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自由律俳句 2022
机の上に靴下ふたつ さびしみ、花を見たら泣いちゃうよ 座する、山となる 必死で普通を演じる今日が来た 古い日記をていねい読む 書き捨てて雑草 妻あたらしい麦藁帽子に誇らしげ 緑濃くて影の中に居る 草の匂いする風受ける ことん、としずかに腑に落ちた きょうも酒断って永い夜 朝風呂しようと下着をさがす 存在しているか、と鏡をのぞく 今日もおにぎりがでかいなぁ 別段好んでいない夏空 今が戦前と思いつつパンをいただく やさしくなりたく座禅する 曇天それがこころだったよ 雑草の執着におどろかされる きょうは小雨のなかをふたり歩きます 小窓より雨を確認した 何を求めていたのでしょうかさるすべり 雨がふきこんで本を濡らした 五感の狂いを正す風 静けさに身をゆだねる 朝に小鳥のさえずり添えられて さみしさ凍らせて風が吹いたよ 安心して読める本が欲しい 透明な朝の空気に沈みこむ ドラムの音がでかい こんなところにドライヤーがある 本を三冊借りてにこにこ 部屋がもさもさしてきて苛つく 弱っています白い山 雨に濡れつつ飛ぶ鳥がわたくし きみに救われて今日もご飯をいただきます 寒い時間が通る 笑ったあとにさびしさ満ちる 妻は歌い夜は更けゆく 星空か天国か知れないまま生きる 冬の朝わたしは刀だ 糖分の奴隷でコーヒー牛乳飲む 確認したくて不安なのです 木枯らし 太陽に感謝することのベランダ 山又山のしずかな川 やっと目覚めてパンに味噌汁 妻の書く文字に力がもどってきた 日向ぼっこする自分を小さくする 風の印象知りたくてベランダに出た 妻が動けば朝が動く お年玉用意してしずか座っている 急いで仕方ない日向歩いてゆく お元日からとなりのこども泣いている 考えつつ歩いて丘の上 一年にいちど祖父との電話うれしくて まずはコーヒーと立ち上がる ともかく卓の上を整えてはじまり ベランダに出てここが私の居場所 冬陽明るくあこがれていた どこへいこうか空っぽのじぶん さみしがりの妻といて透明な朝 コーヒーを飲む私の優しさも力を失う けさも青すぎる空の飽きることなく 瓶とペットボトル捨てに道を渡る 忘れようとベランダ、雲の運行をみる つかれた軍手たくさんある 溜め息のなかに座するのみ 昼ふる雪じっと眺めてこわいとおもう 僕らはきっとアパートのみている夢 今日も働いて帰って妻とふたりぼっち 細胞よろこぶ美味しいご飯 しろすぎる雲だ、勇気湧くではないか 今日という名の旅をはじめる 白い雲ひとつなくさびしい朝だ 山又山の川はきらめいて 錆びた看板を叩く 空の弁当箱が積まれてふたつ 不安自体となって原付で帰路 幸せになっていけるでしょうかサンタマリア お茶飲んで胃を洗おうとする 買い急ぐのり弁がまだありました 咳する、弱った喉を考える チョコレートの空箱かよ 水を飲んでは蘇る 梅の花が咲きよろこんで南無観世音 垣根の花の盛りを通る 鴉鳴いてだれもいない けさもはやく出ようか炬燵のなかで考える 今宵も足の指たちにありがとう パンという不思議なものを食べている 冬も麦茶いただいてゆたりゆたり 奥歯を破壊してしまった 炬燵のなかに妻のちいさな靴下 起きたらいつもの天井でした 破れた服をまるめて捨てた 念仏のようにくりかえす暮らし 妻に布団をとられてしまった 通勤も小さな旅で 妻が泣きはじめて時間が止まる 大丈夫、食パンはある 信じることからはじまるが信じられない 温水をながす 皿 皿 皿 こころの船はゆく春に向かって 布団のなかで化石となっている 青い山赤い山白い山 春の風に動くすすきたち 酒断ちつづく、言葉に向かう 路上 玉葱が落ちていた ひとの脆さの妻を守る どうして物書くと慰める山よ 書く毎に生まれ変わろう春の川 となりの道を神父が通ります 芽吹く木々にあこがれて黙す 雨のいきおいの中にある溜め息 雪解川 沿いに花咲き陽が昇り 春の雲とてもしずかな私たち 世界から守られたくて炬燵に入る 曇天の、陽の、恋しい ほんとの祈りは透明ではなく熱いのか 重い春風に傘が吹かれて 和やかにしてどこか苦のある春の宵 山又山の雲は流れて 春に感じる歩くことの精神史 風のふるさとに行きたいひとり 戦争が起こると読んで、ていねい茶飲む ガスの値上げを愚痴る 山又山の背骨をすっと伸ばしてみる 水を見習いこころ透明にしてゆく 使えるものは使いきるボールペン きみはまっしろな歯を見せて笑う 全身筋肉痛の身を温める 帰宅してぼうっと夜とつながる 荒れた手をじっと眺める 嘘偽りなく食パン買い忘れたよ、妻よ 財布を整理する、財布は私だ けさは悩み少なくひょいひょい動く 風が吹いては散る想い けさ少しふって今しずかな朝です 明日の朝もおでんであることの喜びよ 今日も無となりおやすみなさい スリッパやっと見つかった 罪と神とぜんぶじぶんで持ってゆく 気づいたら変わっているこころ面白い ふられた雨を蹴って歩く 