わたしは一艘の小さな舟
骨組みも無い透き通った
薄皮だけの舟なのだ
海のような羊水のような
そのような液体の波間を漂う
そんな禁猟区を航行しているという浮舟
何処を彷徨っているのだろう
船頭さんは居るのかい
大波小波はやって来るのか
白い光の方へ白い光の方へ
漂って行けば良いよと
聖人風の何者かの声がする
無視するわたし
それで良い
骨組みの無い透明な薄皮だけの
此のわたし舟
海のような水蒸気のような
熱波に灼かれた細かな砂地のような
どろどろの沼沢のような
尊い空気のような
薄い幸福感のようなものの中を
恐らくこのまま
始まりも終わりも無いまま
つーっという音のような
細い線のまま航行していくのだろう
焦燥感が滑り込む
余地だらけなので
まもなくわたしは
灼熱の湾岸に座礁する
船頭熟女が心地良い
作品データ
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作成日時 2021-07-12
コメント日時 2021-07-12
#現代詩
#縦書き
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2024/12/04 02時08分56秒現在
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