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連詩:古城
暗鬱な靄に霞む丘の上に古い城が立っている 冷ややかに睥睨するかのように町を見下ろす 呼びかけても問いかけても何も答えない 無言のまま亡霊の如く城は朧に浮かび上がる ドンキホーテは サンチョパンサを探しに出かける 我が城ぞ、と ロシナンテに語りかける 先で ドンキホーテはカフカといっしょに体操した 瞑想して かつての城の全容を知り 言葉を失った ドンキホーテの中のものがカフカにあったのだった だってあの城こそカフカだったから ふかふかのカフカと共に サンチュパンケーキをいただく ペンギンが傾けるロシアンティー 今宵は冷える もうふかふかだ カフス萌え いやここに 老兵の有り様は 壁に映る影の如し 騎士だったのは気のせいかもしれない 古城も工場だったのかもしれない 例えそうだとしても、例えそうだとしてもだ 夢を生きたいじゃないか 訪れたのは木の精霊で まどろんだ工場はおおきなクスノキに姿をかえた あるいは胡蝶かも あるいは地を這う蟲なのかも 裏とおもてでカードはくるくる回る ドンキホーテ くるくる回る カフカと共にバレリーノ カードも 工場機械も回り 回る運命 木の精霊 司る 旋回する表象と想念に巻き込まれ 妄想の騎士は城と溶け合い混ざり合い 茫漠と拡散しゆく幻影を追って 城の亡霊と木の精霊は依代を求め彷徨い漂う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 鯖詰缶太郎さん、田中恭平 newさん、もじゃおさん、トビラさん、角田 寿星さん、羽田恭さん、連詩へのご参加ありがとうございました。
連詩:古城 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 912.4
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-01
コメント日時 2023-11-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
紅茶も居ました。 それにしてもこの試み面白いですね。 原作も読みたくなり、早速図書館で借りてきました。長編なので大分先が長いです。
0コメントをありがとうございます。 カフカの「城」は、カフカの作品の中では最高傑作と言われているそうですが、未完の作品です。 また内容の意味するところが非常に難解で、様々な解釈がされているようです。 面白い試みと仰っていただき、ありがとうございました。
0ドンキまだ読んでないのでそのうち読みたいと思いました。
0コメントをありがとうございます。 私も読んでいないので、詳しい内容はよく知りません。
0コメントをありがとうございます。 私も読んでいないので、詳しい内容はよく知りません。
0おはようございます。 古城も工場だったのかもしれない 例えそうだとしても、例えそうだとしてもだ 夢を生きたいじゃないか 並べて読むとここが光って読めますね。連詩企画、ほんとうにいつもありがとうございます。
0本文末尾の謝辞の欄に紅茶猫さんの名前を入れていなかったことに今気づきました。 たいへん申し訳ありませんでした。 以後注意致します。 今後とも宜しくお願い致します。
1コメントをありがとうございます。 トビラさんの連ですね。 「夢を生きたいじゃないか」 この一文が特にいいと思います。
1ちょっとショックでした。w よろしくお願いします。
1今回は末脚がすごかったですね! みなさん推敲されてたのかな。 晩酌中にカフカとフカフカを見間違える一瞬があったため、余計な一連を投げ込んでしまい失礼しました。
1コメントをありがとうございます。 「今回は末脚がすごかった」、まさしく仰る通りで、月末になって皆さんの膨らんだイメージを次々と受け取り、いい意味で驚きの連続でした。 また宜しくお願い致します。
1原作の「城」読んでみました。 先ず未完成とありましたが、ここまで生々しい未完成だとは思いませんでした。スパンと切れて終わっています。続きを書くつもりでいたという終り方です。 あと「くるくる」と書いた方は実際に読んでいた方だったのですね。 カフカは「変身」は読みましたが、こちらは本のタイトルすら知りませんでした。 未完なので永遠につくことは無いだろう決着をついぞ見ることもなく、ネット空間を風刺していたのではないかしらと思ったり、何が大変て一番は読むのが大変な本でした。 ご紹介ありがとうございました。
1コメントをありがとうございます。 この小説の「城」が何のメタファーなのか、様々な解釈があるそうなのですが、私には近現代の複雑な官僚制や閉鎖的な村社会の中の人間心理を、風刺あるいは批判しているように思えました。 未完ながらカフカの作品の中では最も長いもので、しかも意味するところが難解なので、読むのはたいへんだったでしょう。 お疲れ様でした。
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