コインランドリーの冷たい椅子に
花束を抱いて腰掛ける
小さく回る地球を止めずに
恐ろしい速さで巡る、春と夏と秋と
後に続くよく知らない季節
布団カバーは靭やかなりにも
すぐ隣の回らない世界が心配らしい
シャツの襟の汚れを目で追った
忘れられたコインがコリコリと音をたて
まだ若い性癖が暴れ始める
半分液体で半分雄の戯言が
三十分と経たずに読み終わった
衛星みたいな片割れを遠い宇宙に置いてきた
終盤では砂しかない国でオレンジの皮を剥く
とんでもない罪だと罵られた
顔を上げると故障中の煙草の自販機
そこに本物そっくりの夜が覆い被さる
本物だぞ、と教えてあげたから
お返しに昇天させてくれてもいい
慈愛に満ちたその指ならば
歩道に置かれた鉢植えに浮かぶ植物の燃えかすが
今にも夜逃げの機会を伺っている
思い出せる限りの迷惑は
足跡を隠すために敷き詰められた
飛べなくなった鳥に代わって
雑踏の意味を噛み締めながら歩く
ぶれないように慎重に
明日もし髭を剃らなければ
誰かになってしまう程度の強度で
ある時は逆さまに、またある時は真横にされるが如く
それでも子供らは奇声を上げ
向かいの老紳士のこめかみの下
奇怪な形の染みを見つけては歓喜の声を上げる
それ以外は概ね宇宙の一部で
同時に長距離の始まりでもある
欠けている美しさなら尚更目に焼き付けなくては、と
日陰の花の欲しかったものが
今ではもう想像すら叶わずに
ランドリーの回転が音もなく
あ、止まった
作品データ
コメント数 : 29
P V 数 : 1519.6
お気に入り数: 0
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-20
コメント日時 2024-09-27
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1519.6
2024/11/23 17時25分18秒現在
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一読では掴めなかった。上手くて、その表現力には感心させられますね。 性癖とは性格的に言えば嗜好的な偏りもしくは習慣。これをいい意味でも生活が始まる日常の動作や競技前のルーティンと置いている方は多いですね。一連の~花束を抱いて腰掛ける。そんな世界が始まる序章のようなものでしょうね。何故花束なのかと云えば、そう、決まり事のように眠りから眼を覚ますというのは、ある意味祝福なのです。 二連目は妖しくそして隠微ですね。言葉や肉体としての存在が他者を通じて交わるように喩化されて置かれている。これは想像するという世界観。言葉を読み切り開くという想像の世界と実在という他者との現実の交わり。これは真実どちらを取ればいいのだろうか、というような疑念が妄想としても浮かび上がる様に。 そしてこれらの妄想が現実的な心配事として表現されていく三連。記憶から得られるものは習慣の積み重ね。わたしは明日また新たな記憶を脳裏に刻まなければならない。という予想がときには不安としてわたしの行動を制約させてしまう。失念とは越えられない記憶の習慣でもあるのだ。 最後の連はこれら描き込まれたものの集約のようなものでしょうね。 創世という大きな宇宙感から地に咲く花という身近な世界観。わたしの日常はいつもこのようにして想像から始まり妄想で終えてしまう。またその逆も有りき。そして、コインランドリーの回転が音もなく、あ、止まった。 また、あ!だ。まさか語り手は女子高生ではないでしょう。笑。 性癖という積み重ねできた記憶のブレが習慣として生じさせる現象。それに対して花という植物の一生は環境に左右されながらもブレないで終わる。その対比感。 コインランドリーという日常の限られた空間でもの耽るという妄想からまた現実へ引き戻される瞬間の吐息。お見事としか言いようはないです。
1書いては「うーんなんか言いたいことと違うな」となって消して、また書いて、を繰り返して成立した作品だと思った。それと、まえまえから思っていたが、妻咲さんの文章は視覚思考者の気配があるな。なにしろスウィーツを作ってる人だから、視覚センスは大事ですね。一般的な「読み」とはちょっと外れたところに重きをおいているのではないか。シュール系の人、他人の気持ちを理解できない脳筋な人が多い印象ですけど、妻咲さんはぜんぜん違う。だから頭一つ抜けてる。
