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日時計
たとえば日時計とか そういう原始的なものに関心がない 公園で眩い日光を集める日時計を見かけても この小さからぬ物体を一瞥して そばを通り過ぎる 原始的なものだけでなく現代のものまで ものの仕組みや科学技術 自然の不思議や神秘 そういうものにあんまり関心がない それは良くないこと 無関心は危険の種子である この種子は病んだ精神として発芽し育ち いちおう月並に見える花をつける しかしよく見れば奇形ではないのか この人間は生命力がなく怠惰で どんな職業にも向かないかのように思える でもこれが普通なのだ ほとんど誰も本気で日時計など見はしない たまにはものの仕組みや科学技術 自然の不思議や神秘を喜びはする でもそのうちの幾人が真の関心を持っているだろうか たいていの人々にとってこういう喜びはイベントだ 過ぎていって熱は冷める こんな凡庸な人々に職業はあてがわれ 誰も知らないうちに世界が回り 日時計は日時計で独り時を測り続ける それでは良くないと思い 僕は静かに日時計の前に立ち止まり 時刻を読み取ろうとしたけれど 僕の意欲を奪うかのように太陽はすぐ落ち 闇に星が輝き始め 街に電灯が点った
日時計 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 660.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-03
コメント日時 2024-01-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「真の関心」は、必要性の元にあるだろうなと考えさせられました。 特に科学技術なんかは、私たちが現代に欲するのはさらなる進歩で、「日時計」のような先人の知恵・原点などではない。それでも、今を知るには過去から発想を学ばなければならない。パラダイムシフトが起きているものがあるが、地続きのものもあるからだと。 私たちは、今を知り、欲を満たすには多くの過去に立たされ過ぎている、そう考えさせられた詩でした。 ただ、希望を見出だせるとするならば、思想、価値観などは、過去のものでも息を吹き返す(ルネサンス、リバイバル)ことがあると思います。だから、その分野の「真の関心」は廃れないと思います。「多様性の尊重」という息苦しさに、人々がどこまでついていけるかという懸念はありますが。 少し脱線しました。良い詩をありがとうございます。
0日時計と言うか、時の記念日にちなみ、天智天皇が思い浮かびました。そして 「無関心は危険の種子である この種子は病んだ精神として発芽し育ち いちおう月並に見える花をつける」 こんな詩行が印象的で、その中でも「月並に見える花をつける」に心惹かれました。
0お読みくださりありがとうございます。 現存し現在も進行中の物事は長い歴史を持ちながら多くの専門分野に分かれています。己の職業・境遇が要求する事に大なる関心を寄せ、それ以外の事にはあまり関心を持てない、これが致し方なく普通のことですが、これだけだと何か疚しさのようなものを感じるのは僕だけではないでしょう。より多くの事を知りたい、欲張りなのだろうか。何もかもを己の専門にはできない、でもそれぞれの専門分野はどこかで交わったり、基礎を同じくする場合が多いから、専門外の事に目を向けることで視野を広げたり教養を深めたりすることは望めます。せめてこのように望んで人間が動くことで、ありきたりな言葉を使えば、社会は良いものになるだろうと思います。 >私たちは、今を知り、欲を満たすには多くの過去に立たされ過ぎている >「多様性の尊重」という息苦しさに、人々がどこまでついていけるか こういった箇所は鋭いと思いました。
1お読みくださりありがとうございます。 目を止めてくださった箇所、僕にとってはけっこう苦しい繋ぎの部分だったのですが、意外にも効果ありだったようでホッとしています。一本の筋を作るということは大変なことですね。
0詩的存在と、テクノロジーはどう関係しているのでしょうか。時の過ぎゆき方に、 詩的情感を覚える我々と、時計の形態自体を理解することの意味。 生命力についての言及があるのがいいと思いました。 生命&テクノロジー。
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