開いては閉じる どこまでも
ありふれた道が 重なっては
十字路となり 人々は束の間
話しては また いつかの別れ
私は虎を観たことはないのだが
時々、その虎はふらりと遊びに
やって来て、飼い猫とじゃれる
知っとるかと 威勢も良く
虎はにんまり 呵呵大笑だ
吠える吼える 立て板に水
古代ギリシャの
インクは
イカ墨で
セピアの語源
それはもう
大層臭かった
ワシの足が
いやいや
イカ墨がな
昨日の晩飯だ
スパゲティは
アル・ネーロ
ディ・セッピア
という猫の名や
頁と頁がもつれあって奏でる
言葉の色は褪せるのではなく
猫の眼みたいにめまぐるしく
虎じぃの雑記帳はよく吠える
しかし、この虎、酒を出せば
ゲコゲコと蛙になってしまう
そうして 頁へと 蛙飛びこむ
水の音、すいすいと酔う夜風
十字路を吹き抜ける頁 と頁 の間で
混沌と遊んでいる 二冊の雑記帳は
トムとジェリーみたいに泣けてくる
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 1050.1
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 18
作成日時 2022-08-12
コメント日時 2022-08-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 18 | 18 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 18 | 18 |
閲覧指数:1050.1
2024/12/04 02時47分29秒現在
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随筆と詩文の中間ぐらいを設定され書かれたのか、妙なバランスがある。その按配が良きものかどうか、なんとも言えない。習作か。
0軽妙な語り口の随筆のような印象を受けました。楽しい嘘と知識、好きです。
0何とも不思議なテイストの詩なのです。トラの変身譚はメインではないのかもしれませんが、極めて印象的で松尾芭蕉を感じる事が出来ました。
0自らの散文と詩の境界線上を歩く思索です。しかし、これはふたつのことが上手く消化出来なかったので分けて書けば良かった。戯れに書くことは難しい。
1嘘と知識、真実、上手く混ぜ合わせれば羽根にもなるかもしれませんね。まだ低空飛行で高く飛び上がれていないようです。しかし、まぁ、随筆は僕の詩の基底にあるのでなにかしら楽しんで頂けたなら嬉しいところです
1結構、メインテーマに近いですね。虚々実々の駆け引きを自分自身とやり合っています。言葉の闊達な自由さがひとりではなく、過去の誰かとのやり取りから立ち上がってくれたらもっといきいきとかけるのかもしれません。
0ありがとうございます。その辺りのバランスはなかなか難しいですね。こうした書き方は楽なんですが。
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