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煉獄
しとしとと雨が漏る 蒸し暑い夏の午後 匂い立つアスファルト 敷石は色を変え ─塗り変わる─ 頭から冷や水に 浸けられて濡れ鼠 傘さえもいつぞやに 失くしたか 嚏して 袖を絞った 別れを告げるサイレンが すぐ耳元で聞こえます まっさらまでは、まだ遠い? 責める白夜を通り過ぎ 小糠雨から豪雨へと 天は手を変え品を変え ……これでは息もままならぬ 黴のにおいが罪を説く 局所的な驟雨が 猛り狂う季節に 鎖されて幾月か 掛時計は壊れた ブラウン管のテレビ 近所の小火が見える 罰当たりな私を 水で雪ぐ煉獄 * いつかこの部屋に太陽が訪れるとき、それは私が赦されたときなのだろうと思う。つまり脚が完全に萎えたら? なんて残酷な長さだ。 誰か温めてください、ここは七月でもひどく寒いわ。窓を開けると容赦なく顔を打擲する雨垂れは「まあだだよ」の声のように。ああ猫の声!祈るまで見張っているつもりなんだ。嫌らしい。 カレンダーの日付は七月八十三日。いっそバスタブに溺れてしまえば救われるのかも知れないが、二度死んだ人間が行き着くところなど、私には皆目見当もつかないのです。
煉獄 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 667.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2022-09-16
コメント日時 2022-09-16
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文