地平線の向こうから、黄色い電車はやって来た
楽しそうに左右に揺れながら
騒動なんて知らないとでも言いたげに
やって来た、ライラックの花咲く町に
電車はホームに滑り込んだ
彼女はそれでも動かなかった
地平線の彼方に消えた影を見つめ
その先にはおそらく安らぎなどは無く
あるのは乾いた砂埃
そして空は変わらずに青いのだろうと
ライラックの花咲く空は
眩しいくらいに、青いのだろうと
影はどこまで行っただろう
痴漢と叫ばれ逃げた男は
今でも走っているのだろうか
真っ直ぐ伸びた線路の上を
電車はホームをゆっくり離れた
地平線まで続く線路を、楽しそうに揺れながら
そして彼女の姿も消えた
ライラックの花咲く町へと
黄色い電車は知っていた
この世には決して辿り着けない場所があり
そこでは様々な色の争いが
静かな終わりを待ち焦がれていることを
やがて誰もがいなくなった
駅員も野次馬でさえも
楽しそうに揺れる世界でありながら
ライラックは地平線を知らず
地平線もまたその花を知ることはない
痴漢と叫ばれ男は逃げた
ホームを降りて線路を走った
まっすぐひたすら走って行った
駅員や警備員たち
こぞって後を追いかけたけど
逃げ足速く諦めた
痴漢と叫んで女は振り向いた
掴んだ手首は振り払われた
本当にやったかわからない
わざとかどうかも定かでない
まっすぐに続く線路と遠ざかる影
女はひたすら目で追った
その先の空は青かった
話しかけられ頷くけれど
女はそれから喋らなかった
唇噛んでうわの空
その場を一歩も動かなかった
男はどこまで行っただろう
やがて姿も見えなくなって
女はひとり取り残された
男が消えた線路の先を
じっと真っ直ぐ見据えたままで
やがて地平線から黄色い電車がやって来た
騒動も何も知らないとでも言いたげに
楽しそうに揺れながら
やって来た
黄色い電車はホームに止まった
女はそれでも動かなかった
地平線を見つめたままで
その先にはおそらく安らぎなどは無く
あるのは乾いた砂埃
そして空は変わらずに青いのだろうと
眩しいくらいに
青いのだろうと
男はどうしているだろう
今でも走っているのだろうか
黄色い電車はホームを離れた
とうとう女の姿も消えて
地平線まで続く線路の上
楽しそうに揺れながらも
黄色い電車は知っていた
この世には辿り着けない場所があること
そしてその向こう側では
真っ赤な争いが
静かな終わりを待ち焦がれている
ライラックの花は地平線を知らず
地平線もまたライラックを知らない
作品データ
コメント数 : 13
P V 数 : 849.3
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-13
コメント日時 2024-06-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:849.3
2024/11/23 18時56分27秒現在
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投稿をミスりました。やっちまった。なのでこの作品はノーカウントとします。 単純にコピペミスです。 後半の創作覚え書きメモも一緒にコピーしてしまいました。来月出直します。 なのでこれ作品ではありません。 ビーレビのルール規定によって削除出来ないのでこのままにしますが、こんなことはじめてです。 申し訳ありません。ネタでもありません。 しょうがないからコメント欄あそぼかな。
1どこまでが本編か、わかる人は察して読んでください。 繰り返しますがネタではありません。いつもそういうネタ詩ばかり書いてたのでバチが当たりました。 前も脱字に気付かす投稿してた。申し訳ありません。 大日本帝国万歳。
0言い訳はしません。来月同作品を再び投稿するかどうかしばらく考えます。一回損した。なので今回に限りこのコメント欄暴れます。誰か本部にクレーム入れてください。クレームブリュレください。 厳しい父でした。マシュマロを食べる時はチュッてしてから食べなさい、とか、犬は恥ずかしがるから真後ろから見てはいけない、とか。
0私の作品を楽しみにしてた方には申し訳ありません。後の祭りなので一端この投稿は潰します。中途半端に表示されるのが嫌なので。 ちなみにこの詩は7連目で終わってます。それ以降はただのネタ元、メモ書きです。 アルコール、アルコール、私は電気。
0あ、足つった 死ぬ しぬ
0もう、わざとレッドカードになってアカウント作り直したい気分。誹謗中傷でもするかいな。他人を中傷するのは嫌なので自分にでもするか。 おい妻咲邦香、お前最低やな。頭悪いし顔も悪いし才能ないし、くだらん詩ばっか書きやがって。
0今、私は生きている。 下ネタだけは言わないと決めている。 神様の言った通りでした。 小さい頃はお客様がいて いろんな注文聞かせてくれた
0覚え書きやメモとか、そういう設計図さえも仕込むのはいい方法かもしれない。今回は事故あるいは偶然だったけれども……。 詩作をする上でのそういった手順さえも文章として取り込むことで、詩に一種のメタ構造を持たせるというのも現代詩の良いやり方かもしれない。(※個人の感想です) ……文学極道のダーザインとかは今の僕の意見を攻撃しただろうけれど(小声)
1仕込む時にはきっちり仕込みます。メタはわりと好きな方なので。まあいつかやってみたいと思ってたんですが。 あなたに神の祝福があらんことを。
0コメント欄がドタバタコメディですね。これはこれで面白かったです。 前半部と後半部の一致点だけを繋ぐと犯行予告になってるとかじゃないですよね。そうだったら筋金入りのサイコパスですね妻咲さん。 私は後半の創作覚え書きのほうがしっくりきました。冒頭とラストは断然、後半派です。 私のメモ帳はゴミ屋敷ばりにカオスです。コピペミスで変なの貼っつけちゃった日には精神崩壊必至です。
1ありがとうございます。正直狂ってます。本業がありえないほど忙しくなってきた上に締め切りが山のように迫って来てて詩のことなどまともに考えられなくなってます。詩はスマホのテキストで書く習慣なのでこういったミスが起こるのでしょう。これも人生。生きてきて今最も反省しています。 後半は言ってみればバージョン1、原案、叩き台みたいなものです。妻咲爺さんはこんな感じで書いてるのかあ、と思っていただければそれでいいです。 ここで短歌。 ぶわぶわとくしゃみしそうな猫がいて 一足先にと世界をジャック
0痴漢と叫ばれた男、叫んだ女、野次馬、駅員。黄色い電車は事件現場か。事件現場はホームか。プラットホームの略ですね、駅なので。知っていた黄色い電車。決してたどり着けない場所。やはり事件現場はホームですね、おそらく。たどりつけない場所とは死の不可能性なのかもしれません。
1なので私は死んでからのお楽しみを今のうちにストックしとおくことにします。キャストは何処で休憩してるのか、とか、パレードは何処から出てくるのか、とか、花や虫は本物なのかどうか、とか。食べたいと思った時に一瞬で出てくる食事の仕組みとか知りたい。
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