1おい、クソ野郎。なんだ?おまえ、ちょこちょこ出てきて何かしら言いたげに、それは上にコメントしている俺に対しての嫌味だな。おまえ誰だ。おまるか詰まるか知らないが。正体明かしてみろ。もうキレそうになるほど嫌味な奴だな。正体明かせ、この姑息な卑怯者めが。
0おまえのような蜂蜜は自分の周りでコソコソ書いてろよ。消えろ!詩の世界から。実力ないくせに能書きばっかし垂れやがって、迷惑千万だ。ったく、いい加減にしろよ。クソ野郎が。元の名前なんだ。許さねからな。
0コインランドリーの待ち時間。冷たい椅子に花束を抱いて腰掛ける。冒頭と閉めにだけ現れるこの花束とは、ことばの花束、読みてに向け捧げるためものと読んだ。 さてtitleにもあるように性癖の花とある。ざっと読んでみて露骨ではないが性的にも取れる言葉がポイントとして置かれているので、大まかな意味をコインランドリーと解くか性癖の花と解くか、その2通りのようだ。 わたしは最初ざっと読んで性癖のほうに寄ったのが、お二人のコメント見ていて、たしかにコインランドリーから見た景色から思考を滑らせた性癖という皮を使って書かれたものであると思いましたね。 妻咲さんの詩はいつもだいぶ攻めてズレた方向でことばを留めているので、読解としてあるいは感想として言葉にするのがすごく難しいなと思って、たいていは口にできないままでいましたが。 これは比較的(自分の中では)わかりやすく。それ以上にコメントを書かれていたお二人の見解のおかげでこうしてコメントできるまで、言葉として思考が整理できたかなと思います、それぞれのコメントを尊重して、というか気づきを得て、新たに言葉としてみえた感じです。 兎に角、妻咲さんのものはまず理解や読解ではなく言葉としてまず圧倒的におもしろくありますから、わたしはその部分をいつも楽しませていただいております。性癖の花、ごちそうさまでした!
1おい、運営、おまるのクソ野郎のコメントは俺が誠心誠意付けたコメントに対して明らかにケチを付ける目的で上げた訳も何もない嫌味を目的にしたコメントじゃないか。怒る俺の気持ちもわかるだろう?こいつのコメント消せよ。ならば俺の下に返した罵倒を消してくれ。こういう奴は害虫じゃないのか?ネットとはいえ何の利益があるんだ。作者に失礼だ。消すならおまるのコメントから下を消せよ。ったく読めない妬ましい奴に限ってよけいな口をだす。そんなサイトにしたくないだろ?こんないい作品に揉め事起こしたら作者に失礼だ。
0すまないがメルモsアラガイsさん、 「消えろ!詩の世界から」って‥‥狂犬のように吠えるネット詩のオバサンでも口にしないセリフなんだけど、、 まるで「こっちに火をつけてあっちの火を鎮める」みたいな 笑 ボクの知っている【彼ら】は、よく二手に分かれて相手を叩くという手法を使うんですが、、 さて、 「コインランドリーの冷たい椅子に」 「花束を抱いて腰掛ける」 ~始まるこの詩は、 まさに洗濯機のなかで回る衣服のように 現実と非現実がほど良く曖昧に掻き雑ぜられていて、 そのどちらがどちらなのか分からなくなるような書き方をしている 読んでいるうちにやや暗い感じにもなるのだけれども、 「半分液体で半分雄の戯言」や 「本物そっくりの夜」、 「飛べなくなった鳥」などの意味不明な面白さが相まって カオスが狂い咲くみたいな不思議なムードを醸す、、 そしてラストは、 「ランドリーの回転が音もなく」 「あ、止まった」で終わるのだけど、 基本的にはヒッチコックの「鳥」と同じ展開だと思いました、、
1こいつの最後のほうの文句。~シュール系で他人の気持ちを理解できない脳筋の人~誰それとは指定はできないものだからそれとなく匂わしている。これはここの投稿者に対してかコメント付けた者に対してか?どちらにしてもよけいな一言ですよね。名指しさえしなければ何を書いても許されると思ってる卑怯者で、こういう輩はホントアタマにくる。前にも俺の投稿に散々クソ文を書き散らして、怒らせてあれは排除されてしまった。相手にしたくはないが嫌味垂らして出てくる。こいつ誰なんだろうね。元名調べてやろうかと思ってる。
0おまるたろうさんについては、 少し前にある人が運営にホイッスルブローイングをしていました つまり、どちらかといえばアンチ●●派だと思われます ボクは、おまるたろうさんは有識者だと思っています 「名指しさえしなければ何を書いても許される」は、微妙なところですが、 メルモsアラガイsは既に「名指し」してワンワンしちゃったので明確にアウトです、、 おまるたろうさんの正体についてはボクにも判りませんが、 もしかして某調査室の人だったらどう思いますか? ネット詩の検閲はまだ行われていませんが、 大まかな輪郭を調べるくらいはもう始まっているかも知れません
