シンジャウ
シンジャウヨウ
彼女は泣いた
それからすぐに笑った
ふたりでしかできない
あそびがあるの
彼女は言った
彼は彼女がショウキじゃないと思った
彼はお人好しだったから
泣いた彼女を許した
笑った彼女に笑い返した
ふたりでしかできない
あそびをしよう
彼は言った
オトモダチも
そのオトモダチも
みんなみんな深く深く
愛し合ってるって
知ってるの
彼女は言った
彼女にはオトモダチがいなかった
彼は知っていた
彼は知っていて
なにも言わない
昼休みにランチへ向かうオトモダチ
の後ろ姿を見送る彼女の後ろ姿
を思うと彼は
シンジャウ
シンジャウヨウ
彼女は泣いた
そして笑った
オトモダチは
ランチと愚痴はセットにして
サラダに混ぜて食べる
偽書と焚書の断罪の
物語に始まりと終わりがあると信じている
彼は人一倍慈愛に満ちた目で
彼女を見た
ふたりでしかできない
あそびをしよう
彼は言った
シンジャウ
シンジャウヨウ
彼女は泣いて
そして笑って
シンジュウ
オトモダチも
そのオトモダチも
シンジュウしたってわかってた?
彼女は言った
お人好しの彼、すなわち当時を知る証言者である私は、ショウキじゃないと知っていながら、彼女の欲望、つまりふたりでしかできないあそびを実現させてやるために、シンジュウしたのだ。嗚呼、確かにあの時彼と彼女はシンジュウしたのだ。そして、私は、この偽書と焚書と断罪の物語の証言者として、証言台に立ち、シンジャウ シンジャウヨウ 彼女は泣いて、そして笑って、お人好しの彼は彼女を許し、笑い返した。ランチをすませたオトモダチとともに。
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 930.2
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-05-02
コメント日時 2024-05-21
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:930.2
2024/11/23 18時46分00秒現在
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コレはもうタイトルの勝利(=ルビ価値)
1孤独な少女の、悩みに気づいた少年は、誠心誠意を込めて、全ての行いを行っていますね。 この物語は、一回的でもあり、何回も繰り返すようでもあり、でも、この詩が書かれた時点で、 原罪の問題を、解決した物語として、永遠に記録されるでしょう。誰かが考えた物語が、 世に広まり、偽書と焚書と断罪の物語の必然性を、回避して、正しい物語へと人類を導いて 行きます。物語になることで、経験は、普遍的になると言えるでしょう。よき物語が、生まれた ことを、私は祝福します。
1確かに。このタイトルと内容からどのように皮肉って読めばいいのだろうと考える点がすごいと思われて、内容的には、今も昔もお馬鹿なカップル故に結婚までいくのかな?してほしくないな。という感想でした。
1やったー勝ったー笑 ありがとうございます
1不思議で何処か物悲しさのある作品ですね。 この作品について私は オトモダチ=彼女の別人格 2人にしか出来ない遊び=シンジュウ という風に捉えました。 彼と結ばれたいけど自分の中にもう一つの人格がある、それ故にまともな恋が出来ずに死を望むほど苦しんでいるのでは?と考えられます。 来世では2人がちゃんと結ばれることを願っています(´;ω;`)
1人生の不満を色恋で発散しようとすると心中になったりしそうですね。
1なんというか何事も永久ループ的な要素はあると思ってます。書くという行為は書かれた時点で嘘になる。しかし、文字として書かれたという点では事実なんですよね。何が言いたかったのか自分でわからなくなってしまいましたが、祝福してもらえてうれしい。
1いかようにも読めるってのはある意味作者の傲慢かもしれないけど、少しでもこの詩について考えたくなる内容に書けていたのかなと思うと嬉しい。 バカップルのちちくりあいだって詩になるんだって気持ちで書いたわけじゃないけどコメントを読んでそんな気持ちになった笑 ありがとうございました。
0別人格って捉え方いいですね。2人の来世まで願ってもらえて作者もうれしいです。ありがとうございました。
1色恋に凭れてしまうとそうなるかもしれませんね。
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