匂いが渋滞しています
わたしは目的地をうしなって
声をあげた鳥におびえています
電線にひっかかった雲が
おさないわたしのカタチを残し
首だけが
名作映画のような雲に取り込まれました
ひとつ街を越えて
知らない公園で知らない子どもが
知っている遊具で遊んでいます
ポストを失ったこの街では
配達夫が昼間から酒を飲んでいます
波打ち際のプラスチックのように
はがきや封筒がアスファルトにこびりつき
切手を集める青年が
手を汚しながら目を光らせています
正しい刃物の使い方を
知っているだけで
人と共存していけるみたい
周回する風にこびりついた物語が
こねあげるわたしの心
顔のカタチが気になって
耳、目、鼻、口
を、愛撫すると
匂いだけは確かでした
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1152.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 7
作成日時 2021-08-21
コメント日時 2021-09-02
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 7 | 7 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0.7 | 1 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.3 | 2 |
閲覧指数:1152.1
2024/11/21 19時59分27秒現在
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>匂いが渋滞しています の始まりから、 >匂いだけは確かでした の終わり方。若干違和感を覚えなくもないですが、化粧品メーカーのLUSHの店頭でも体験できる感覚なので、「そうではない」とは言い切れないところがありますね。 >正しい刃物の使い方を >知っているだけで >人と共存していけるみたい ここ良いです。 ちょっと考察材料になりそうな部分ですが、「わたし」「うしなって」「おびえて」「おさない」の表記と(「わたし」はどうも作風のようなのでちょっと違うかも。「はがき」は漢字表記にされる例が少ないため除外)、「愛撫」の表記。詩の中で話者の年齢差が生じています。「愛撫」は最後のほうであり、「正しい刃物の~」という一種の悟りを得ているところから、成長して色々分かってきたところだろうな、と思うんですけど、「渋滞」という漢字が書ける年代ならば、「うしなって」「おびえて」「おさない」も、全て漢字で書ける年代だと思うんです。となると、最初の一行は >匂いだけは確かでした を書いた後に、書かれたんでしょうか。 「作者はそんなに考えてないよ」案件だったら申し訳ないのですが、詩の書く順番・語の順番について考えさせられる詩でした。
0文脈の意味の変化についていけませんでした。
0コメントを頂きありがとうございます。 自分の体臭ですとか 慣れ親しんだ匂いに気が付かないだけで 匂いに囲まれているのだなと思いました。 いろいろと感じてくださりありがとうございます。 少し書き足すのなら 同じ言葉でもひらがなと漢字で意味合いが少し変わるように思えるので そういう風に表現しました。 「うしなう」は「失う」と喪失していくスピードが違うように思えます。 「おびえる」も「怯える」の対象が変わるように思えます。 そのイメージが伝われば幸いです。 記憶についての詩でしたので、順番は不確かなものかもしれません。 コメントをくださりありがとうございました。
0コメントを頂きありがとうございます。 少し残念でですが、また私の詩と出会ったときに、 目を通していただけると幸いです。
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