0「メルモsアラガイsは既に」←あ、【さん】が抜けちゃっています! どうかおゆるしを、、
0わたしから見ればさ、まだヒヨッコのくせに、浅間山ひとつあたまが抜けている。なあんて身の程知らずにもよく言えるなって思うわけ。有識者でもそれほど年期の入った書き手じゃないでしょ。格好だけ偉く見せたいってのが見え見えだから、れでマウント取って粋がってるのね。出てこないところで悪口言っても仕方ないけどさ。出てこないところ見ると前のコメントはその節もあるのでしょう。まあいいさ。takoyo1~2も消えてるし、あなたも消える?の。ここは最初覗いたときにけっこういい作品が投稿されてるな、とか思ってコメントしてきた訳だけど、だんだん限られてきちゃったから、僕もそのうち挙がらなくなるでしょう。コミュニケには交わらない人物。邪魔だと思われてる気配も感じるので、
0オバサンもだけど、オジサンも消えないと、、 (´▽`*)
0有識者?あんな乱暴な書き方はしないです。わかったような実は全然わかってない書き手、ただの迷惑な阿呆野郎です。元名知ったらああ、やっぱこいつだったか!になるよ。あやつせっかく無視してんのに俺の廻りをうろつくなよ。と言いたい。これじゃコメント返し辛いだろうね。作者様にはお詫びを申し上げておきます。
0投稿はしたものの全然反応ないからやっちまったか、と思ってたらいきなりこれかいな。まあよろしい、好きに遊んでください。妻咲んちが炎上するなんてなかなか滅多にないことだし、他の人ならともかく私のコメント欄だからね、どぞご自由に。ただしあんましヒートアップしないで。トップページの話題の作品てとこに載っちゃうぞ。密かにそれ期待してたりして。
2ちょと今イベント中で忙しいから、終わったらちゃんとコメントします。ちゃんとふざけた返事しますんで、お待ちください。これからシュークリーム作んなきゃいけないんで。
2面白く読みました。季節の流れとコインランドリーが並走して存在を現すことに成功している。私のことかとかすぐ勘違いしてしまう読み方をしやすい女なのですが、そんなふうに感じさせる普遍性があります。ちょっと読解が難しいです。
1アラガイさんの人情味あふれるコメントは、ヘソの匂いのような、どこか安心する匂いがして私は好きです。いかにも人が書いたとわかるその文章には常に本人の心模様が投影されていて、アラガイさんの曲がったことのできない性分がそっくりそのまま表れているようです。読むたびに胸が熱くなるような、生気に満ちた、人の心を動かす声なのです。 アラガイさんは私なんかとは経験値が違うし、引き出しも豊富だし、愛嬌もたっぷりで非常に魅力あるキャラだと思います。還暦オナニーでデルモノほとんど出ない、あんな面白い話してくれる人は自分の周りにはなかなかいません。 職場を見ていてもそうですが、醜いイス取りゲームで惜しい人ばかり失いたがるのですね。takoyoさんにしても。 この作品は一行一行のクオリティが高く、匠の技としか言いようがないです。いつも通り手が込んでいて非常に面白いんですが、ちょっと自分のなかでイメージがまとまらなかったです
1こんにちは。 初っ端から、事象たちの速度の緩急に翻弄されました。その闊達に流れていくリズム(変拍子のような、またそれとは違うなにかのような)が癖になります。 つながる言葉たちも「こういう味もあるんですね。」と呟いてしまうほどに、感嘆してしまいました。 何度読み返しても新しい「やられた」がくる感じ。 個人的に好きな詩です。 作品、ありがとうございました。
1無理をして自分を壊してきた。出ていく者に追いやられる者、移民たち。そこには哀しい運命もあれば、栄える未来もある。 仲間や友人を多く持つ者は何をするにも機の智になってくれる。逆に人に裏切られ他人を避けてきた者には孤立しか待っていない。それでも人にはそれぞれの道があり、べつに孤立したらからといっても悲観することはないのです。自分に嘘は言えても言葉には嘘が吐けない。詩人。 あなたはおやさしい人だ。わたしは要領がわるいので損ばかりしてきました。泣かされてもきたし泣かしてもきた。はじめから馬鹿なことだとわかってはいても見過ごしてきた。こんなことをしてきたら自分に腹が立つばかりで他人にも癇癪を起こしてしまう。詩は繊細なので書き手は気をつけなければならないと心底思う。少なくとも相手を揶揄するにも愛は必要なのです。 ぺえ太さんは詩人ですね。ここぞ!と思うときには素敵に改名してください。見かけは大事ですよ。 悪魔のように繊細に、そして天使のように大胆に、さようならまたいつか。 がんばってください。
