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芸術の責任者
私の内面世界は生まれつき暗いからそれが苦しく 過去にしばしば私は馬鹿のように明るく生きたいと願った また私は物事に上下関係を持たせるという癖があるから 時に人から顰蹙を買ったり警戒されたりする 単純で極端なことを言えば 馬鹿と馬鹿でない者とに人間を分けて階級を形成するということ でもこれは信じてほしいことだが 私だって馬鹿という語を使うのにはためらいがあるし 害心などもまったくないのである でもそもそもあらゆる物事の間に価値の差異がなければ 私たちは何も選択できず したがって善悪どんな方面へ向かっても 生きることができないはずである 馬鹿は明るいという私の考えは正しいかもしれないし 間違っているかもしれない 馬鹿はあんまりものを考えないから暗く落ち込まないと思う しかし同時にあんまりものを考えないから暗いとも言えそうだ ここに私の傲慢と尊大がありはする 私は自分がものをよく考えるから暗く沈みがちなのだと考え ものを深く考えない人間たちの明るさをからかいながら そういう人間たちに憧れているという構図だ 表層はいつでも騒がしくて波も荒い そんなところでは真実や因果法則は見えないし指針も見えない 私たちは表層によって考えを固めたり何か感情を持ってはいけない 深く深く思い悩もうではないか 中には表層の下にあるものの存在を思ってもみない者もいるだろう そういう者たちを私は愚者だと考えているわけだ 彼らはいつでも騒がしくて荒っぽく単純で世渡りがうまく明るい ついに私は自分の内面世界が暗いことを誇りに思う 決して引け目を感じるのではないし馬鹿者に憧れたりもしない 深い所はそれだけ暗く 暗ければ暗いほど芸術の核心に近い 表層で乱れ飛び交う朗々たるお話に誘惑されないとともに 疑念に耐えられる強い人間 理解困難で知り難い暗い複雑な人間 芸術を背負ってゆけるのはこういう人間だ 私は芸術の責任を負えるほどに闇の中で何かを凝視する 暗い人でありたい 芸術によって世界に人間に 働きかける私と仲間たち 深い所から暗さをもって逆説的に表層を明るく照らす私たち もし私たちがいなければ世に深さはなく光源もない さらに表層に向けて疾風を送り続け 生鮮と動揺をもたらす私と仲間たち 芸術の責任者として暗く重い内面世界を抱え持ちながら 逞しく飽くことなく吐き出すように表現してゆく私と仲間たち 表層しか見えていない者たちがそこで惑わされるなら その責任は私たちが取ろう
芸術の責任者 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1085.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-02-01
コメント日時 2023-03-28
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
まあ正拳突きだよね 時の止まれお前は真に美しいみたいな 清々しい気分にはなります しかしなんと言うか 芸術性はそんなに高くないかなとも 思ったな マッチョな作品 正拳突き
0まあ正拳突きだよね 時の止まれお前は真に美しいみたいな 清々しい気分にはなります しかしなんと言うか 芸術性はそんなに高くないかなとも 思ったな マッチョな作品 正拳突き
0ついに私は自分の内面世界が暗いことを誇りに思う 暗くて深いのですね。
0なんだろう、ちょっとわかるような気がする。人間ってよく気持ちはまだ高校の頃のままですとか言う人いるんだけど、それって私からすると半分わかるようなわからんようなって感じで、私って中学の頃に「自分って新しいことを暗記してるだけで本質的に頭良くなってるわけじゃなくね?」とか思ったりして、その認識は今もおおわくでは変わってないんですよね。つまり馬鹿と呼ばれる人もそうじゃない人も、単に生まれつきそういう人で、それは何歳になってもずっと変わらないことなんですよね。それを現代の自由経済・資本主義社会と組み合わせると馬鹿ってなるのかなあって思いました。 それにしても、馬鹿かどうかはいったんおいておくと人間って、変わりたいと思っても変われないというか、そこにはやっぱり才能がいるんですよね。ようするに狂うには才能がいるんですよね。でも、故障するのに才能は要らない。私は世の中で壊れてるとされてる人間の多くがじつはふつうだと思ってるし、みんなが普通だと思ってる人が、ほんとは故障してるんじゃないかと思うことはよくあります。
017歳の頃は、これに近いことで長期間悩んでいましたが、19で働き初めてから、あー、こんなことで悩んでたら月のお給料がもらえないことを痛感し、思考停止することにしました。
0お読みくださりありがとうございます。返信遅れましてすみません。どうしても私自身がこの作を好きになれなくて。それに言いたいことを全部言って空っぽになってしまったような。 芸術性、そんなに高くない、私自身もそう思います。芸術以前に書いておくべきメモのようなことを書いた気分です。読み返すのも辛いです。もっと上の層に芸術は、詩は、あるような。
0お読み下さりありがとうございます。返信遅れましてすみません。 貴殿もきっと、誇るべき、暗くて深い内面世界をお持ちだろうと思いますよ。だからこそ書くことができるのだと。明るくて浅いなら、なんにも書かないと思います。
0お読み下さりありがとうございます。返信遅れましてすみません。内容濃いコメントありがとうございます。「現代の自由経済・資本主義社会と組み合わせると」や「才能がいる」というような箇所、興味深いです。 シュティフターという作家の『晩夏』という小説の中に「平凡な人々がいてこそ世界は安定する」というような文があったのを思い出しました。
0コメントありがとうございます。返信遅れましてすみません。その思考停止、賢明であったと思います。私は、なまじ大学などに入ったがために、長いこと悩むことになり、社会人の後を追いかけて大変に苦しみました。 芸術を実務にできる人もいるのでしょうけど。
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