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うぶ く
真夏は夜の夢。 唇の皮を食う。 爪を毟る。 唾液を飲む。 足の親の指を擦りあわす。 本日はヒの下にいすぎたためか 舐られた 皮膚が、黄色く、膿んで 爛れている。 ステロイドで治療せよと医者。 ひどく衰弱している魂 物語を失った 渇き。 牙のない身が うずうずとする。 卵のない胎にmoonlightあてても魔性は弱まることを知らない。 はる る前 桜が愈々衣を脱ぎ捨てる、その前 破廉恥の予兆に誘われて 空箱が うづく いため いため 私は鬼の子 いずれ化生をはらむ身の上である。
うぶ く ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1931.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2022-03-04
コメント日時 2022-03-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
よく、難解さのある現代詩をみかける。その読解はクイズや暗号を解読するに似ていて、知的遊戯としては楽しめる。しかし、ポエジー(これの定義はほぼ出来ないに等しいけれども)を味わってみたいと思う時に、満足を得れない。難解さによっているかポエジーへよっているかの判別の鍵は可読性ではなくて、そこに識別がある程度可能な物語が置いてあるか否かにあると思う。本作、ひっそりとして不穏な象りがされた物語を多くの読者がみつけるだろう。ポエジーか否かは、判らないけれども、ブランクが多様されたフォルムに、その印象を持たれることを期待する。
0なんだか不穏かつちょっといやらしい感じがしますね。文章全体の湿度がかなり高めで、ポップさにつながりかねないmoonlightという横文字でさえ青ざめたようなドロッとしたような雰囲気があるのはすごいと思いました。
0楽子さんというと私にとっては「私の盗まれたバックあ赤かった」で、あれからそれほど長いときが経ったわけでもないし、 何かがものすごく変わったという話ではないのですが、この作品に楽子さんの表現の幅広さを感じた。 真夏は夜の夢っていうのいいですね。真夏の夜の夢じゃないんだ。 そういう、言葉といったら何が何でもよくてイメージだけをフレーズ単位で生み出すという行為。 私も最近そういうのを一つだけ書いて、なんというか、すごいって思ったんです。
0とある私の作品の、楽子さんの言葉を読みました。私の作品から汗を感じ取っていただき感謝しています、 楽子さんの作品からは程よく洒落た粘膜が臭います、エロティックなもの。 同じく分泌液同士ティッシュペーパーで拭き取られましょうね。
0物語を失った渇き、の手前までが淡々と事実がおかれた回廊を歩いているように思える。それらは薄い吐息ぐらいで破れそうな皮膜で覆われて繋がっているように感じる。タイトルのうぶ く、や、はる る前て他の意味が繋がりそうなもののなかで異物なのに癒着していて目眩がしますね。
0ちょっとわかる。ポエジーというものはないと思う。 私、初めて読んで感銘を受けた詩集って、最果タヒさんの、「夜空はいつも圧倒的密度の青色だ」なんですね。 そこではもちろんポエジーもだったんですけど、何より、言葉ってものが与えてくるもっとプリミティブな唸り声、意味より先にくる印象みたいなものがすごいなってなって。だからエミリーディキンソンとか、ワーズワースも、意味知らないけどとりあえず音だけ聴くみたいなそういうことしかしてないんです。 だからこの詩も実質意味がなくて、謎がありそうな顔をして本質はないのかもしれない、 そういうのって空っぽだけど、本当に理想をいうと、そういうものを書きたいんです。 全然実力が伴ってないのはわかります
0ありがとうございます! 「月光」ってそのまま書いたときに、ちょっと漢字っぽさが前に出てくる気がしたんですね ここでの月光はそれそのものというより、魔術を利用する意味での装置なのて、 だったらよりスペルっぽい英語の方が良いのかなあということで変えました。 「不穏かついやらしい」は、私が一番表現したかったことなので、そう言っていただけるとありがたいです。
0私があの詩を書いたときに審査委員をしていた方ですね。 真夏は夜の夢、はおっしゃるとおり真夏の夜の夢からの引用で、 真夏の夜の夢はなんとなく爽やかな印象を与える、それはきっと「夏」というものの持つイメージだろうなあと思います。 もちろん夏=怪談もあるので、あとはリズムもなんですかね? 作品自体が喜劇なので、そんなものがない、もっと恐ろしい方向にシフトするための語句チョイスとして、当初最後にあった真夏は夜の夢を最初に持ってきました。 今急いでお返事書いているので後になるかもですが、 いすきさんの該当の作品も、ビーレビにあるのであれば読んでみますね。ありがとうございます。
0楽子さん お返事ありがとうございます。丁寧に読ませて頂きます。とりいそぎ、ご連絡でコメントいたします。私の作品は読まなくて大丈夫です。コメントで言及してしまって、そういうお気遣いをさせてすみません。楽子さんはご自身のスタイルで詩の読み書きをして頂ければと思います。よろしくおねがいしますなのです。
0ロンドン塔うろ子さんの詩は、好きです。 肛門のリアリティとか、介護施設の帰りに見上げた夜空とか、 日々の生活の行間から奪われた詩情を取り戻してくれるようで。 べたべたしましょう。コメントありがとうございます。
0コメントありがとうございます。 「うぶく」も一応検索すると「初く」と出てきており、その意味や産声、産く、芽吹くを重ねているのですが造語で 「はるる」も「春る」ととれますが当然造語、 単なる異物のつもりです 「薄い吐息ぐらいで破れそうな皮膜」ひまく、という言葉が出てくるのがとても素敵だと思います。 ひまく。ひまく、良いですね。コメントありがとうございます。!
0「はるる前」は一瞬、はるか前の間違えではないかと思いつつ、晴るるであろうかとも思いました。そうすると前に雨が降っていたようなニュアンスがあるのかもしれないと思いました。言明はされていませんが。
0卑しい存在だった「もの」が徐々に禍々しく育ち、「私」に成ったのだと思いました。 子供の頃からあやしい存在が出てくる作品が好きだったので考えがそちらに傾いてしまいました。失礼しました。
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