0そうです、よくわかりましたね。私は実は女子高生で来年東大を受験します。砂を噛むよな味気ない私の詩を読んでいただきありがとうございます。白状すると、わりと読まれてしまっているなと、いやお恥ずかしい。もうアラガイ様のコメント自体が何らかの作品みたいな、批評文みたいなクオリティがあると思いました。 第二連はですね、ここをどう捉えるか、ネックというか、このような形にしたのが吉と出るか凶と出るか、のような気がしてます。自分で書いといて何ですが。 まあでも荒ぶらないでいきましょう。どのような読み方も内包出来るようにと思って書いたのですから。いつも感謝をしております。
0ありがとうございます。 書いては「うーんなんか言いたいことと違うな」となって消して、また書いて、を繰り返して成立した作品だと思った。 ↑ こういう部分はわりと残したいというか、上手い具合に残せるとかっこいいんだろうな、と思うのですが、なかなか難しい。 視覚思考は確かにそうかもしれないです。暗喩だらけとはよく言われますが、視覚的な現象だけを書いた方がより多くの心情を伝えられるような気がして。
0ありがとうございます。ズレテるのは確かにその通りで、所謂詩人の書き方がよくわからないといいますか、自分のだけ随分テイストが違うなと感じることは多いですね。良くも悪くも。 あまり難しいこと考えるのが苦手で、わからないことはまんま「わからない」と言っちゃう、みたいなとこはありますし、途中で放り投げるというか説明したくないとこは敢えて説明しなかったりとか。自分でも理解出来ない謎なとこが残ってないと嫌なんですよね。全くワガママです。
1ありがとうございます。サイドストーリーのサイドの方を先に見せてしまう、みたいな書き方は確かに意図してやってます。そんで肝心の本筋は見せないみたいな。だからどちらがどちらか、みたいになる、というかそうなるようにしてます。前提がそもそも隠されてるから一から十まで疑れるように、読めてもいいし読めなくても全然いい、みたいな、ただしこれをやるには絵的なイメージがどうしても必要だなと。答えは絶対に詩の外側に置きたい派なので私は、それだけはどうしても譲れない、そんな書き方なんです。 「鳥」いい時代の映画ですね。今だったら絶対こんなイカシた邦題付けないだろうな。
0この程度の読みの振り幅って全然想定内なんですよね。むしろもっと右往左往してもいいというか、そうでないと仕掛けた意味がないというか、みんな他の詩人さんたちはどうなんだろ? そんなにポイント絞って書いてるものなのか。
0ありがとうございます。成功してるかどうかは怪しいところですが、空想癖があるのは確かだと思います。結局中途半端にやることがなかったりするとモヤモヤしてきちゃう、それだけのことなんですね。死にたくはならないけどこのまま生きていっても良いのか疑問が湧き出て来る、その少し手前の感覚です。難しい。
1愛情溢れるコメントありがとうございます。クオリティはちょっとどうなんでしょう。読むたびにあっちこっち気になって直したくなっちゃう。未完成な状態です。かと言って完成などきっと永遠に来ないのでしょうが。そもそも何でこんな詩書いちゃったんだろう?って今更ながら思ってます。
1好きと言っていただきありがとうございます。あんまり深く考えないで書いたんですよねこれ。考えないというか、考えないように慎重に念を押しながらという感じで、なるべく地球上の何処でもない状況にしたくって、何も始まらない、始まりそうもない場面に強い力で物語が押し込まれる、みたいな、この宙ぶらりんな感じは書いてて気持ち良かった。苦味もほどよくて。こういう誰のためにもならないようなものが書きたかった、いやこれからも書いていこうと思ったのですよ。
1たぶん、内容について解ってはいないのですが、なんだか速度や角度の静かな変化のある中で、独特な輪郭とか質感とか濃淡の微妙な統一感、しかも温度がわりと一定みたいなバランス感覚がすげー!と思いました。
1ありがとうございます。とにかく、どう表現したいか、の一点のみで、何を?は二の次というか、綱渡りを楽しむ感覚で、言いたいことも特にないし、迷うことに迷いがない、そんな感じですね。なので読み取れないのはほぼ正解に近いです。
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