全て壊す風に乗って全て壊しに来た
禿げそうな後ろ髪引きちぎられながらも
漂う電波を舐める方法で
行き先を見付けて来た風だけを頼りに
冒険者の一生
探すだけの一生
それはそれは疲れます
そしてなにも
何も無い事知る
冒険者というもの
新たな発見する事だけを
その目的とする訳では
無いのであろう
羅針盤など頼りにならない旅を
編む者黙々と
先を行く見知らぬ何者かが
垂らしていった美酒の香りの
おこぼれを嗅ぎつけて深く眠る
静かなる時の魔術
眼玉は裏へ向いてゆく
夢に落ちれば凌げる
その夢の中とは母の胎内大陸
眠りに落ちている重層の旅は果ても無し
聴こえるのは宇宙機関車の線状音
たまに死亡者の通知と報音
もう坊や放浪はお止め坊や
何も変わらなくていいわよそのままで
冒険者は毟り合っているだけで
痩せた格闘者そのものである
そして舟を漕ぐ猿でもある
川面に浮かぶ木の葉の朝露を美酒として
視界の効かぬ深黒に酩酊する冒険者よ
世界の裂け目の向こうを見てみろ
そこは水晶玉の薄皮をずる剥いた
空っからの報復世界
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 502.6
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2024-04-05
コメント日時 2024-04-12
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/26現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:502.6
2024/12/26 22時28分51秒現在
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はじめまして★ 作品を拝読させて頂きました。 挫折や心の迷いを経験しながらも、夢を追う人や自分のアイデンティティを探す人達が思い浮かびました。 "自分はなんのために生きるのか?" そんな人生という旅の中で、冒険者達は自分と向き合いながら、納得できる答えを見つけていくのでしょうね。
0視界の効かぬ深黒、とは画面、紙面などに連なる文字列のことでしょうか。今やこの世界にはそれが吐き気がすることもある程蔓延していますから、自分の希望に繋がる裂け目を探すことは困難を極めるでしょう。 ですが、どこの裂け目を抜けようと、行き着く先は大体一つ。 私は勝手に青い小鳥ちゃんの住んでいた場所が浮かびましたが、私はあまり学のあるほうではありませんので、もし失礼をしてしまったその時にはお怒りのお言葉をぜひお寄せください。 大反省いたします。
0筆者は冒険者として冒険の価値を自嘲したのか、否定的な文言に旅しながら内面や自分が捨て置いてきた世界の問題を内省する旅人の心の旅を想像させられた。言葉に切れ味があり、その真意は定かではないのが興味を感じました。
0>そして舟を漕ぐ猿でもある この句がとてもいいなって。どこか仏教的な。
0お読み下さりありがとうございます。良い歳をして、未だ青臭い詩しか書けませんが、「考えるな、ただ書け」との妄言に従いつつもう少し。
1お読み下さりありがとうございます。まさしく飛び立つ前の小鳥ちゃんが怯えて震えている様です。気付かされました。この鳥、飛ぶ事も出来ず、餌になるのかもしれません、そのまま裂け目から吸い込まれてしまうのかもしれません。誰も何も知る事も出来ません。ブルブル。
0お読み下さりありがとうございます。自身にとり、確実な詩、確実な行為、というものが中々確立されませんが、生きる限り彷徨し、探し、迷い続けるのでしょう。
1お読み下さりありがとうございます。現実の風景に、一節、山水画を、カットアップした様な感覚です。恐れ入ります。
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