がれきの下
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運ぶ、わたしたち
上司Xが四つん這いになって尻を出していた。「どうしたのでしょうか？」と聞いてみると「ちょっとさぁ、尻が痒いんだよ。尻見てくれない？」と頼まれた。本当は嫌なのだが、上司が言うことなので仕方がない。尻に顔を近づけた瞬間、レモンを絞った時のような黄色い霧が拡散した。 上司Xが四つん這いになって、尻穴を露出していた。「どうしたのでしょうか？」と聞くと、「みんなに尻が臭いって言われるんだよ。ちょっとさ、尻嗅いでくれない？」と言われた。上司Xの言う事は絶対なのだ。尻穴を嗅いで「フローラル♡」と言ったら、上司Xは即座にぶち切れて「馬鹿にすんなよ」と凄まれた。 「おしりの穴が痒いんですけど、僕、風邪かもしれません」と震える声で訴えたら、上司Xが高い声色で「オ、オシリノ穴ガｧｧ痒インデスケドォ、ボ、ボク、風邪カモシレマセンﾝﾝ」と僕の真似をして、あからさまに馬鹿されて終わった。 面談で「将来、どうなりたい？」と聞かれたので「４０代までにはダミ声の男になりたい」と答えた。 上司Xから「おまえ交差点でシコってこいよ」といわれたので、今日、渋谷スクランブル交差点にて、フンドシいっちょで四股を踏んできた。動画を見せたら「そういう意味じゃねーよ」といって？いた。僕は空前絶後の凶行に及んでしまったのか？ 後輩がジュースを買ってきてくれるというので、ありがたくお願いした後、やっぱし僕もコンビニに行こうと思ってオフィスを出たら、後輩が僕の頼んでたコーラを、ノリノリでシェイクしながら帰ってくるところと鉢合わせた。 上司X夫婦がハワイ旅行に行くというので、一週間ほど自宅で預かったチワワ。僕のやる餌にいっさい手をつけずに、餓死を選んだ。 ウケを取りにいくと哀れと思われる！哀しみをアピールするとウケる！どちらかしかない！ おまえら！笑うな！泣け！ 後輩に上司Xの攻略法を教えてほしいと懇願された。はじめは断っていたが、結局、根負けして、僕は帰って読みなさいといって、メモを渡したのである。メモには「チャランボ（ひざ蹴り）」と書いた。 同僚どもに誰か気になる子とかいる？と聞かれたので「beyonceです」と答えたらムカつかれてしまった。 さもグッドアイディアというようなまんべんの笑みで、手を叩いて両手で指さす仕草、というか挑発。 社員旅行リストに「不参加」と書き、備考に「仮性包茎で、色も黒いので、みんなと温泉に入れない。くやしい」と書いた。 却下された。 社員旅行にて。GUのダウンを着て、調子に乗っていたら、向かい側の往来からまったく同じ色の同じダウンを着た人が通り過ぎ、上司Xから「お前の仲間が来たぞw」と言われ、殺意のあまり、しばらく肩を震わせていた。 団体バスのなかで10年ぶりくらいに「ちびまる子ちゃん」を見たら、まる子を殺したくなった 。 呑み会にて、ガールズトークに巻き込まれてしまい、「おまえって虚弱っぽいよね」とからかわれたので、「クンニの最中、ぼくの顔は、よがる女の動きにあわせて追尾するので、けっして逃げれないのです」と言い返してやった。その女はたじろいでいた。 ざまぁ。 お会計のときに、頼むから何かの間違いで金が出てきてくれ！とコートのポケットを漁ったら、角海老の名刺が出て来て、女どもに汚物を見るような目で見られた。 「はっ、離せよォ」と泣叫びながら、むしろ嫌がる新入社員の女の子の腕をつかんで二次会にひきこんでいる。 けっきょく今年は計3回も、女の子に無視された 。
運ぶ、わたしたち ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 617.1
お気に入り数： 2
投票数 ： 3
ポイント数 ： 0
作成日時 2024-05-12
コメント日時 2024-05-13
| 項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
超、おもしろいです。自分はチワワをあまり可愛いと思わないのですが、チワワならパクパク食べそうなところを、しっかりと餓死を選ぶとのことで、チワワもあなどれないと思いました。
