灰色がちな空を見上げると
ゆっくりと旋回する
鳥のシルエット
その向こうに
わずかな青空が
生まれたばかりの龍のように
浮かんでいた
龍はやがて少しだけ
大きくなり
花弁を閉じて睡蓮たちが眠る
静かな湖の上に
淡くその色を落としていった
この灰色の心にも
あの瞬間
たしかに
とけあっていた
空を泳ぐ龍と
静かな湖と
わたしは
みな同じあの淡いブルーに
一瞬間の邂逅ののち
わたしたちはまた
別々の世界へと戻っていった
けれども
もしあの瞬間を
幸福と呼べるなら
それは
たしかに存在し
束の間静かに
微笑んでいた
わたしは今でも
ときおり
それをポケットから
とりだして
記憶の海に
うかべてみる
透きとおるほど淡い
あの幸福な
ブルーを
作品データ
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作成日時 2022-09-21
コメント日時 2022-09-21
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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2024/11/21 19時45分42秒現在
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