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カテーテル
何千、何万回と 細い管を体内に入れて 排出するために カーテンで遮るような社会 赤い手帳が福祉の窓口に置かれ 自動ドアが開き 外からの風が吹いて 折り紙で作った鶴のように飛ばされる 世界 娘が生まれて 僕は 知った 三人で 手を繋ぎ 歩く事の ありがたさを お菓子は一つ レジに出して ありがとうと 礼をする娘に 育ててくれて ありがとうと 嫁に礼をする さらさらとした肌を触り 最初にごめんねと涙を流した 生まれたばかりの声を聞いて 生まれてくれた意味を知った これから始まる いくつもの困難な出来事を たとえ管を付けたままでも 少しずつ歩いていくんだね 悪意の無い世界で 笑顔と泣き顔が交差して 理解しながら受け入れる 普通に生きること 普通じゃないこと その区別なんて 親には関係ないこと 不自由な左足を 周りを見て気付く頃 カテーテルの意味を 理解出来るよう 真っ直ぐな瞳で伝えたい それは謝るだけじゃなく お前をどんなに 愛しているかという事 愛しているかという事
カテーテル ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 836.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-15
コメント日時 2017-10-19
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最初は、かるい感じで読み始めて・・・なんで「カテーテル」という題名と、「カーテンで遮るような社会」カーテンって、音が似ているな、なんて軽さで読んでいて・・・4連目のきっちり綺麗にそろった部分、なんでこんなに丁寧に、心をこめて刻み込むように、それでいて、なんというか、「あたりまえ」のこと、「ふつう」のことを、ずいぶんと丁寧に書いているな、なんでだろう・・・と思いながら読み進めて・・・5連で、喉が詰まりました。 児童館でも、詩の仲間のお子さんでも・・・様々な個性、境涯を持った子供たちに出会ってきたけれど・・・みんな、お母さん大好き、お父さん大好き、なのでした。 〈悪意の無い世界で 笑顔と泣き顔が交差して 理解しながら受け入れる〉 驚いたリ、不思議に思ったり・・・時には嫌悪や優越感や、嬉しさや悔しさや・・・自分の内に沸き起こる感情、外から避けようもなく押し寄せてくる感情、様々な渦巻く感情に出会ったとしても・・・理解、ということと、情解、ということ、その双方が満たされる世界であってほしい。 理解、という言葉の意味、大切さを、改めて思いました。完全な共感なんてできないとしても。きっと、限りなく、想像力によって、追体験したりする、自分に置き換えて考える、ことは出来るんじゃないか。その、自分に置き換えて考える、それが、理解、なんじゃないか。他者の眼に自分の眼を置いてみること。他者の心に、自分の心を添わせてみること。 〈カテーテルの意味を 理解出来るよう 真っ直ぐな瞳で伝えたい それは謝るだけじゃなく お前をどんなに 愛しているかという事〉 言葉を通さずに、伝わるものがあるでしょう。 言葉では伝わらない、でも、瞳を通して、触れあうことを通して、伝わる、こと。 それを、言葉にしてみたら。そんなことを、思いました。
0深く感じ入るものがあります。しかしそれを言葉にするのはこの場にふさわしくないと感じています。ストレートな作品であるがゆえ、自分の人生と切り離して語ることがどうにも難しい。それでも書かずにはいられなかった。読ませてもらえたことに感謝いたします。
0花緒さん。まりもさん。斉藤さん。感想ありがとうございます。体の不自由な暮らしは自分の年齢が経つにつれて身近に考えるようになります。実際、確かに娘は導尿が必要な体ですが家族として笑顔で生活して生きています。どんな立場、姿であっても親だけは子供を愛せる社会にするために衆議院選挙に立候補しようとしましたが手元に300円しかなかったので辞退しました。 なので選挙に行くぐらいはしようと思いました。
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