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牛頭
牛頭となって人を突き殺している 路傍で 三叉の尖、金魚の尾の 器をはたいて水しぶき 弾、弾と浮いた音の星座の中に 罪人となった私がいる 私は突き殺されているのだ路傍で 私の顔は牛になる 私は私の真っ黒な瞳を じっと見つめて合わせ鏡の 水晶を、波に揺れる水晶を 愛しい思いで見つめては空中に 浮かんだ音符を結び合わせて 時間が停止した灰色の路傍で 空中に浮遊する点と点が 線で結ばれて音、間合いに 流れが生まれ、リズムが生じて ずれあいながら重なり 音楽になる 静寂の中で音楽がはじまる瞬間 私は私を突き殺している 路傍で、私は 私を罰している 痛みを通して存在が変容していく あるいは、私は痛みを食べている 私は私を食べている、牛肉として 柔らかさと静けさの 佇む路傍に 金魚鉢から跳ねた飛沫の 一滴が 落ちた、それで 笑いそうになった
牛頭 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1301.5
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 15
作成日時 2022-03-15
コメント日時 2022-03-17
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 13 | 13 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 15 | 15 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 6.5 | 6.5 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 7.5 | 7.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
オーケストラの演奏みたいに連ごとに音が鳴らされていて、それが最終連、語り手の静けさに還ってゆくようで。久しぶりに&さんの作品楽しめました。
1牛頭と音楽という接続が面白かったです。不気味な情景と美しい言葉が次々に転換されていく様子が読んでいて楽しく感じられました。最後の締めの一言がすごくかっこいいと思います。
1コメントありがとうございます
0コメントありがとうございます。 すべての連に同じ単語が入っているのは、この作品が「ひとつの同じ瞬間」を別視点から繰り返すというミニマルな構造を意図したものだからです。
1コメントありがとうございます
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