別枠表示
回送
乗客のいない列車が こちらから あちらのほうに 消えていく 誰ひとりいないというのに 僕から ずっと 遠くのほうにいってしまうことが 頭で理解出来ないように 絵を眺めるように かなしみって あの列車のことかも知れない 大切な遺失物を忘れてませんか 新聞を誰かが蹴っていませんか 夕焼けも見ないで下を向いてませんか ぼやっとした記憶の空洞に いくつかの言葉が網棚の上にあるだけ いつかあの列車に 乗ることがあるだろうか 誰もいないのに アナウンスの いっぱい聞こえる 向こうに 行くだけの 列車に ぼんやりと 適切なとこに戻っていく 僕が 現れる気がした
回送 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 820.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-04
コメント日時 2017-12-16
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
花緒さんが谷川俊太郎さんの印象的なフレーズに触れていますが、遺失物、夕焼け、そこに溺れる(忘我の)感傷ではなく、自身もまた、いつか消えていく存在として・・・自分自身を客体として見つめる目差しにおいても、谷川さんの世界に深くシンパシーを感じている印象を受けました。 鈴木志郎康さんや吉野弘さんなどの名作も、余韻として響いているのを感じる作品。 網棚に置かれたままの先人たちの名詩のフレーズ(新聞を、とか、夕焼けも見ないで、など)、そんな、一生携えていきたい言葉をすら、いつか置き忘れていくのかもしれないけれど・・・その言葉から生まれる何かを胸に抱いて、新たにホームに立つ人がいる。そうして、続いていくのだと思います。
0>かなしみって >あの列車のことかも知れない 仲程さんの感想と被りますが、ここで読む意識変わりました。凄く言いですね。この宣言が、表現がここで一気に回答されます。ここから始まらないのがいい。車窓を見ていたら急に答えが導き出されてきたような感覚に似ています。 >ぼんやりと >適切なとこに戻っていく >僕が >現れる気がした 適切な所というのもいいですね。列車が結ぶ行く末は駅に固定されていますし、固定されている駅の周辺に人は住みますしね。味わい深い作品だと思いました。芥川の蜜柑とはまた違った煌めきがあります。
0