帰港 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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帰港    

  帰港 造船台から進水する天体 見送る点滅灯 補装靴で登るアパートの階段に添えられた、花 人目を憚って摘み取り カーブミラー越しの遮断機 誰かのしゃっくり 路肩の猫たちが揮発して夜風となり 島へと渡る橋は寝言をぬかしている いつしか本当の名前を忘れた この海、いつかの 俺たち 兄弟だった 岩場の陰で野糞してた神様 そいつを言いふらして八年、塩害は起きなかった 抱っこをせがむ幼子の引力 月と裸電球がかち合っては波止場に浮かぶ 国道沿いに棄てられた御神体が10tトラックに轢かれて 朝焼け 俺はまだそれを、神様と呼んでた 今もあそこに住んでる 段丘の先端、白髪の海鳥が今日も西へと向かう 背骨をひるがえし顔も忘れた神様 声だけ憶えてる 兄弟になりたかった それから俺たち、たちまち愛し合うのだった



帰港 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 1386.2
お気に入り数: 1
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2021-11-07
コメント日時 2021-11-10
#現代詩 #画像 #縦書き
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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叙情性00
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 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:1386.2
2025/04/11 01時45分55秒現在
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    作品に書かれた推薦文

帰港 コメントセクション

コメント数(5)
YUMENOKENZI
作品へ
(2021-11-08)

郷愁にかられました。 神秘的で美しい詩、写真ですね!

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竜門勇気
竜門勇気
作品へ
(2021-11-08)

シンプルなタイトルから、一行面の”進水する天体”という持っていきかたが白眉なのではないでしょうか。以降は叙事的に振る舞っていて、二段落目以降で神様とかそういう話が出てくるのが寓話的に愛嬌と言った感じです。筆が乗っている、って感じがします。

0
斉藤木馬
YUMENOKENZIさんへ
(2021-11-10)

コメントありがとうございます。 写真も好きでよく撮っているので嬉しいです。

1
斉藤木馬
竜門勇気さんへ
(2021-11-10)

コメントありがとうございます。 短い作品ですが書かされた、といった感じもありました。

0
斉藤木馬
さんへ
(2021-11-10)

コメントありがとうございます。 こちらは最近書いたものなので先ごろ発売した詩集朗読集には収録していないのですが、ライブでは気に入っていてよく読んでいます。

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投稿作品数: 3