用いて対象を描く美術潮流のようですが、 これを現代詩に強いて当てはめるなら、見たものを徹底的に言葉に還元し叙述することとなるでしょうか。 現代詩への応用をあえて考えるとすると面白そうな概念です。 コメントいただき大変嬉しいです。

1
ソノテイド
ソノテイド
作品へ
(2024-05-30)

コメント失礼致します。 まず、良い詩をありがとうございました。 私の解釈ですが、 幼い頃に見ていた物や人が 現実を知るにつれ、 理想と違ったように思えた瞬間を 書いたように思いました。 それでも、いままでの感じたことは 嘘ではなく、たいしたものではないと 知っていてる…なんともいえぬ虚しさを感じますが、 それと同時に現実を真に生きようとする人の強さを感じることができました。 解釈違いでしたら申し訳ないです。

1
エイクピア
作品へ
(2024-05-31)

詩に詩品があると思いました。品格ですか。あまり具体的に論じると、却って雰囲気を壊すかもしれないのですが、盲牌など麻雀の勉強になったような気がしました。麻雀と言う一見詩とは関係のなさそうなアプローチだったからこそ効果的だったのかもしれません。

1
中沢
ソノテイドさんへ
(2024-05-31)

お読みくださりありがとうございます。 ふと、詩を書く営みがそもそも理想と現実の齟齬を埋める接着剤のようなものかもしれないなどと思いました。 解釈いただきとても嬉しく思います。ありがとうございます。

0
中沢
エイクピアさんへ
(2024-05-31)

お読みいただきありがとうございます。 品格があるとおっしゃっていただき率直に嬉しく思います。 麻雀用語を差し込むと少し古臭さや異国感が表れるように感じます。 ご感想ありがとうございました。

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投稿作品数: 2