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宇宙
電車の音を聴いて目を開いたら そこは宇宙だった 視線が揺らめく宇宙だった 濡れた傘を渡すふりをして差し出した手は 咎めるために少しだけ 復讐したいと思ったのかもしれない 触れてささやいた、いつもの香りで 鍵がかかる音がしたから、また 可哀想なものが好きなあなたは きっと私を愛するだろう こんな小さな鳥籠じゃあ 水の中に落ちて死ぬのかもしれない そうしたら、あなたは 葬った、私の小さな身体で寂しさを紛らわしながら きっと涙でも流しているんだろう、ほら この肩に触れたその手は思ったよりもずっと大きくて やっぱり、もうきっと土の中だ、とっくに目をつむって 電車の音を聴いたら、轟音 そこは宇宙だった 息もできないほどの宇宙だった
宇宙 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 916.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-11-08
コメント日時 2017-11-12
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
たんたんと異次元に突入する冒頭。素敵です。 行間を飛ばし気味に、寡黙に、余白を残しながら綴られた詩行。 咎める、復讐、鍵がかかる音、鳥籠・・・小さなマンションの一室に「とらえられた」女性、をイメージしつつ(もちろん、私の勝手な妄想ですが) 〈葬った、私の小さな身体で寂しさを紛らわしながら きっと涙でも流しているんだろう、ほら〉 この予知的な詩行が、語り手の〈私〉が〈あなた〉に用意する復讐、なのではないか・・・ そのことを既に見通しながら〈あなた〉に抱きすくめられている〈私〉の醒めた視線の鋭利さを感じました。都会的な、二人の密室で展開されるドラマ、そこを埋め尽くす、〈息もできないほどの宇宙〉。 鮮烈な作品でした。
0なるほど<小さなマンションの一室に「とらえられた」女性>のイメージ。私が書いた時に思い描いていたイメージとは全然違うのですが、まりもさんのコメントをお読みしてからもう一度読み直すと、なんだかその路線のイメージもぴったりですね。<〈私〉の醒めた視線の鋭利さ>に触れてくださったのはとても嬉しいです。コメントありがとうございました!
0作者からリプライがあることが、嬉しくもあり、怖くもあり、楽しみでもあり・・・ぜんぜん違う、そこは、がっかりすべきか、いや、それほどに多義的に読めるのである❗と喜ぶべきか・・・ご返信、ありがとうございました
0まりもさん 再レスありがとうございます!書き手としては自分が描いていたイメージとは全く違うイメージを持っていただけることはとても嬉しいです。むしろ、同じイメージしか共有できないとしたら私はそれをとても寂しく感じると思います。せっかくの詩なので(これは個人的な詩観なのですが)、そういった余地をできるだけ残しておきたいと常々考えております。そしてそういった自分が想像もしていなかった解釈が実は、自分の奥底にある感情や景色、欲求と深く繋がっていてハっとさせられることがままあるんです。そういった意味では読者さんのコメントというのは時に鏡のように本当の自分を映し出すことがあるので、それこそコメントをいただくというのは「嬉しくもあり、怖くもあり、楽しみでもあ」ることです。 仲程 さん 最終連、最初は冒頭と全く同じ内容だったのですが、どうもしっくりこなくてなかなか纏まらず苦労した部分なんです。とても嬉しく思います。実は「電車かもしれない」ですね。何かしら情景をイメージして頂けたのだとしたら、書いてそして投稿してよかったな...と思います。コメントありがとうございました!
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