みはるかせば辺境な愛と憎しみの道行きよ
たどり着いた海岸はおしゃべりだ
あちこちにペットボトルのコブの山
砕けた発泡スチロールにネット、へこんだボール、
あらゆるゴミ芥が捨てられた恨み辛みに
孤児の顔をして喧しい
そこを海岸から帰ってきた海亀がゴミの間をすり抜け
ポロポロと泣きながら卵を生む
これが現実なのだ
あの海亀は海亀であり、私であり、あなたかもしれない
海を愛して自由を抱き締めたら網に引っ掛かったよ
捨てられた魚網に、謀られた魚網に絡まり死ぬ苦しみよ
理想という心映えよ
悪の付箋がついたペットボトルや数多のゴミが
役立つ道具に変身するといい
清らかな祝祭の浜辺に甘い幻想の花びらが降る日を想像しよう
清らかで守られた、慈しみの庭よ
地球の人々の、そして私の浜辺に子守唄のように宿れ
訥々としか語れない大人の夢の柔らかな卵の殻よ
でもそれは私たちみんなのもの
きっと分け合うもの
微笑みに微笑み返しするように
この世界のあちこちに鏡があるように
傷つきながら、言葉を失いながら、まだそんな夢を見てる
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 685.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-03-20
コメント日時 2024-03-23
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:685.1
2024/12/04 02時29分34秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
タイトルがすごくすきです。愛しては裏切られ、でも愛することをやめることはできないという人間の業のようなものが感じられる作品でした。
0「みはるかせば」というふるめかしいひょうげんをつかった――いと――は、さくしゃのじこしょうかいもすこしばかりかねているのかもしれないとおもった。しかしこのさくひんは、「地球の人々」のうみべでもあり、さくしゃじしんのおもいでもある、「清らかな祝祭の浜辺」をゆめみるというながれのなかに、 「でもそれは私たちみんなのもの きっと分け合うもの 微笑みに微笑み返しするように この世界のあちこちに鏡があるように」 という嗷訴ともいえることばたちもきじゅつしている。 きをてらうような、ぜんえいてきなさくひんではないとしても、しじょう、ぎこうともにすぐれた詩だと思いました。 うみがめのさんらんについては「ゴミの間をすり抜け」るようなばしょではおこなわれないのでは? というぎもんもわきましたが、ボクはどうぶつがくしゃではないのでくわしくはしりません。いちおう、つりをするのでボクがしるかぎりうみがめがさんらんするすなはまはどこもひろくてきれいです。 ぜんたいとして、【つよい芯のようなもの】をかんじました。
0あ、調べてみたところ、 「うみがめがさんらんするすなはまはどこもひろくてきれい」なのは、 キレイな場所を海亀さんが選んでいるのではなく、 「砂浜ちかくの町の人たちが海亀の産卵のためにゴミを拾っているから」とのことでした。 海亀さんは捨てられたゴミがゴミだとは認識しておらず、 ペットボトルなどが沢山ちらばった砂浜でも平気で産卵するそうです。
1タイトルはものを言い過ぎたかもしれませんね。業というよりは愛を求めるのは人間の美質だと思いたい私です。コメントありがとうございます。
1調べて正確であろうとなさるのには一理ですね。私はイソップじゃないですが寓話のように人と海亀を重ねたかった、ということがあります。海亀と例えて実は人間の話のつもりが強くてg。ただ書いたものに説明を加えるのは野暮ともおもうのひらがなで感想をくださったのはなぜでしょうか?で困ったなあ。芯がある、というのは嬉しいです。
1titleで全部説明しちゃってるのが、勿体ないなと思う。この詩文に言いたいこと溢れすぎて強すぎるので、でもそれが湖湖さんの詩の魅力で。人生の生き様、深さが違うなと、のまれるしかない。私は正直に書けないなと、たぶん一生できないので羨ましくも思います。
1題が説明しすぎているのは確かに反省点かも。語りすぎかもしれませんが深く生きたい、味わいたいという焦燥の裏返しかもしれません。コメントありがとうございます。
1何かを汚し傷つけながら歩んできた人類、過ちすら正当化し、憂う人物を攻撃する。甘い幻想でも何者でもなく、人々はひれ伏す自然を泥まみれのあしでふみつけながらあゆんでいるのだ。
0