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私意
名を忘れ 得ていたことに行き着き 引き返さんと 我を縁に与れと思っていた 名を忘れ 見渡すことに全景は 子に手を振らんとする 我欲たる母性であった 行くとても声帯に 痰が絡んで別人の譫言を躾する 「誰でしたか」 行くとても腱鞘炎に 鍵は滑って隣人の味噌汁を嗅がせる 「本当は私です」 そう 机上に 事務的に在る為の印鑑がある そこへ戻れば 得ていたことに行き着き 何ら繰り返し書き残す必要のない名が 構成のない白紙を一枚 こんにちに日付をも要求するだろう 何号室という分け目もない 空間という日常を 彷徨きたくて笑う 縁に与れと思っていた
私意 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1066.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-11-29
コメント日時 2017-12-16
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
先様: こんばんはよろしくお願い致します 声に出して詠ませていただきながら自分の声が自然と低音になっていることに驚きました これは生活の一部始終を淡々と詠み語られた詩なのでしょうか これは文中の人物が一家の奥様なのではなかろうかとも思いながら 風景を思いめぐらせながら一家の中にあって他者と他者との繋がり 思い様が描きだされているかのようで それが淡々と物語されていて そして冷徹でゾクゾクするような感覚を覚えました。
0投稿有難う御座います。投稿者名の記入漏れでしょうか。もし、そうであれば、こちらのコメント欄にて示していただければ運営の方で修正します。
0行くとても腱鞘炎に 鍵は滑って隣人の味噌汁を嗅がせる 「本当は私です」 これら3行が印象的でしたが、他にも縁に与れ、線に与れなど気に成る表現はありました。事務的にある印鑑は小さいのですが存在感があると思いました。
0文語調にみられる硬質な言葉使いですが、それが却って「」の受け答えを現存として効かせている。 おそらく机上に置かれた一枚の紙片。そこに示された断腸の思いが語られているのではないかと思われました。誰も眼にすることのない遺言書のように、一枚の紙に綴られた黙示録。余白だらけですが作者の思いは伝わってきます。上手いですね。
0二段構えの夜明けに 湧き出る一抹のあぶく 未来永劫遠景を用い ゆびさきを噛み 色を滴らせ すべては場所という奥行に 縫い代は果てなく 其処にぬいつけられて 颶風となる
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