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存在
扇風機は静かに回っている 五月のような陽気が光る デエビゴ錠の黄色い様子 after the war crime 俺の意識よいったいどこへ 沼に足をふみ入れた象が余分な空気を吸い込む 片方しかないスリッパ 赤い鏡 苦しみには一体いくらの値が付く いやむしろ喜びこそが買われる 日々の悲しみに太陽は答えをくれる 俺はそれを受け入れたいが ニュースはがなる 物音が立ち閃光が走る 図書館を燃やすな 魚を殺すな ほとばしりほどける羊の全ての毛を一本一本歌え 一つも残すな
存在 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1036.3
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 46
作成日時 2022-04-21
コメント日時 2022-04-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 15 | 15 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 10 | 10 |
音韻 | 7 | 7 |
構成 | 10 | 10 |
総合ポイント | 46 | 46 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 15 | 15 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 10 | 10 |
音韻 | 7 | 7 |
構成 | 10 | 10 |
総合 | 46 | 46 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
色々と感想は浮かぶのですが、どうしても軽々しくなってしまうので書けずにいます。 >ほとばしりほどける羊の全ての毛を一本一本歌え >一つも残すな この言葉に救われた気持ちになりました。明日も新聞やニュースから目をそらさず現実をしっかり見ようと思います
つつみさま コメントありがとうございます。戦争の詩ですが、少し語らせてください。 現実がつまらない、と詩人西脇順三郎は言いました。でも、つまらないでは 済ませられない、また、超現実こそ現実を必要とするという事も言えるでしょう。 現実は頑としてありますが、未来はもちろん変えられるものです。 平和の中でこそ諧謔も可能になります。 ロマン主義が戦争において高まるとすれば、それは正に歌として可能になります。 以上のことから見ても、詩(作行為)が戦争に対して無力で無意味では ないと思います。あのわけのわからないような絵を描いていたピカソだって、 反戦の絵を描きました。地獄も極楽も、詩において使われねばなりません。
1クヮン・アイ・ユウさま コメントありがとうございます。クヮンさんにはすべてお見通し、というのか、 間違いのない非常に鋭い読解をいただきました。個人的な体験にもとづくモチーフ である点、緊張感というご指摘、作者の僕までが、なるほどと思ってしまいました。 このように鋭く読んでいただけること、本当にうれしいことです。 また、おっしゃっているように、春もいろいろなことがおこるものです。 そんな、雰囲気を広げるように、読んでいただけて嬉しいです。 これからも、他の作品にもたくさん読解をされていくことを、詩作品に並んで、 楽しみに、読ませていただきます。
1訴え、痛切な願い、それらは届くのでしょうか。特に 「苦しみには一体いくらの値が付く いやむしろ喜びこそが買われる」 こんな所に惹かれました。 太陽が答えをくれると言う箇所は、解釈を要求して居る様にも思えました。
1エイクピアさま コメントありがとうございます。苦しみや喜びを、どのように受け止め、また、 それはどのように代償されるのかということを、考えました。両面で考えた ということもあります。太陽は、すべてを見ているということを、 考えました。仏様などは、太陽や月よりも優れた存在ということのようですが。 重要な所を考えていただき、ありがとうございます。色々な解釈を必要とする ような作品の様ですね。
0赤い鏡。素晴らしい心象風景として受け取らせて頂きました。 そして「僕」ではなく「俺」とう一人称を選択なされた事に拠り、綺麗事ではない葛藤と決意が表出されていらっしゃる。 作者様の意志の迫真性が複雑性をも含み、表現を為された良作であると。感じ入りました次第でございます。 羊毛の一筋さえ残さず、連れられてゆく場所が。例え絶滅収容所への貨物車輛かも知れぬと致しましても。 返歌 闘鶏の博打 存在を罪と看做せる舌乾かばみづからを愛づる皆殺しの心
1鷹枕可さま コメントありがとうございます。赤い鏡が好評で嬉しいです。 日頃は俺と言うこともありませんが、詩では効果的に使えたようです。 羊の毛は、一番頑張って考えたところですが、むしろ自然に湧いてきた物でもあります。 それはつまり、おっしゃるように一つ一つの存在への思いを、託したのです。 返歌、素晴らしいですね。闘鶏というのはみたことがありませんが、同名の タイトルの漫画が好きでした。一行でこれだけ見事に言い表せる鷹枕可さん の歌に、感服しました。
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