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キカ
きれーなミルク色のナイフに欲情するのが癖になって、調教は酷くハードになって、魂ごと拘束されたまま見るあなたの涙はまだ、また、美しかった、拘束された魂を炙ると漏れ出す臭気は人間のそれで、TVの中の操り人形達が笑ったり鳴いたりするのに似て、ちー助、昔拾って1週間で死んだ燕の雛の名前、焦げついた魂が安らかに目を綴じるように、と、あなたの名前を呼んで、夜に、誰にも聴かれないように、何度も、私が食べた人形の非生物的端正さの四肢のカタチ、ナゾって、た?、皺苦茶のシーツの中で、翼のように腕を翳して、可哀想な人達を目で嬲るのに疲れて、そっと花を置く、香水の匂いと腕の傷の中に私は居なくて、晴れた空に消えていく霧の中にさえ私が見つからなくて、1瞬漏れた苦鳴だけ、本物だった、っけ?、たぶん、鬘、金色の、夢は黒、震えるように、わざと?、もう居なくなってしまう昨日と常に有り続ける明日の間で、また透けてしまう手足がもう見えないから私はもう居ないはずなのに、あなたの歌が私の中を常時浮遊しては響き続けて、何処へでも行ける私は時間のキセキに閉じ込められて、もう何処へも行けないのに、はずなのに、惨めでないとイけない人々=私(或いは私のはらから)、有り触れた日常の金太郎飴めいた断面図=私(或いは私の腹を飛び出した奇怪かつ機械な透明な神サマの内蔵)、皆の白摺り硝子の目玉に複製され磔にされた救いの無いロクデナシ梨の礫子ちゃん=私(或いは私では無い誰か)、でも、魂の中に私は居ない、私の中に魂は居ない、魂を抜け出した私があなたの歌の中で眠りについても、私は居ない、私、居ない、私、歌、居ない、いない、いない、いない、いない、いない、のに、触らないで、まんこ、濡れちゃう、と、良いけど、早くと焦らした夢の中に居ない人々、みんな、何処?、煙草を、ゆっくり、ゆっくり、吸い込む時間、深く、窓の外、緑、愛に満ちた人々の頭が破裂してく弾けてく、ラブ・テロル・ララバイ・タイム・バイ・ポップコーン・ピープル、体の裂け目から漏れ落ちる、優しい、悲しい、残忍、路上に落ちて居る死に跪いて顔をつけて食べる、貪る、感謝、に咽びながら、ドギー・スタイル、便器について居た死だったかもしれない、誰もが、夢見た、溢れ出す幸福が、夏の陽に炙られて、揺れてる、儚い、咲いた笑顔が、曇っては、離れていくのが、寂しくて、君の手首を、強く、握りそうになって、凶暴な匂い、首筋に撒いた青い香水、赤い寄生木、祈るように、唇を噛んだ、奥歯を噛み合わせた、砕けそうに、ギリギリ、脳まで噛み砕きそうだったけど、私は耐えられた、ギリギリギリ、私は居ないから耐えられた、ギリギリギリギリ、嘘だっけ?、たぶん、嘘だな、嘘だよなー、ね、暑いし、瞼を裂いた、汗が、甘くて、犬の混じり気の無い臭気、むっとする、凶暴な純粋な悪臭、犬は昔狼だった、狼の心臓の中を泳ぐ1筋のフィラリアになって、あなたと1つになりたいと、仰いだ月に、きれーなミルク色のナイフ。 昨日の続きが明日であるような夏の。 夏の指先が凍って息が熱い。 熱くて透明な体。 ねぇ。 あなたは今、寂しい? 歌が聴きたいな。
キカ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1241.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2021-08-05
コメント日時 2021-08-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 7 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。 独特な情熱を感じる表現で、なかなか入り込めないのですが、最後の部分にある通り、何かが過ぎ去った後の寂しさを感じます。
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