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幸福な一日の終わり
なにも考えることのなかった 幸福な一日の終わり 幸福な夜の軒先に 何かを伝えようとすることが 静かな言葉では難しい 街の鉄くずを拾い集めても こんな夜では値段がつかない 着飾って歩けばきっと嘲笑われる 電線が切れて垂れ下がっている 夜の風に吹かれていると 僕は凍えた歌を聞く 僕の身体は錫になり 震えて遠い時間を刻む なにも考えることのなかった 幸福な一日の終わり 幸福なまぶたの裏に 鮮やかな色が張り付いている きっと嘘をつきすぎたんだ 命にかかわるほどの眠気が 蛾のような姿にかわって あの電灯にたかっている
幸福な一日の終わり ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 896.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-09
コメント日時 2017-12-16
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
『眠気が蛾のような姿に』という表現が好きです 毎日をやり過ごすように生きているのが伝わって悲しくなりました 奥行きという点では弱いかもしれないです、、一回読んでそれで、終わりみたいな感じはします
0〈幸福な夜の軒先に 何かを伝えようとすることが 静かな言葉では難しい〉 という印象的なフレーズの後、鉄、錫、と冷たく硬質な物への希求が語られる。 起承転結の、起と承、の部分ですよね。 そこから、色彩へ「転」じ、さらに〈蛾のような姿にかわって/あの電灯にたかっている〉 という「結」に到る。 静かな言葉、ではなく・・・速水御舟が描いた、篝火の中に飛び込んでいく色とりどりの蛾のような・・・そんな、自らを燃焼させてしまいたい、そんな衝動が背後にある、という事なのかもしれませんが・・・鉄、錫、のような、確固たる言葉がほしい、という欲求と、自らを燃焼させてしまいたい、という欲求とが、短いスパンで結び付けられてしまっている、そんな強引さを感じてしまいました。夜に金属を探す。このユニークな詩情を、もっと突き詰めても面白かったのではないか、と。
0二項対立的ですね。幸福であることと、そこから外れていく物。幸福な生活を支える物、もしくはそういう生活を僕らが過ごす上で、見過ごしたり、おざなりにしているもの、その残滓を嗅ぎ取る瞬間を鉄くずと、電灯の蛾に見る事で、「幸福」な物に対する揺らぎを演出する。直接的に伝えるのではなく遠くから伝えていく。伝えるというよりは見やるという方が正しいかもしれませんが、確かにこういうを伝えるのは難しいのかもしれません。僕はここから色々受け取る物もありますが、同じものを描けと言われたら無理かも。
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