照り輝く広い町のどこかの屋根の上から
金槌を使う律動的な音が聞こえる
足元の地形の変化に喜びながら
三人の子どもたちが横に並んで坂道を下ってゆく
にわかにできた水溜まりに
一羽の小さな野鳥が近寄る
遠くに見えるクレーンの先では
西の空がすでに晴れ
やがてその平和がここにも及ぶことを示唆している
ここは淀むことなき天空の底いである
僕は台地の上に立ち
壮麗な大空を
人間の交わす信号など波にも凪にもならぬこの大空を
遠望している
今日はものごとが見えるがままに歪まず見える
あの人との間に通わなかった恩義のことや
真実に思い及ばず軽率に暴力に走ったことを
屈託すらなく思い出す
金槌の音は空に止まない
三人の子どもたちの姿は坂の下に消え
あの野鳥の姿ももう見えない
西の空が澄み渡り迫る
来よ
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 762.5
お気に入り数: 1
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ポイント数 : 16
作成日時 2022-12-15
コメント日時 2022-12-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 16 | 16 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 2 | 2 |
総合 | 16 | 16 |
閲覧指数:762.5
2024/11/21 23時22分01秒現在
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おはようございます。コメントありがとうございます。 拙作、もとは短歌を作ろうとして失敗して詩になったものです。或る日の昼に、私は短歌的な、和歌的なメモをとりながら散歩していました。そのメモがもとになっています。「こよ」「そこい」といった言葉はその名残です。とはいえ詩と成すにあたり怠慢であったわけではありません。がんばりました。 私は本州、中国地方に生まれ育ち、現在は神奈川県にいるので、西方の天気が東方に先立って変わり、徐々にこちらへ、つまり東へ到来することが、自然です。
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