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砂金
世界を憎むということが 鳥が翼を広げて空を飛ぶのと 同じくらいに自由だった 暗がりで小さくなっている あなたの目の中にある悲しみが いつか絶望に変わりますように 世界はこんなにも美しいから ひとはひとの目を塞いで 必死で壊さないようにする 何も傷付けずにいられたら 自分を信じていられたら 夜明けの町を見ていられたら 涸れ果てていく井戸には 嘘ばかりつく私が一人いて 切り取られた空から光が差す 世界に何を願おうか お願いそのものが嘘だから きっと誰にも救われないけれど どんなにか素晴らしい歌を 美しい鳥が囀っていたとしても どぶ浚いをしている間には 汚れた手で掴めるものだけが わたしたちが信じてもいい 変わりようのない真実
砂金 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1594.0
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 3
作成日時 2022-03-09
コメント日時 2022-03-21
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1.5 | 1.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
世界をみている作中話者の、内面の独白、その様式のなかでどれだけ固有なものが出せているのか、だと思う。創作が自己治癒へ向かうのか、誰かの共感への訴求なのか。或いは、その創造された詩文だけが屹立として在ってほしいためなのか、そのようなこと。砂金というタイトル、本文との重なりがいいと思う。
0ちょっと外出すれば世界の名画や名著や名曲にすぐ触れ合える環境にあって、 何を以て石ころを砂金だと思うかって結構大事なポイントだと思うんですよね。 世間的には些末で下らない駄作かもしれないが、自分が選ぶのはそれしかないって時が。 そういう個性の出る所に詩の魂を感じます。 私はネットは砂金拾いをしている気分ですね。目が潰れるほどきらきらです。 身の丈に合わないものを夢見ないという、自分への戒めですね。 伝わったでしょうか。有難うございます。
0高尚なメンヘラ そう言った言葉が一読した後脳内に沸いた。 傷のかきむしり方が巧妙である。 しかしその技巧を気持ち悪がる人もいるであろう。 私は嫌いではないが。 書き手が神のような視点から悟ったかのような詩風の好悪は分かれるところであるが、私は何とも言い難い。 おそらく「惜しい」のであろう。そこを指摘できなくて申し訳ないです。
0書いていても、メンヘラに振り切るでもなく、 まともな感覚に夢を見ているような、気持ちの悪さは感じます。 自覚して徹することができれば、作品としてもう少し面白みが出る気がする。 何はともあれコメントもつかなくて悲しかったので、有難うございます。
0なぜ自分が毒虫になる話を書いたのだろう、 と考えることはないというか。 書きたいから書いただけで、そこに意味を付けるのは読み手の方。 そうか、これが憎しみなのか、と思いました。 有難うございます。
1好き。 この詩は、この詩が響く人のためのものだと思う。 ことば自体は目新しいとは思わなかった、 でもどれもバランス良く美しくて ほどよく地面に足がついていて、 それでも背伸びしていて やさしい 死にたいと言いながら生き続ける人のための詩だと思った
0「世界を憎む」か・・・自分ので掴むものしか信じないというのはやはり「現実主義」なのでしょうか?私はいい年して「理想主義」な所があるのでこの詩は心に刺さります。いい詩だと思います。
0タイトルの「砂金」が象徴的でした。詩の中では一言も出てこないのですが、信じてもいい変わりようのない真実を象徴しているようで、「お願いそのものが嘘」でも挫けない胆力をも象徴していると思いました。あるいは胆力を引き出す原因でしょうか。
0二連目までを読んで、私には悲観的すぎて見送ろうかと思った。しかし、三連目から印象がだんだん変わってくる。 うーん、と思ってしまった二連目までを越えて、最後まで読み通せました。そして感じたことは、文体の安定感。平易な言葉遣いによる、その点では自閉のない自己満足性のなさ。目新しいレトリックはないながらも、「そこにある」ことは確かに感じられる抒情。 そのようなことが発見できたのは、とてもよかったです。ただ、すごく強くは私の心に響かなかった。でも、確かに響きはした。他のレッサーの言葉を借りるのは少々ずるいかも知れませんが、うろたんさんの「高尚なメンヘラ」「惜しい」という評価が近しい。なんだろう、文体がここまで開かれたことは私的に素晴らしいと勝手ながら思う。なんだか、もう少しだけ先まで到達して、なんらかの意味合いでもっと救われてほしい。そんな独善を感じました。 メンヘラ的、つまりいささか感触的になりすぎて、主体的な救いから遠ざかるのは正しくはないような気がして、高尚なメンヘラをさらに突破して、より結晶的に心動かす抒情が見てみたい。既にバランスはいいと思うんです。でも、どこかが惜しい。屋上の柵の外に佇む生真面目な生徒を見てしまったかのようだ。教室ではなく屋上でいいから、柵の内側にいて欲しい。柵越しでもいい。そこでたまに俗だけどエモい話でもしようよ。そんな気持ちになりました。あと一線、という微妙なバランスの話をしているわけですね。もちろん途中で独善と書いたように、一読者の一意見に過ぎないのですが。
0逆説的な美が誰かを癒したらいい
0自分自身の「死にたい」という気持ちは、 だいぶ世の中の理解が進んだとはいえ、今も声をあげづらい感情なので、 これに限らず誰かの作品を読むことをきっかけに、 ああ、自分だけのものでもないんだな、と思えたらいいなと考えています。 二連目は書き換えたいです。有難うございます。
0どんなに小さなことでも、現実に今あると思えるものを大事にしたいですね。 もともとは有り得ないぐらいの夢を見るほうです。 有難うございます。
0後から悩みつつ付けることもあるのですが、これはタイトルそのままですね。 真実とはなんだろう、とあれこれ考えるのは楽しいです。 胆力があると感じられるとは思っていなかったので、意外でした。逆に本当にメンタル面が弱いなぁと思いながら書いていました。 有難うございます。
0よく幽霊の詩を書くのですが、 大体の作品が、もう悼む言葉をかけるしかない、お葬式なんですよね。 無意味とは言いませんが、 それで読み手を限定してしまうというのも引っ掛かっている所で、あささんのような方がスルーしていく訳が分かって嬉しかったです。 そうですね、私自身も誰かが飛び降りようとしているところより、思う存分生きているエモい文章を読みたいです。 案外この平易な書き方が嫌われないというのも意外なところでした。 有難うございます。
0幸せな人が世界を美しいと謳っている詩が好きです。 嘘をつかなければきっとそれが人を癒やすこともあるでしょう。 有難うございます。
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