檸檬柄のカーテンは妻が選んだ 風はひえびえお日様にこにこ 成長したいと願う葉桜 料理の音がして安心する 眼に青 荒れたへやを片付けようと筆を置く 寝起きぐるぐる首を回すこと 炎天に汗して土掘る 夏草の勢いにじぶんを見つけた 終わった夢をまだ見ようとする 雲はみな流れきって南無阿弥陀仏 桃に葡萄 接待いただいてにこにこ 今宵の夢をたのしみに起きている てのひらに銀河鉄道ほたる狩り 戸を出れば秋のいろ 妻となかよし葡萄を食べた 秋の光を田畑は発する 涼風ひらけた所にコンビニ 花鳥諷詠南無阿弥陀仏紅茶花伝 文学よりも仏教大事南無阿弥陀仏 秋立つ弥勒座ったまま この体天に返しにゆくいつか なんで物書く 陽がそうさせる なだらかな道でもこころぼそい さびしい道をしっかり歩く 悪や罪をあらいながす雨か 人生はおまつりの今は小休憩 あめあがり洗われた町を眺める ソフトなめまいに太陽の大きさ 秋風 この道を渡ってゆける 陽に雲に草、しずくさえ愛する 水筒にひやした桑茶を流しこむ 弦をはりかえないとギターもこころも 食べてねむるだけにして「かるみ」よ 背中は海を求めている 脳病をおして書く毎朝 原付を飛ばすやっと涼しさの中よ 皆俳句猫の死がいも漏れることなく 増えてきてしらが 言い淀む秋の朝にしずく 明るめば不安の空よとうがらし
自由律俳句 2022 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1109.6
お気に入り数: 0
投票数 : 7
ポイント数 : 27
作成日時 2022-12-01
コメント日時 2022-12-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 27 | 27 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 4 | 4 |
総合 | 27 | 27 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- 海山のあひだ (鷹枕可)
何を求めていたのでしょうかさるすべり これが一番好き。
1こんにちは。 山頭火に関しては今は、色々複雑な感情を抱いています。 一応、山頭火のベスト版として「草木塔」があり これが入門にもなるのは変わらないと思いますが 全句集を読んでいると、捨てられた句を無目的に読んでいる方が なかなか面白く、なぜこんなことを書いてるんだろう?この人? と、その山頭火こそ追求してみたくなる。 「草木塔」は、なんといいますかその句の味に お団子とかおせんべいのキャッチコピーを思わせる句が多く 愛称性があるのですが、その山頭火の部分はこの私の品では 少なくしよう、避けるよう努めてみました。 愛称性こそも山頭火に於いては倫理の働きだったでしょうから。 2023年からは、室町さまの仰ったことも意識して 書いていきたいですね。 それにしても、山頭火は最後まで「悟れ」なかったんでしょうか。 ちょっとまた読んで探ってみたいです。
0緑濃くて影の中に居る 草の匂いする風受ける 以上のセンテンスによって幼い頃の記憶を引きずり出された。個人的に懐かしさを感じたので一票。
1コメントありがとうございます。 以前はアパートに住んでおり、今一軒家に住んでいるのですが アパートの近くにコンビニがあり、煙草を買いに、夕飯を買いにと よく利用していたのですが ある日、コンビニに行って「気づいた」のが 「欲しいものが何も無い」ということでした。 最近ちょっとネットニュースになったことで コンビニ客の四割はトイレを借りに行っているだけで コンビニでは物が高いから買わないそうです。 私が自身をニコチン依存症者を自覚して、依存症について理解、を深めると 考えたのがコンビニのたいていの品で依存性の高いものが 売られているという現実でした。 そういうことを知る、考えた過程で書いたのが >何を求めていたのでしょうかさるすべり で 自分でもこの句は好んでいます。まあ、すべての句を好んでいますが 特に。 ありがとうございました。
0コメント&票、ありがたいことです。 >緑濃くて影の中に居る >草の匂いする風受ける この句二つは同じ場所、当時いたアパート近くのN公園の 芝生の上で作ってますね。 緑とか芝生とか、ある程度の年齢をいかないと興味が いかないのではないかと思います。 又は幼い頃のその、記憶。 私は今山の威厳さに日々感動していますね。 近頃はよく山梨県の甲府まで行くのですが 途中、縦貫道のトンネルとトンネルの間に顔をみせる、 山の威厳さったらないです。素晴らしいです。 ありがとうございました。
0自由律的な俳句が並び、季語が有ったりなかったり、仏教的だったり、自由な発想に基づく、現代詩に近付こうとする試みだと思いました。
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