朝蜘蛛を殺してはいけないと、
誰から教わった、わけでもないのに、
きっと人間なら、朝から蜘蛛なんて殺さない、
そうだと誰もが知っている
水を飲むのが下手になった、気がする
誰から教わったわけでもないのに、
人はいつでも水を飲む、というのに
咽せて吐き出した水は、意義もなく、
シミになって、乾いて、循環する
巡り巡って、雨になって、海になる、同じこと
循環から外されたのは、私の方、意義もないから
生きることが、下手になっている
夜蜘蛛は殺しても良いと、
誰から教わった、わけでもないのに、
眠る前に人は、人間であることを忘れている
そうでなければ、迷信は後から付いてこない
咽せた水の先にいた、
蜘蛛がもがいている、ように見える
私たちは、何処まで行っても、
循環する、水の一部の中にいるから、
朝と夜とで、命を隔てている、
それもまた、生命の営みになるのかな
作品データ
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作成日時 2022-05-31
コメント日時 2022-06-21
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 21時03分05秒現在
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返詩 からだだけがながれながれ よわくもえてしにいたる うみにもくずたゆたい さけをかわしにびいろ
1巧い。社会から逸脱してしまった個、もしくはすんなりとは適合出来なかった、あるいは自らの意思で適合しなかった人物の心証が蜘蛛と水を軸にして描かれている。だがしかしこの詩には自己憐憫や、自己を特別視する要素はほぼなく、自分が吐き出した水でさえ、循環に包摂されるということをしっかりと描いている。そこがこの詩をいじけた憐憫の詩にしていない技巧だ。その上で外されたのは私の方かと寂しくも零している。微妙なラインですが蜘蛛と水だけをモチーフにして社会と、社会とソリが合わなかった人間の関係がよく描かれていて、秀作だと思いました。
1迷信ともちょっと違う様な。蜘蛛の様な生き物は、おそらく殺すこと自体が祟られるようなそんな雰囲気が有ると思っていました。朝ですか。夜蜘蛛は殺してよいと。新知見と言う訳ではないですが、水と言う循環物が登場すると生物全体が輪廻しているようです。
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