堕天 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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堕天    

消え去ろうとするものを 愛していると叫んで抱き締めた 彼からは死の匂いがして あと一歩でそれに事足りるようだった 生きていたかったし 死にたいと思ったことがない 生きるという私の願望を その背中に見た気がしただけ しかし安易さは常に シンプルに理屈を覆していく ふたり夜空に逆さに落ちていく 年老いた天使の後に続いて 腕の中のそれは私ではない 救われるべき罪を背負い 静寂の中に絶望の叫びを聞く 兎の耳を持った何かだ 男だろうか 女のような気もする 見る度に色を変える 不思議な花のように咲く 「何処へ行くの」とそれは聞いた 天国であって天国でない所 地獄であって地獄でない所 何者も異形として虐げることのない 「私達の家だよ」と私は答える ごうごうと流れ落ちていく時間の滝壺に 助からなかった者たちの骨が 遥かに沈んでいる、その全き白さ それの背中の傷から 血まみれになった一対の翼が現れた時 自分は自分の犯した罪に気付く 生かしてやりたいと もう手遅れだったのに 救ってやれるような気がしたのだ でも駄目だった 諦めたくなかったのは私の愚かさ 暗やみに染まったような 一対の黒い翼をはためかせて 生まれたばかりの天使は 私の名前を呼んだ


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 730.3
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2022-09-18
コメント日時 2022-09-18
#現代詩
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
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音韻00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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構成00
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閲覧指数:730.3
2025/04/11 11時30分45秒現在
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