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旧弊
旧市街より七廻りの画廊を曲がった処、 環状線に揺られ 翻訳機の夢を鳥瞰してゆく 瞳の有り月と呼ばるる 近世紀の観光地 噴泉に砒素薔薇を育む もはや棘は棘ではなく同異‐胚株の花粉に縁取られたる瞼の額縁である 国家威厳たる建築家達の癲狂、催奇を求め細緻修飾美を施す、人工の摩天楼1000341号室へ 精神病院に閉じられる格子窓 そは自己の対偶、 時代はかはりましたから, (實に?) 人力飛行機の翼に凭れ 卑賎たる旧國青年達は 今何処に誰と暮らしているのか、勿忘草より 晴がましき機械の世紀も既に夕映えに沈きぬと そは虚誕の繁栄発展を踏み締めてゐるか 千代に八千代に 仏蘭西に行って 葡萄園の主人になって耶蘇さまの血を啜るのよ 麺麭窯の主人になって耶蘇さまの肉を貪るのよ ――基督者、蜜の花に月球儀を受けて―― くだらない!! 天使がボウリングピンを並べている遠過ぎて近過ぎた公海の議定書は飽く迄も美しい 欠席裁判 に暮れて、 国家復興に萌ゆる、 瓦斯室は 燃ゆる議会室机へと一擲の火炎瓶を燈す 瓦斯室は 国家爛熟の終にこそ過剰美を腐し嗄れてゆくか 酷暑 われに敢無く躓く韻文 われは、を売りました われは 玉音放送を聴いてゐるか 革命の季節に死の糧は薫った 死者たちのための 静かな闘争を終えて, 吹きっ晒しの竈へ降る死の雨
旧弊 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 842.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-09-01
コメント日時 2021-09-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ご高覧を賜り、允に嬉しく存じます。 呂律も怪しい駄文ではございますが。 表記の揺れは、現代人にも近代人にもなれぬ、私自身のアイデンティティの様なものです。 教養の拙さを披露して仕舞い、申し訳無く思っております。 旧仮名遣いを浸透せしめるには――つまり延命を施すならば――最も単純な方法がございます。 表記の揺れを是とし、効果とし、文法学者へと詩人らしい、放埓を披露することでございます。 なぜ美術技法には新旧のコラージュがあり、私達詩人(?)にはないのだろう、とう疑問を、提起出来ましたならば幸いに存じます。
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