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生業
テレビのロケットを覗きこむ眉尻にかかる前髪のアーチにぶる下がる赤い文字盤を両手で抱えてブザーを鳴らすたびに「残念」と笑ったあなたのトレーナーのSEATTLE CITYが汗ばむのに合わせて加湿器が黙々と吐いたつばが中空に舞っては光って燃えて窓辺のカーテンまで焦げて揺れる影絵に映るうさぎのスポンジで皿洗いを始めたシンクにあふれる体液を台ふきで拭う姿を見下ろす師走のカレンダーめがけてティッシュとひざ掛けを払いのける。 パーラー前の陸橋と交わる 特快を覗く近所の子どもらに混じってはしゃぐ 高鳴り 人見知り 剥き出しの便器の股ぐらに 流してほうった純白の 尻ふきの 厚みとさほど変わらない存在力を頼りに 内緒の ほくろの 数を数える頭部を 抱える力こぶが引っ切り無しにやかんを鳴らしてまな板に転がす人参とじゃがいも 市販のカレー粉 ひとすくいの 肢体を区切るのはさもしい天窓。 先割れスプーンに磔のハムの切れ端ならいい加減飽きちゃったなんてしゃけの切り身に目を細めた隙にいじるスマートフォンさえ鷲づかみもぎ取るくしゃみに続く吐瀉物をまたぐ秒針のすき間に情と不信が挟まってひしゃげた車イス後輪の空気が読めずに何やら喃語を繰りだすわたくしが馬乗りになるタイミングを圧倒する時間差をも埋めた胸元ないしうっ血したつぼみが屋根で蓋をし壁で目隠し箪笥の引き出しとは絞り出す生気──一滴。 「ごめんください」
生業 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 873.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-12
コメント日時 2017-12-23
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
投稿ありがとうございます。最後の「ごめんください」がとても爽快に思えました。 前段と後段は上手く言葉を繋がれたなあと思いました。前段の方が無理が無く繋がれてる感がありました。また中段も、構成として活きてるんじゃないかと。しかし、私には、本作の「本質的な良さ」を感じる感性がない、と思いました。私が言葉で上手く言い表わせない、私が見出せていない作品の「本質」があると思いました。それは、何と言いますか、はっきりと掴めないのですが、イメージ的には語り手が持つ他者との距離感覚みたいなものです。それは、奴隷として連れて来られた人々から生まれたソウルミュージックに感じることと近いような。抽象的なコメントになってしまいましたが、また、これからも読み直したいと思います。
0三浦果実さま コメントをくださりありがとうございました。 >私には、本作の「本質的な良さ」を感じる感性がない、と思いました。 伝えられないのはひとえに私の力不足によるものです。すみませんでした。 その中にあっても >語り手が持つ他者との距離感覚みたいなもの を感じ取っていただけたことを嬉しく思います。「隔絶」が大きなテーマとしてあります。
0一行が偉く長くて、展開がコロコロ変わっていく頭と尻の文章に挟まれている。橋、橋の部分は読めました。それ以外の所は、正直苦手なスタイルでもあって、よめませんでした。テレビのロケットがまず分からない。そこから女と日常のイメージは湧き上がってくるのですが、ピンときません。だから悪いという訳でもありません。単純にそう思った所から言葉が出てこないみたいな感じです。 …という所から何が言えるのかというと難しいですね。コメントにもあるように、隔絶されている感じでしょうか。語り手の思考なのかな。色々な思いを抱えながら、多分家に上がったのだと思います。家に上がるまでの過程なのかな。真ん中の連だけなんであんなにゆっくりなんだろなとも思いましたが、多分子供と一緒にはしゃいだからかなと思いました。難しい思考から離れて、みたいな感じかなぁ。
0ああ、でも語り手の日常がつらいのかなぁ。DVみたいなもんかもしれないと思いました。他の方のレスも見てみたい。
0冒頭と終わりの文章。これくらい長い文章を一気に読ませようと試みるケアー。ならばよほどメリハリも考えて言葉を選ばないと、却って読み難いばかりか内容までも飛んでしまう。文章が内容重視には読めないので、やはり書かれた言葉から発せられる韻の流れ、言葉自体が持つリズムの強弱というものは、助詞の活用も含めて必要になるのだろうと思います。 わたしも某箇所で意味解釈を寄せ付けない、超えようとした遊びものを書きましたが、やはり作者本来が持つ個性的なものが作品のイメージを左右するような気がします。遊びの中から新しく生まれるものがある。頑張ってください。
0百均@B-REVIEW ON/さま コメントをくださりありがとうございます。 投稿からしばらく経ちましたので白状すると、この作品では「障障介護」の語り手の頭の中で起こっていることを描きました。 ですから 「ごめんください」 に始まるコメント欄は他者との接点そのものです。もちろん「よめませんでした」も含めて関わりを持っていただけたことに意味があります。
0アラメルモさま 的確なアドバイスをくださりありがとうございます。今作では言葉に掴みどころがないような、声をあげて読みづらい文章を書きました。そのうえでもう一度、韻の流れや一文としてのうねりを生み出すといった観点で見直してみます。
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