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眠れなかった時代
アスファルトに波紋を拡げるように夜を滑り行きて あの瘙痒と痛痒に塗れた水槽から逃げだし 何処までも何処までも喪われた涙を捜して 這い寄る渇いた眼を打ちはらい 夜の其処へ底へと沈みまた浮かび 大小の島を巡り夜を泳ぐ鳥や魚たちとすれ違い 笑い蔑み合い 釣り人を遠くに眺めながら 夜の其処へ底へと降り行き 涙に溺れた星を見つけた歓喜に打ち震えたとき そこがまたあの水槽の中だと気付いた 途端 魂を打ち鳴らすような甘くも狂おしい男の歌声と むせ返る煙草の煙や嬌声が夜を熱していくというのに 私の魂だけが 小さな水槽に囚われて取り残される哀しみの最中に 我が家の暗い部屋からまんじりとも動いて居ない静止した精神と脳という牢獄を発見したのだ その水槽ですら溺れる 我が限界 眠れなかった時代よ
眠れなかった時代 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 948.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-21
コメント日時 2018-01-01
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
エラー?が出たので送信し直したら二回投稿になってしまいました。
0運営の百均です。 了解いたしました。帰宅した後片方消しておきます。
0すみません、 お手数ですがよろしくお願いします。
0始まりの水槽は家庭、田舎な地元のイメージとして取りました。何も無い田舎(島)から、都会(海)に飛び出していく感じ。でも飛び出した先で色々な物と出会い、感動したのだと思いますが、しかし、水槽という枠の中で生まれ育った自分は海に飛び出した所で水槽の中から出ていた訳でもなく、出られるような才能を持っていないという事に気がつくだけだった。それは自分の魂に刻まれた「我が家の暗い部屋からまんじりとも動いて居ない静止した精神と脳という牢獄」であって、自分はそこですら溺れていたのに、そこから外に出た先にある大きな海で泳げる筈もなかった。という感じがしました。ファインディング・ニモなんかのストーリーに当てはめて読んでみると大変さが分かるかも知れません。 アスファルトを海に換えて、飛び出していくけれども、水槽というのは外的な比喩だけではなく、内的な比喩でもあった。内側に抱えた水槽は爆弾みたいに心から外す事は出来ない。という限界が見えたのが個人的には共感を覚えました。つまり、地元を離れたからといって、何かが変わる訳じゃ無くて、結局の所自分の心根が変わらないと意味が無い。みたいな感じかなぁ。
0百均さん、コメントありがとうございます。 そうですね。何かを求めて作中では感動するほどの何かを求めて飛び出してみたが見つけた先で何処にいても求めたものはあるのだろう、気づけない限界にきづいたとき… その先も書けるけれど蛇足かな、と省きました。 共感して頂けるのだろうところがあったなら非常に嬉しく思います。 改めてありがとうございます。ニモの例え省きましわかりやすいですね。
0新宿の高層ビル街を歩いている時、水槽の底にいるような気がして、くらくらと気持ちが悪くなったことがありました。 周りは見えているのに、金魚鉢の側面から見るように歪んでいて、姿は見えるのに声が聞こえない。そんな感覚。 どこに行っても、その壁を壊しても、抜け出しても、再びまた、別の水槽の中にいる・・・と思いつつ。 もしかしたら、その水槽の中こそ、自分に許されたプライベート空間で、その空間を持ち歩いているのかもしれない、自ら作りだしているのかもしれない、と思う時もあります。 入れ子のような構造を視覚化して、体験しているところが面白いと思いました。
0まりもさん コメントありがとうございます。かなり深い考察をしてもらったように思います。自らが作り出している、プライベート空間、つまり限界に繋がる部分かと。まだ言葉の研磨が足りないのを皆さんのコメントから感じています。 ありがとうございました。
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