「どうしてそんなこと言うの?」
「もう君の考えていることがわからない。」
それは生憎、こちら側の台詞でして。
アナタ達がワタシのことをウザいと感じるように
私もアナタ達がとてもウザいんです。
あそこの川に魚が泳いでた。
何処に行くのか、何処に向かうのか
あいつらは何も考えずに泳いでいたから
私がその中に飛び込んだとして
紅い川でどう泳ぐの?なんて。
公園のベンチで仰向けになってたら
顔が日焼けして真っ赤になった。
「ねぇ、今日頭が痛いんだ。」
そう言うとアナタも
「自分も頭が痛いの。」
といつも言う。
鏡を見ながら名前を唱え続ける不快さよりも
きっと、それは虚空に呑まれるようで。
馬鹿らしいので言うのをやめた。
ワタシを理解してくれるのは
未来の自分と傷ついた過去の自分だけ。
「今日も風が涼しいな。」
「うん。そうだね。」
ついに、自分の中に友達を創った。
といっても、何か変わるわけでもないんだけどさ。
今度、あそこの公園に行かないかい?
きっと夕陽も綺麗だろうから。
一人でベンチに座って、
となりの友達に語りかけた。
「日焼けするのは嫌だなぁ。」
友達は嗤いながら言っていた。
いつか、ワタシを理解されてしまったら。
君は消えてしまうのかな。
なんだか、悲しい気もするし
でもね、それでも嬉しいんだ。
本当はだって。
君がワタシのことを嫌いだって知ってるから。
君に悲しい、辛い、痛いを
全て、全て押し付けたのは
全部、全部ワタシでしょ?
「うん、知ってるよ。」
と君はいつも笑ってるけどさ。
いつか、君に殺される気がしてたまらないんだ。
私が川に落ちたのなら。
それはきっと。
誰にも分からない事件が起きたとき。
もし、世界が落ち着いたらさ。
二人で虹でも見に行かない?
あの時、ベンチで寝そべって眺めた空に
虹がかかっていたことは
ワタシだけが知っているんだ。
作品データ
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作成日時 2022-05-06
コメント日時 2022-05-07
#現代詩
#縦書き
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2024/12/04 02時29分16秒現在
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未来の自分に今の自分を理解されてしまったら、私は消えて、未来の自分が新しい自分として一人残されてしまうのかなと思いました。そうやって今の私はたくさんの私を亡き者にしてきたのかなと。 2人で虹を見れたらさぞかしきれいだろうと、羨ましく思いました。
1コメントありがとうございます。これはもしも自分の中の過去と未来が可視化したらどうなるかなど色々考えながら導き出した私なりの答えになっています。未来の私は今の私を殺し続け、生き残るのか、いつか最後に手を繋いで虹を見ることが出来るのか。それはきっと己次第なのかなと思います。
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