0なんで、職場という舞台設定をするとこうもキテレツな方にいくんでしょう。僕も一度上司にケツを見せる詩を書きましたがここまでハジケられなかった。悔しい、圧巻です。 ユーモアに富む詩からは何か重い意味を取り出したくなるのですがその意思を削ぐくらい面白いです。辛うじて理性が残ってるとすればタイトルでしょうか。 「わたしたち」っていうのは後半の女性社員たち？ 運ぶってのが何を意味するのか、どこへ運ぶのか。運ばれるのはこの「僕」とするには安直なような。 視点を変えて、職場というのは場が拡張する性質を持ちますね、学校を真似た名残りのような。社員旅行も無理やり連れていかれ、飲み会も二次会まで伸び、社員間のコミュニケーションのため、良好関係から仕事をやりやすくするためと理由をつけて、うわべの付き合いがされていく。パーソナルスペースが侵食されていく。 上司からそんなようなハラスメントを受けて、だから自分もパーソナルスペースをひけらかしていくスタイルになっていく。上司Xがケツを見せるように、「僕」は性癖を見せつけていく。 そんな鬱憤(と、その発散(ハラスメント))を運んでいくのでしょうかね。部下も部下でコーラをシェイクしていきますし。無視していく態度にもなる。それは職場というフラストレーションが溜まる場をなんとか保つために必要なことかもしれない。ハラスメント擁護派ではないですが、そんな現実が現れているように感じました。
0庭先から上がり込んできては体育会系の兄貴もよくやってましたね。家の愛猫を見つけてケツを顔のまえにつき出してはぷぅ～。と。誰の影響か戦後生まれ団塊世代にはこうした下品な人間が多いです。 まさか、まさかね。ここで吉本新黒劇の台本を読まされるとは思ってもみませんでした。アンナネトレプコも驚いてますよ。刺激がぷぅ～です。 そういえばヒトシマツモトによくイジられてましたね。あの田中くんもいまじゃ係長でしょうか。仕返しに部下の小沢くんを使って美人局を計画したら、彼女に裏切られて逆にマツモト部長から博多へ左遷を仰せつかる。まあ、どぶ板とはいえ屋台の地に飛ばされるだけでよかったとですわ。 しかしねえ、吉本新黒劇なんて滅多にみれるもんじゃない。国立現代詩人会館にでも頼んでみたくなる。風刺風俗も社会を問う詩の一分野。ナンセンスギャグ詩大賞の部門を置いたらどうでしょうか？ じゃあ、あなた舞台で朗読してくださいよ。 覆面被ってでも。いえ、あ、あの遠慮させてもらいます。祝杯！もうさんざんお尻を触って満足いたしました。ハイです。
0公権力を呼びたければ、その様に。 筆致に於きましては、 ネット詩人の中では、青木龍一郎氏(資料は残っているでしょうか)に近似した作風。 作家気質ではなく、編集者気質。 目ではなく、脳。 主‐感覚ではなく、主‐意識。 既視の対象を定義づける、関係立てる方向に特化をしている。 一方 未発見の対象を、未発見のままに察知をする、 つまり未だ無いものを掴む能力には、余り重心を置かれてはいらっしゃらない。 ユダヤ教的世界観＝言葉の無秩序(自己矛盾)から秩序(無矛盾)を組み立てる、様式。 その様に読みました次第でございます。
1楽しいエピソード、という風に書いてありますが、かなりいじめられていますね。 無視はきつい。なんとなく、自業自得と言いたいですが。要するに、対策を練って、 ふざけずに真面目な態度で臨みましょう。そうすれば、念願かなって、女の子が……、 寄付はできなくても、キ〇してくれるかも知れませんよ。
1「痛い」作品だと思いました。 それは、あいつ「痛い奴」だなという意味ではなく、読んでいて痛みを感じるということです。 僕は笑えなかったです。 それも面白くないという意味ではなく、気軽に人がぶたれている姿を見ても楽しい気持ちにはなれないという意味です。 この作品がダメとか、そういう意味ではなく、僕はそう感じたということです。 そういう「痛み」について書かれた作品だと思いました。
0伊藤正騎さん、お読み下さいまして、ありがとうございます。 チワワとかトイプーとか、鬱陶しいっすよね。飼うならピットブル一択っすよね！
0熊倉ミハイさん、お読み下さいまして、ありがとうございます。 いきなりゲロっちゃいますと、「はたらくくるま」っていう昔の曲があって、そこから着想を得ました。わたしたちは車なのです。
0メルモsアラガイsさん、お読み下さいまして、ありがとうございます。 わたしの中学時代、ヒトシマツモトは神でした。「ビジュアルバム」「寸止め海峡(仮題)」はバイブルでした。 えっ、今？ 軽蔑しています。
0黒髪さん、お読み下さいまして、ありがとうございます。 「いじめ」は明らかにわたしの追求しているモチーフの一つですね。 真面目。 ...そうですね。 アイドルも真面目すぎる子は100パー病みますので、 真面目にふざけるくらいがちょうどいいかもしれません。
1トビラさん、お読み下さいまして、ありがとうございます。 いつもながら、パウル・ツェランかトビラさんか、てなくらい。鋭い読みですね。 その、トビラさんのシリアスさがワタクシ的には、尊いです。
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